リモート処理の例
既定のアーキテクチャやトランスポート チャネルを使用すると、簡単でリモート処理のほとんどの要件を満たすことができますが、場合によってはリモート処理プロセスに対して、より完全な処理を求められる場合があります。このセクションの各トピックでは、リモート処理プロセスをより深く掘り下げて、下位のレベルでの処理や、それらの処理を置換したり、拡張する方法について説明します。
セキュリティは、業務アプリケーションを構築するときの重要な考慮事項であり、業務上の要件を満たすには、リモート メソッド呼び出しに認証や暗号化などのセキュリティ機能を追加する必要も出てきます。この必要性を満たすために、チャネルは、リモート オブジェクトとメッセージをやり取りする実際のトランスポート機構を開発者が制御できるようにカスタマイズできます。
注意
.NET Framework リモート処理では、既定では認証または暗号化を行いません。したがって、クライアントやサーバーとリモートで対話する前に、ID の確認に必要な手順をすべて実行することをお勧めします。.NET Framework リモート処理アプリケーションの実行には、FullTrust アクセス許可が必要です。そのため、承認されていないクライアントがサーバー上でのアクセスを許可された場合は、完全な信頼を与えられているものとして、コードを実行できてしまいます。インターネット インフォメーション サービス (IIS : Internet Information Services) でリモート型をホストするか、リモート型をホストするためのカスタム チャネル シンク ペアを構築することによって、常にエンドポイントを認証し、通信ストリームを暗号化してください。
このセクションの内容
- リモート処理の例 : 動的公開
.NET Framework リモート処理クラスを使用して、特定のオブジェクトを動的に公開したり、公開を中止する方法の例を示します。
- リモート処理の例 : 追跡サービス
ITrackingHandler を使用して、マーシャリング イベント、マーシャリング解除イベント、および切断イベントを登録する方法の例を示します。
- リモート処理の例 : インターネット インフォメーション サービス (IIS) でのホスト
IIS を使用してリモート処理が可能な型をホストする方法や、既定の SoapFormatter オブジェクトの代わりに BinaryFormatter オブジェクトを使用するようにクライアントを修正する方法の例を示します。
- リモート処理の例 : 有効期間
有効期間リースおよびスポンサーの例を示します。
- リモート処理の例 : チャネル シンク プロバイダ
チャネル シンク チェーンを検索してアプリケーション構成ファイルで指定されたプロパティを設定するチャネル シンク プロバイダを構築する方法の例を示します。
- リモート処理の例 : CallContext
CallContext を使用して、論理スレッドを越えて情報を渡す方法の例を示します。
- リモート処理の例 : 非同期リモート処理
.NET Framework リモート処理のシナリオで非同期プログラミングを使用する例を示します。
関連するセクション
- .NET Framework リモート処理の概要
.NET Framework リモート処理アーキテクチャ全体についての高度な説明を提供します。
- リモート アプリケーションの構成
リモート呼び出しを動作させるためにリモート処理システムが持っている必要のある情報について説明します。
- 高度なリモート処理
高度な通信を実現するための、さまざまな方法に関する情報を提供します。
- .NET での通信オプションの選択
アプリケーション ドメイン間通信に利用できる .NET Framework のオプションについて説明します。