改ページ対応レポートでのドリルスルー、ドリルダウン、サブレポート、入れ子にされたデータ領域 (Power BI Report Builder)
適用対象: Power BI Report Builder Power BI Desktop
Power BI 改ページ対応レポートのデータをさまざまな方法で整理して、概要と詳細の関係を示すことができます。 たとえば、すべてのデータをレポートに含めておき、最初は詳細データは非表示で、ユーザーがクリックすると表示するようにできます。この動作を ドリルダウン アクションといいます。 テーブルやグラフなどのデータ領域をテーブルやマトリックスなどの別のデータ領域内に 入れ子 にして、その入れ子になったデータ領域にデータを表示できます。 メイン レポート内に完全に含まれている サブレポート にデータを表示できます。 また、ユーザーがリンクをクリックすると表示される個別のレポートである 詳細 レポートに詳細データを含めることもできます。
A. 詳細レポート
B. サブレポート
C. 入れ子になったデータ
D. ドリルダウン アクション
これらの方法には共通点がありますが、用途も機能もそれぞれ異なります。 詳細レポートとサブレポートは、実際には別個のレポートです。 "入れ子にされた" とは、階層構造がレポートに追加されることを表す方法です。 改ページ対応レポートでは、レポートを 4 レベルの子レポートまでドリルダウンできます。 たとえば、レポート A -> レポート B -> レポート C にドリルダウンできます。"ドリルダウン" は、他のレポート アイテムを表示/非表示するために任意のレポート アイテムに適用できるアクションです。 これらの方法はすべて、ユーザーにとってレポートが理解しやすくなるようにデータを整理して表示するためのものです。
特性の概要
次の表は、各方法のさまざまな特性についてまとめたものです。 詳細については、このトピックの後半で説明します。 ドリルダウンによる表示と非表示はどのレポート アイテムにも適用できるので、この表の比較にはドリルダウンは含まれていません。
特性 (trait) | サブレポート | ドリルスルー |
---|---|---|
使用するデータセットがメイン レポートと同じかどうか | 同じまたは別 | 同じまたは別 |
データの取得方法 | メイン レポートと同時にデータを取得 | 詳細レポートごとにデータを取得 |
処理と表示のタイミング | メイン レポートと同時 | リンクがクリックされたとき |
パフォーマンス | 低速 (メイン レポートと同時にすべてのデータを取得) | 高速 (メイン レポートとは別にデータを取得) |
パラメーターを使用するかどうか | はい | はい |
再利用できるかどうか | レポート、または他のレポートのサブレポートか詳細レポートとして再利用可 | レポート、または他のレポートのサブレポートか詳細レポートとして再利用可 |
置かれる場所 | メイン レポートの外部、ワークスペース内の同じまたは別のレポート | メイン レポートの外部、ワークスペース内の同じレポートまたは別のレポート |
表示される場所 | メイン レポート内 | 別のレポート内 |
特性の詳細
使っているクエリ
サブレポートとドリルスルー レポートでは、メイン レポートと同じクエリ データを使うか、別のものを使うことができます。 入れ子にされたデータは同じクエリを使います。
データの取得
サブレポートは、メイン レポートと同時にデータを取得します。 詳細レポートでは個別に取得します。 各詳細レポートでは、ユーザーがそれぞれのリンクをクリックしたときにデータが取得されます。 メイン レポートとその下位レポートのデータを同時に取得する必要がある場合は、この違いが重要になります。
処理とレンダリング
サブレポートは、メイン レポートの一部として処理されます。 たとえば、注文明細情報を表示するサブレポートが詳細行のテーブル セルに追加された場合、サブレポートはテーブルの行ごとに一度処理され、メイン レポートの一部として表示されます。 詳細レポートは、ユーザーがメインの要約レポート内のドリルスルー リンクをクリックしたときにだけ処理および表示されます。
パラメーターの使用
詳細レポートとサブレポートには、通常、表示するレポート データを指定するレポート パラメーターがあります。 たとえば、メイン レポートの販売注文番号をクリックすると、詳細レポートが開き、販売注文番号がパラメーターとして受け取られ、その販売注文のすべてのデータが表示されます。 メイン レポートにリンクを作成する場合は、詳細レポートにパラメーターとして渡す値を指定します。
詳細レポートまたはサブレポートを作成するには、まず対象の詳細レポートまたはサブレポートをデザインする必要があり、その後にメイン レポートに対してドリルスルー アクションを作成したり、参照を追加したりします。
再利用性
サブレポートと詳細レポートは別個のレポートです。 したがって、これらのレポートは多数のレポートで使用することも、スタンドアロンのレポートとして表示することもできます。
場所
サブレポートと詳細レポートはどちらも別個のレポートであるため、メイン レポートの外部に保存されます。 サブレポートとドリルスルー レポートは同じワークスペース内にある必要があります。
表示
サブレポートはメイン レポート内に表示されます。 詳細レポートは個別に表示されます。
このセクションの内容
改ページ対応レポートの詳細レポート (Power BI Report Builder): ユーザーがメイン レポートのリンクをクリックしたときに開くレポートについて説明します。
入れ子にされたデータ領域 (Report Builder と SSRS): マトリックス内に入れ子にされたグラフなど、あるデータ領域を別のものの中に入れ子にする方法を説明します。
改ページ対応レポートのドリルダウン アクション (Power BI Report Builder): ドリルダウン アクションを使ってレポート アイテムの非表示および表示する方法について説明します。
Power BI の改ページ対応レポートでのサブレポート: メイン レポートの本文内に表示されるこれらのレポートについて説明します。