文字列関数
.NET Framework Data Provider for SQL Server (SqlClient) には、入力された String に対して操作を実行し、その結果を String または数値として返す String 関数が用意されています。 これらの関数は、SqlClient の SqlServer 名前空間に存在します。 Entity Framework は、プロバイダーの名前空間プロパティを使用することにより、型や関数など、特定のコンストラクターに対してこのプロバイダーによってどのプレフィックスが使用されているかを特定できます。
次の表に、SqlClient の String 関数を示します。
| 関数 | 説明 |
|---|---|
ASCII(expression) |
文字列式の左端の文字の ASCII コード値を返します。 引数 expression:ASCII String 型の任意の有効な式。戻り値 Int32。例 SqlServer.ASCII('A') |
CHAR(expression) |
Int32 コードを ASCII String に変換します。引数 expression:Int32。戻り値 ASCII の String。例 SqlServer.char(97) |
CHARINDEX(expression1, expression2 [, start_location]) |
指定された式の、文字列内での開始位置を返します。 引数 expression1:検索する文字列を含む式。 String (ASCII または Unicode) 型または Binary 型の式を指定できます。expression2:式。通常は、文字列を検索する対象の列を指定します。 String (ASCII または Unicode) 型または Binary 型の式を指定できます。start_location:(省略可) expression1 の検索を開始する expression2 内での文字位置を表す Int64 型 (SQL Server 2000 では返されません) または Int32 型の値。 start_location を指定しなかった場合、または負の値や 0 を指定した場合は、expression2 の先頭から検索が開始されます。戻り値 Int32。例 SqlServer.CHARINDEX('h', 'habcdefgh', 2) |
DIFFERENCE(expression, expression) |
2 つの文字列の SOUNDEX 値を比較し、両者の類似性を評価します。引数 ASCII または Unicode の String 型。 expression 引数には定数、変数、または列を指定できます。戻り値 2 つの文字式の SOUNDEX 値の差を表す Int32 を返します。 値の範囲は 0 ～ 4 です。 0 は類似性が低いか類似性がないことを示し、4 は類似性が高いか同じ値であることを示します。例 // The following example returns a DIFFERENCE value of 4,//the least possible difference or the best match.SqlServer.DIFFERENCE('Green','Greene'); |
LEFT(expression, count) |
文字列の左端から指定された数の文字を返します。 引数 expression:Unicode または ASCII の String 型。 CAST 関数を使用して、明示的に character_expression を変換します。count:character_expression から取得する文字数を指定する Int64 (SQL Server 2000 では返されません) または Int32 型。戻り値 Unicode または ASCII の String。例 SqlServer.LEFT('SQL Server', 4) |
LEN(expression) |
指定された文字列式の、末尾の空白を除いた文字数を返します。 引数 expression:String (Unicode または ASCII) 型または Binary 型の式。戻り値 Int32。例 SqlServer.LEN('abcd') |
LOWER(expression) |
大文字が小文字に変換された状態の String 式を返します。引数 expression:String 型の任意の有効な式。戻り値 String。例 SqlServer.LOWER('AbB') |
LTRIM(expression) |
先頭のスペースを削除した後の String 式を返します。引数 expression:String 型の任意の有効な式。戻り値 String。例 SqlServer.LTRIM(' d') |
NCHAR(expression) |
Unicode 標準の定義に従って、指定された整数コードの Unicode の String を返します。引数 expression:Int32。戻り値 Unicode の String。例 SqlServer.NCHAR(65) |
PATINDEX('%pattern%', expression) |
指定された String 式の中で、特定のパターンが最初に現れる先頭位置を返します。引数 '%pattern%':ASCII または Unicode の String 型。 ワイルドカード文字も使用できます。ただし、パターンの前後に % 文字が必要です (先頭の文字または末尾の文字を検索する場合は除く)。expression:指定パターンの検索対象となる ASCII または Unicode の String。戻り値 Int32。例 SqlServer.PATINDEX('abc', 'ab') |
QUOTENAME('char_string' [, 'quote_char']) |
Unicode の String に区切り記号を追加して返すことで、入力文字列から区切り記号で囲まれた有効な SQL Server 2005 識別子を作成します。引数 char_string:Unicode の String。quote_char:区切り記号として使用する 1 つの文字を指定します。 単一引用符 (')、左または右の角かっこ ([ ])、二重引用符 (") のいずれかを指定できます。 quote_char を指定しない場合は、角かっこが使用されます。戻り値 Unicode の String。例 SqlServer.QUOTENAME('abc[]def') |
REPLACE(expression1, expression2, expression3) |
文字式を別の文字式に置き換えます。 引数 expression1:検索範囲となる文字列式。 expression1 には、Unicode または ASCII の String 型を指定できます。expression2: 検出された部分文字列。 expression2 には、Unicode または ASCII の String 型を指定できます。expression3: 置換文字列。 expression3 には、Unicode または ASCII の String 型を指定できます。例 SqlServer.REPLACE('aabbcc', 'bc', 'zz') |
REPLICATE(char_expression, int_expression) |
文字式を指定された回数繰り返します。 引数 char_expression:Unicode または ASCII の String 型。int_expression: Int64 (SQL Server 2000 ではサポートされません) または Int32。戻り値 Unicode または ASCII の String 型。例 SqlServer.REPLICATE('aa',2) |
REVERSE(expression) |
入力文字列の文字位置を逆転した Unicode または ASCII の String を返します。 引数 expression:Unicode または ASCII の String 型。戻り値 Unicode または ASCII の String 型。例 SqlServer.REVERSE('abcd') |
RIGHT(char_expression, count) |
文字列の右端から指定された数の文字を返します。 引数 char_expression: Unicode または ASCII の String 型。 CAST 関数を使用して、明示的に character_expression を変換します。count:character_expression から取得する文字数を指定する Int64 (SQL Server 2000 では返されません) または Int32 型。戻り値 ASCII の String 型。例 SqlServer.RIGHT('SQL Server', 6) |
RTRIM(expression) |
末尾のスペースを削除した後の Unicode または ASCII の String を返します。 引数 expression:Unicode または ASCII の String 型。戻り値 Unicode または ASCII の String 型。例 SqlServer.RTRIM(' d e ') |
SOUNDEX(expression) |
2 つの文字列の類似性を評価する 4 文字のコード (SOUNDEX) を返します。引数expression:Unicode または ASCII の String 型。戻り値 ASCII の String。 4 文字の (SOUNDEX) コードは、2 つの文字列の類似性を評価する文字列です。例 Select SqlServer.SOUNDEX('Smith'), SqlServer.SOUNDEX('Smythe') FROM {1}戻り値 ----- ----- S530 S530 |
SPACE(int_expression) |
連続する空白文字で構成される ASCII の String を返します。引数 int_expression:空白文字の数を表す Int64 (SQL Server 2000 では返されません) または Int32。戻り値 ASCII の String。例 SqlServer.SPACE(2) |
STR(float_expression [, length [, decimal]]) |
数値データから変換された ASCII の String を返します。引数 float _expression:小数点付きの概数型 (Double) の式。length: (省略可) 全体の長さを表す Int32。 これには小数点、符号、数字、空白文字も含まれます。 既定値は 10 です。decimal: (省略可) 小数点の右側の桁数を表す Int32。 16 以下である必要があります。 decimal に 16 を超える値を指定した場合、結果は小数点以下 16 桁に切り捨てられます。戻り値 ASCII の String。例 SqlServer.STR(212.0) |
STUFF(str_expression, start, length, str_expression_to_insert) |
文字列式内で、指定された長さ分の文字を削除し、指定された開始位置に別の文字列を挿入します。 引数 str_expression:Unicode または ASCII の String。start:: 削除または挿入を開始する位置を指定する Int64 型 (SQL Server 2000 では返されません) または Int32 型の値。length:削除する文字数を指定する Int64 型 (SQL Server 2000 では返されません) または Int32 型の値。str_expression_to_insert:Unicode または ASCII の String。戻り値 Unicode または ASCII の String。例 SqlServer.STUFF('abcd', 2, 2, 'zz') |
SUBSTRING(str_expression, start, length) |
String 式の一部分を返します。引数 str_expression:String (ASCII または Unicode) 型または Binary 型の式。start:部分文字列の取得開始位置を指定する Int64 ( SQL Server 2000 では返されません) または Int32。 1 は文字列の先頭文字を表します。length:式から取得する文字数を指定する Int64 (SQL Server 2000 では返されません) または Int32 型。戻り値 String (ASCII または Unicode) 型または Binary 型。例 SqlServer.SUBSTRING('abcd', 2, 2) |
UNICODE(expression) |
Unicode 標準に定義された、入力式の先頭文字の整数値を返します。 引数 expression:Unicode の String。戻り値 Int32。例 SqlServer.UNICODE('a') |
UPPER(expression) |
小文字が大文字に変換された状態の String 式を返します。引数 expression:ASCII または Unicode の String 型の式。戻り値 ASCII または Unicode の String 型。例 SqlServer.UPPER('AbB') |
SqlClient でサポートされる String 関数について詳しくは、「文字列関数 (Transact-SQL)」をご覧ください。