クラウド ネイティブ アプリケーション バンドル
ヒント
このコンテンツは eBook の「Azure 向けクラウド ネイティブ .NET アプリケーションの設計」からの抜粋です。.NET Docs で閲覧できるほか、PDF として無料ダウンロードすると、オンラインで閲覧できます。
クラウドネイティブ アプリケーションの重要な特性は、クラウドの機能を利用して開発が高速になることです。 多くの場合、この設計は、完成したアプリケーションにさまざまな種類のテクノロジが使用されることを意味します。 アプリケーションは Docker コンテナーでリリースされることがあり、サービスによっては Azure Functions が使用されることがあります。一方で、ハードウェア GPU アクセラレーションを備えた大規模なメタル サーバーに割り当てられた仮想マシン上で直接実行されることもあります。 クラウドネイティブ アプリケーションは 2 つとして同じものはないため、リリースするための 1 つのメカニズムを用意することは困難でした。
Docker コンテナーの場合、Kubernetes 上で実行し、デプロイに Helm Chart を使用することができます。 Azure Functions の場合、Terraform テンプレートを使用して割り当てることができます。 最後に、仮想マシンの場合、Terraform を使用して割り当て、構築には Ansible を使用することができます。 このようにさまざまなテクノロジがありますが、それらをすべてまとめて合理的なパッケージにする方法はありませんでした。 今までは、の話です。
クラウド ネイティブ アプリケーション バンドル (CNAB) は、Microsoft、Docker、HashiCorp などの多くのコミュニティ志向の企業による、分散アプリケーションをパッケージ化するための仕様を開発することを目的とした共同の取り組みです。
この取り組みは 2018 年の 12 月に発表されたものなので、この取り組みをより大きなコミュニティに公開するには、まだかなりの作業が必要です。 ただし、既にオープン仕様と、Duffle と呼ばれる参照実装があります。 このツールは Go 言語で作成されており、Docker と Microsoft が共同で開発したものです。
CNAB には、さまざまな種類のインストール テクノロジを含めることができます。 このような側面から、Helm chart、Terraform テンプレート、Ansible プレイブックなどを同じパッケージに共存させることができます。 ビルドされたパッケージは、自己完結型でポータブルであり、USB メモリからでもインストールできます。 パッケージには暗号を使用して署名されており、発行元が正規のものであることを確認できます。
CNAB の核となるのは、bundle.json
というファイルです。 このファイルには、Terraform やイメージなど、バンドルの内容が定義されています。 図 11-9 は、Terraform を呼び出す CNAB の定義です。 ただし、実際には、Terraform の呼び出しに使用される呼び出しイメージが定義されていることに注意してください。 パッケージ化されると、cnab ディレクトリにある Docker ファイルが Docker イメージに組み込まれ、バンドルに含まれることになります。 バンドルの Docker コンテナー内に Terraform がインストールされているので、バンドルを実行するためにユーザーがマシンに Terraform をインストールする必要がありません。
{
"name": "terraform",
"version": "0.1.0",
"schemaVersion": "v1.0.0-WD",
"parameters": {
"backend": {
"type": "boolean",
"defaultValue": false,
"destination": {
"env": "TF_VAR_backend"
}
}
},
"invocationImages": [
{
"imageType": "docker",
"image": "cnab/terraform:latest"
}
],
"credentials": {
"tenant_id": {
"env": "TF_VAR_tenant_id"
},
"client_id": {
"env": "TF_VAR_client_id"
},
"client_secret": {
"env": "TF_VAR_client_secret"
},
"subscription_id": {
"env": "TF_VAR_subscription_id"
},
"ssh_authorized_key": {
"env": "TF_VAR_ssh_authorized_key"
}
},
"actions": {
"status": {
"modifies": true
}
}
}
図 10-18 - Terraform ファイルの例
また、bundle.json
では Terraform に渡すパラメーターを定義しています。 バンドルのパラメーター化により、さまざまな環境へのインストールが可能になります。
また、CNAB 形式には柔軟性もあるため、あらゆるクラウドに対して使用することができます。 OpenStack のようなオンプレミス ソリューションに対しても使用できます。
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