FTP アダプターに関する既知の問題
ここでは、エラー回避に役立つ情報を記載します。
BizTalk Server で FTP アダプターを使用してデータを受信すると、データが重複または損失する場合がある
問題
FTP アダプターを使用してBizTalk Serverでデータを受信すると、データが重複または失われます。
原因
BizTalk Server FTP アダプターは、FTP クライアント プロトコルを使用して指定された FTP サーバーをポーリングし、サーバーから "そのまま" データを取得します。FTP アダプターは、取得したデータを検証しません。 FTP アダプターは、取得したドキュメントを処理のため BizTalk メッセージング エンジンに送信した後、FTP サーバーから元のドキュメントを削除します。 FTP アダプターが、ホスト アプリケーションが書き込み中のドキュメントを FTP サーバーから取得すると、取得したドキュメントは不完全になります。 元のドキュメントの不完全なコピーを取得した場合、次のシナリオでデータの重複やデータの損失が発生することがあります。
元のドキュメントがホスト アプリケーションから FTP サーバーに書き込まれている最中の場合、FTP アダプターはそのドキュメントを削除できないので、受信場所に構成された次のポーリング間隔でそのドキュメントのコピーをもう 1 つ取得します。 この動作により、ドキュメントの重複が発生します。
ホスト アプリケーションから FTP サーバーへのドキュメントの書き込みが完了すると、そのドキュメントは削除されます。 この動作により、データの損失が発生します。
解決方法
この動作を回避するには、以下のいずれかの方法を使用します。
パブリック FTP フォルダーと同じハード ディスク上の一時フォルダーに書き込み、一時フォルダーの内容を定期的に FTP フォルダーに移動するように、ホスト アプリケーションを構成します。 移動操作がアトミックになるように、一時フォルダーを、パブリック FTP フォルダーと同じハード ディスク上に配置する必要があります。 アトミック操作とは、機能的にそれ以上分割できない操作のことです。 BizTalk Server FTP アダプターを使用してパブリック FTP フォルダーにデータを書き込む場合は、送信ポートを構成するときに [FTP トランスポートのプロパティ] ダイアログ ボックスで [一時フォルダー] プロパティを指定します。 "一時フォルダー" プロパティを指定する場合は、このフォルダーがパブリック FTP フォルダーと同じ物理ディスク上にあることを確認します。
ホスト アプリケーションがデータを FTP サーバーに書き込まない場合、サービス時間帯に動作するように FTP 受信場所を構成します。 サービス時間帯は、受信場所のプロパティを構成する際に指定できます。
FTP アダプターではサーバー証明書の失効の確認をサポートしていない
問題
BizTalk Serverの FTP アダプターは、SSL/TLS を使用した FTPS サーバーとの間の安全なファイル転送をサポートするように拡張されています。 証明書失効リスト (CRL) には失効し、無効になった証明書のリストが入っています。 FTP アダプターでは、サーバー証明書を認証するために CRL を参照しません。
原因
仕様上、FTP アダプターではサーバー証明書を受け取る前に CRL を参照しません。
解決方法
アクションは必要ありません。この動作は仕様です。
FTP アダプターで最大ファイル サイズを超えるファイルがダウンロードされる
問題
FTP 受信アダプターでは、指定した最大ファイル サイズ プロパティを超えるサイズのファイルが次の FTP サーバーからダウンロードされます。
AIX
MVS
AS400
GXS
原因
仕様上、FTP アダプターでは上記の FTP サーバーからファイルをダウンロードするとき、最大ファイル サイズの設定に従いません。
解決方法
アクションは必要ありません。この動作は仕様です。