HIPAA スキーマのトリガー フィールドの注釈
多くの場合、EDI セグメントには、セグメントの意味を変更する修飾子の値が含まれています。 たとえば、N1 セグメントには "請求先名" を示す "BT" の修飾要素が含まれていたり、"出荷先名" を示す "ST" の修飾要素が含まれていることがあります。 通常、これらのフィールドを解釈する方法を決定するビジネス ロジックに任され、逆アセンブラーは N1 セグメントのすべてのインスタンスを同じ XML レコード名に解決します。ただし、BizTalk Serverに付属する HIPAA スキーマには、EDI 逆アセンブラーが修飾要素の存在に基づいて一意の XML レコードを作成できるようにする注釈が含まれています。
トリガー フィールドの実装
トリガー フィールドは、セグメントの要素およびこのレコードの作成の起因となるトリガー値を説明する、ペアの XML 属性として実装されています。 次の表は、これらの属性の説明です。
属性 | 目的 |
---|---|
trigger_field | トリガー値を調べるセグメント フィールドです。 |
trigger_value | トリガーの値です。 1 つの値、または空白で区切られた値のリストを含めることができます。 |
次の表は、HIPAA スキーマ、トリガーをアクティブ化する EDI セグメント、およびセグメント処理の結果となる XML データに表示されるトリガーの注釈を示します。
スキーマ トリガーの注釈 | 一致する N1 セグメント | 生成される XML データ |
---|---|---|
<xs:element name="TS835W1_1000A_Loop"> <xs:annotation> <xs:appinfo> <b:recordInfo structure="delimited" delimiter_type="inherit_record" field_order="infix" count_ignore="yes" child_delimiter="default" trigger_field="N1_PayerIdentification_TS835W1_1000A/N101__EntityIdentifierCode" trigger_value="PR" notes="Payer Identification" /> </xs:appinfo> </xs:annotation> |
N1*PR*Contoso*XV*0000000~ | <ns0:TS835W1_1000A_Loop> <N1_PayerIdentification_TS835W1_1000A> <N101__EntityIdentifierCode>PR</N101__EntityIdentifierCode> <N102__PayerName>Contoso</N102__PayerName> <N103__IdentificationCodeQualifier>XV</N103__IdentificationCodeQualifier> <N104__PayerIdentifier>0000000</N104__PayerIdentifier> </N1_PayerIdentification_TS835W1_1000A> |
<xs:element name="TS835W1_1000B_Loop"> <xs:annotation> <xs:appinfo> <b:recordInfo structure="delimited" delimiter_type="inherit_record" field_order="infix" count_ignore="yes" child_delimiter="default" trigger_field="N1_PayeeIdentification_TS835W1_1000B/N101__EntityIdentifierCode" trigger_value="PE" notes="Payee Identification" /> </xs:appinfo> </xs:annotation> |
N1*PE*Fabrikam*FI*9999999~ | <TS835W1_1000B_Loop> <N1_PayeeIdentification_TS835W1_1000B> <N101__EntityIdentifierCode>PE</N101__EntityIdentifierCode> <N102__PayeeName>Fabrikam</N102__PayeeName> <N103__IdentificationCodeQualifier>FI</N103__IdentificationCodeQualifier> <N104__PayeeIdentificationCode>9999999</N104__PayeeIdentificationCode> </N1_PayeeIdentification_TS835W1_1000B> |
EDI 逆アセンブラーによるトリガー フィールドの処理
HIPAA トランザクション セットを受信するときに、EDI 逆アセンブラーがトリガー フィールドを含むセグメントを検出すると、トリガー情報を使用して、セグメントとトリガーの組み合わせに固有の XML レコードが生成されます。 たとえば、次の EDI データには、N101、PR および PE について異なる値を持つ 2 つの N1 セグメントがあります。
N1*PR*Contoso*XV*0000000~
N3*N301__PayerAddressLine~
N4*N401__PayerCityName*N4*N403__PayerPost**N4*N406~
……
N1*PE*Fabrikam*FI*9999999~
N3*N301__PayeeAddressLine~
N4*N401__PayeeCityName*N4*N403__PayeePost**N4*N406~
EDI 逆アセンブラーによって処理されると、スキーマに存在するトリガー フィールド注釈は、N1*PR と <N1*PE に対応する N101、N1_PayerIdentification_TS835W1_1000A>、<N1_PayeeIdentification_TS835W1_1000B>の値に基づいて 2 つの個別の XML レコードになります。
送信時に EDI アセンブラーでは、トリガーの注釈を含むフィールドの "_" 文字に続くサフィックスを削除します。 たとえば、N1_PayerIdentification_TS835W1_1000A>と<N1_PayeeIdentification_TS835W1_1000B>の両方<が N1 になります。
既定のセグメントおよびトリガー フィールド
次の表に、BizTalk Serverの一部として提供される HIPAA ドキュメントで使用される既定のセグメントとトリガー フィールドに関する情報を示します。
Note
トリガー フィールドで使用される個別のトリガー値は、スキーマによって異なります。
トリガーのあるセグメント | トリガー フィールド |
---|---|
AMT | AMT01 |
CRC | CRC01 |
DTM | DTM01 |
DTP | DTP01 |
ENT | ENT02 |
HI | HI01:01 |
N1 | N101 |
NM1 | NM01 |
NTE | NTE01 |
REF | REF01 |
RMR | RMR01 |