エンコード アグリーメントのプロパティの構成
取引先アグリーメント (TPA) は、特定の B2B プロトコルによる 2 つの取引先間でのメッセージの処理に関する、最終的で拘束力のある合意です。 簡単に言うと、TPA は、2 つのビジネス プロファイル間で B2B メッセージを互いに交換する際に、特定のメッセージ エンコード プロトコル (X12 または EDIFACT) や特定のトランスポート プロトコル (AS2) を使用するための了解事項です。 エンコードとトランスポート プロトコルについての合意事項を定義する以外にも、アグリーメントを使用してメッセージの形式と配信方法をカスタマイズすることができます。
エンコード プロトコル設定の一部として、送信パーティが受信確認を要求するかどうか、メッセージがバッチ処理されるか個別に送信されるかなどを定義できます。
トランスポート プロトコルの設定の一部として、メッセージに署名する必要があるかどうか、メッセージを暗号化する必要があるかどうか、なども定義できます。
Note
トランスポート プロトコル (AS2) の設定の詳細については、「 AS2 契約のプロパティの構成」を参照してください。
アグリーメントを作成する際は、次の点を考慮する必要があります。
2 つのパーティ間の取引先アグリーメントは双方向のアグリーメントです。 パーティ A とパーティ B の間の 1 つの契約を使用して、パーティ A からパーティ B にメッセージを送信したり、パーティ B からパーティ A にメッセージを受信したりできます。ユーザー インターフェイスで双方向アグリーメントを表すために、各一方向アグリーメントは 1 つのタブで表されます。そのため、契約ユーザー インターフェイスには、 PartyA-PartyB> (パーティ A からパーティ B に送信されたメッセージの一方向アグリーメントを表す) と PartyB-PartyA> (PartyB から PartyA に送信されるメッセージの一方向アグリーメントを表す) の 2 つのタブが表示されます。
それぞれの一方向アグリーメントは、1 つのエンド ツー エンド メッセージ トランザクションの要求を処理します。 受信確認の送受信も同じメッセージ トランザクションの一部であるため、同じ一方向アグリーメント タブで構成する必要があります。たとえば、パーティ A がパーティ B に EDI インターチェンジを送信し、応答としてパーティ B がパーティ A に受信確認を送信するとします。そのため、インターチェンジの送信と受信確認の予期に関連するすべてのプロパティは、[PartyA-PartyB>] タブで設定する必要があります。
Note
受信確認は同じメッセージ トランザクションの一部ですが、受信確認の生成方法に関連するプロパティは、PartyB-PartyA> タブで構成されます。これは、送信者と受信者の修飾子の受信確認コンテキスト プロパティが、PartyA-PartyB> タブで指定した値の反対に設定されるために必要です。たとえば、差出人と受信者の識別子が、インターチェンジ メッセージの解決先の契約で THEM と US に設定されている場合、送信者と受信者のコンテキスト プロパティは、受信確認で US と THEM に設定されます。 通常、他の一方向のアグリーメント タブでも、送信者および受信者の識別子はそれぞれ US および THEM に設定されます。 そのため、受信確認メッセージは、そのアグリーメントに従って解決され、プロパティの設定が取得されます。 そのため、異なる要素区切り記号を使用する受信確認を行う場合、または CR LF を使用するための受信確認を行う場合は、[PartyB-PartyA>] タブでプロパティを指定します。
概念的には、受信確認のプロパティは、受信確認のコンテキスト プロパティで設定された送信者と受信者の修飾子が同じ一方向アグリーメント タブから選択されます。 ただし、実際に使いやすいように、一般的には、インターチェンジの解決用に作成したアグリーメントのもう 1 つの一方向のアグリーメント タブでこの設定を行います。
エンコード アグリーメント (メッセージに使用するメッセージ エンコードを定義する) およびトランスポート アグリーメント (メッセージ交換に使用するトランスポート プロトコルを定義する) を設定できます。 エンコード アグリーメントは必ず設定する必要があります。 2 つのパーティが AS2 アグリーメントを設定するのは、メッセージの転送に AS2 プロトコルを使用する場合のみです。 たとえば、2 つのパーティがメッセージを電子メールで転送する場合、AS2 アグリーメントは必要ありません。
Note
AS2 アグリーメントの詳細については、「 AS2 契約のプロパティの構成」を参照してください。