VNet のネットワーク マッピングと IP アドレス指定を設定する
この記事では、異なる Azure リージョンに配置されている Azure Virtual Network (VNet) のインスタンスをマッピングする方法と、ネットワーク間の IP アドレス指定を設定する方法について説明します。 ネットワーク マッピングにより、レプリケーションを有効にしたときの、ソース ネットワークに基づいたターゲット ネットワークの選択の既定の動作が提供されます。
前提条件
ネットワークをマップする前に、Azure VNet がソースとターゲットの Azure リージョンになければなりません。
ネットワーク マッピングを手動で設定する (オプション)
Note
世界中の任意の 2 つの Azure リージョン間でレプリケーションを実行できるようになりました。 お客様は、レプリケーションを自身の大陸内に限定されることなく有効化できるようになりました。
次のようにネットワークをマップします。
[Site Recovery インフラストラクチャ] で、 [+ネットワーク マッピング] をクリックします。
[ネットワーク マッピングの追加] で、ソースとターゲットの場所を選択します。 この例では、ソース仮想マシンは東アジア リージョンで実行されていて、東南アジア リージョンにレプリケートされます。
次に、逆方向のネットワーク マッピングを作成します。 この例では、ソースが東南アジアになり、ターゲットが東アジアとなります。
レプリケーションを有効にするときにネットワークをマップする
Azure 仮想マシンのディザスター リカバリーを構成する前にネットワーク マッピングを準備していない場合は、レプリケーションをセットアップして有効にするときにターゲット ネットワークを指定できます。 その場合は次のようになります。
- 選択したターゲットに基づいて、Site Recovery では、ソース リージョンからターゲット リージョンへのネットワーク マッピングと、ターゲット リージョンからソース リージョンへのネットワーク マッピングが自動的に作成されます。
- 既定では、Site Recovery では、ソース ネットワークと同じターゲット リージョンにネットワークが作成されます。 Site Recovery は、ターゲット ネットワークの名前にサフィックスとして -asr を追加します。 ターゲット ネットワークをカスタマイズできます。 たとえば、ソース ネットワーク名が contoso-vnet であるとすると、ターゲット ネットワークの名前は contoso-vnet-asr になります。
つまり、ソース ネットワークの名前が "contoso-vnet" であった場合、ターゲット ネットワークの名前は contoso-vnet-asr
となります。 ソース ネットワークの名前は、Azure Site Recovery では編集されません。
- ソース ネットワークで既にネットワーク マッピングが行われている場合、マップされたターゲット ネットワークは、追加の仮想マシンのレプリケーションを有効にした時点では常に既定になります。 ドロップダウンから他の利用可能なオプションを選択することで、ターゲット仮想ネットワークを変更できます。
- 新しいレプリケーションについて、既定のターゲット仮想ネットワークを変更するには、既存のネットワーク マッピングを変更する必要があります。
- リージョン A からリージョン B へのネットワーク マッピングを変更する場合は、まずリージョン B からリージョン A へのネットワーク マッピングを必ず削除してください。逆マッピングを削除したら、リージョン A からリージョン B へのネットワーク マッピングを変更し、関連する逆マッピングを作成します。
Note
- ネットワーク マッピングを変更すると、新しい仮想マシン レプリケーションの既定のみが変更されます。 既存のレプリケーションのターゲット仮想ネットワークの選択は影響を受けません。
- 既存のレプリケーションのターゲット ネットワークを変更する場合は、レプリケートされた項目の [ネットワーク] 設定に移動します。
サブネットを指定する
ターゲット仮想マシンのサブネットは、ソース仮想マシンのサブネットの名前に基づいて選択されます。
ソース仮想マシンのサブネットと同じ名前のサブネットをターゲット ネットワークで利用できる場合は、そのサブネットがターゲット仮想マシンに対して選択されます。
ターゲット ネットワークに同じ名前のサブネットが存在しない場合は、アルファベット順で最初のサブネットがターゲット サブネットとして設定されます。
ターゲット サブネットは、仮想マシンの [ネットワーク] 設定で変更できます。
ターゲット仮想マシンの IP アドレス指定を設定する
ターゲット仮想マシンの各 NIC の IP アドレスは、次のように構成されます。
- DHCP: ソース仮想マシンの NIC で DHCP が使用されている場合、ターゲット仮想マシンの NIC も DHCP を使用するように設定されます。
- 静的 IP アドレス: ソース仮想マシンの NIC で静的 IP アドレス指定が使用されている場合、ターゲット仮想マシンの NIC でも静的 IP アドレスが使用されます。
セカンダリ IP 構成も同様です。
フェールオーバー時の IP アドレスの割り当て
Note
NIC 設定に関係なく、ターゲット仮想マシンに IP アドレスを割り当てるには、次の方法を使用します。
ソースとターゲットのサブネット | 詳細 |
---|---|
同じアドレス空間 | ソース仮想マシン NIC の IP アドレスがターゲット仮想マシン NIC の IP アドレスとして設定されます。 このアドレスが使用できない場合は、次に使用可能な IP アドレスがターゲットとして設定されます。 |
異なるアドレス空間 | ターゲット サブネット内の次に使用可能な IP アドレスがターゲット仮想マシンの NIC アドレスとして設定されます。 |
テスト フェールオーバー時の IP アドレスの割り当て
ターゲット ネットワーク | 詳細 |
---|---|
ターゲット ネットワークがフェールオーバー VNet の場合 | - ターゲット IP アドレスは静的で、同じ IP アドレスを持ちます。 - 同じ IP アドレスが既に割り当てられている場合、IP アドレスはサブネット範囲の最後で次に利用できる IP になります。 例: ソース IP アドレスが 10.0.0.19 で、フェールオーバー ネットワークで範囲 10.0.0.0/24 が使用される場合、ターゲット仮想マシンに対して割り当てられる次の IP アドレスは 10.0.0.254 です。 |
ターゲット ネットワークがフェールオーバー VNet ではない場合 | - ターゲット IP アドレスが静的で同じ IP アドレスになるのは、ターゲット仮想ネットワークでそれが使用可能な場合だけです。 - 同じ IP アドレスが既に割り当てられている場合、IP アドレスはサブネット範囲の最後で次に利用できる IP になります。 例: ソースの静的 IP アドレスが 10.0.0.19 で、フェールオーバーがフェールオーバー ネットワークではないネットワーク上で行われる場合 (範囲は 10.0.0.0/24 )、ターゲットの静的 IP アドレスは、使用可能な場合は 10.0.0.19 となります。 それ以外の場合は 10.0.0.254 です。 |
- フェールオーバー VNet は、ディザスター リカバリーの設定時に選択するターゲット ネットワークです。
- テスト フェールオーバーには必ず非運用環境のネットワークを使用することをお勧めします。
- 仮想マシンの [ネットワーク] 設定でターゲット IP アドレスを変更できます。
次のステップ
- Azure 仮想マシンのディザスター リカバリーについては、ネットワーク ガイダンスをご確認ください。
- フェールオーバー後の IP アドレスの保持についてご確認ください。