チュートリアル:Azure で Service Fabric クラスターのランタイムをアップグレードする

このチュートリアルは、4 つのシリーズの一部で、Azure Service Fabric クラスター上の Service Fabric ランタイムをアップグレードする方法について説明します。 チュートリアルのこの部分は、Azure で実行されている Service Fabric クラスター用に書かれており、スタンドアロン Service Fabric クラスターには適用されません。

警告

チュートリアルのこの部分では、PowerShell が必要です。 クラスターのランタイムをアップグレードする機能は、Azure CLI ツールでまだサポートされていません。 代替方法として、クラスターはポータルからアップグレードできます。 詳細については、「Azure Service Fabric クラスターのアップグレード」をご覧ください。

クラスターで既に最新の Service Fabric ランタイムが実行されている場合は、この手順を実行する必要はありません。 ただ、この記事は、サポート対象のランタイムを Azure Service Fabric クラスターにインストールする場合も使用できます。

このチュートリアルでは、以下の内容を学習します。

• クラスター バージョンの読み取り
• クラスター バージョンの設定

このチュートリアル シリーズで学習する内容は次のとおりです。

• テンプレートを使用して Azure にセキュリティで保護された Windows クラスターを作成する
• クラスターを監視する
• クラスターをスケールインまたはスケールアウトする
• クラスターのランタイムをアップグレードする
• クラスターの削除

Note

Azure を操作するには、Azure Az PowerShell モジュールを使用することをお勧めします。 作業を始めるには、「Azure PowerShell をインストールする」を参照してください。 Az PowerShell モジュールに移行する方法については、「AzureRM から Az への Azure PowerShell の移行」を参照してください。

前提条件

このチュートリアルを開始する前に

• Azure サブスクリプションを持っていない場合は無料アカウントを作成する
• Azure PowerShell または Azure CLI をインストールします。
• セキュリティで保護された Windows クラスターを Azure に作成します
• Windows 開発環境を設定します。 Visual Studio 2019、Azure 開発ワークロード、ASP.NET および Web 開発ワークロード、 .NET Core クロス プラットフォーム開発ワークロードをインストールします。 その後、.NET 開発環境をセットアップします。

Azure へのサインイン

Azure アカウントにサインインし、Azure のコマンドを実行する前にサブスクリプションを選択します。

Connect-AzAccount
Get-AzSubscription
Set-AzContext -SubscriptionId <guid>

ランタイム バージョンの取得

Azure に接続したら、Service Fabric クラスターを含むサブスクリプションを選択して、クラスターのランタイムのバージョンを取得できます。

Get-AzServiceFabricCluster -ResourceGroupName SFCLUSTERTUTORIALGROUP -Name aztestcluster `
    | Select-Object ClusterCodeVersion

または、次の例を使用して、サブスクリプション内のすべてのクラスターの一覧を取得します。

Get-AzServiceFabricCluster | Select-Object Name, ClusterCodeVersion

ClusterCodeVersion 値に注目してください。 この値は次のセクションで使用します。

ランタイムをアップグレードする

前のセクションの ClusterCodeVersion の値を Get-ServiceFabricRuntimeUpgradeVersion コマンドレットで使用して、アップグレードに使用可能なバージョンを検出します。 このコマンドレットは、インターネットに接続されているコンピューターからのみ実行できます。 たとえば、バージョン 5.7.198.9494 からアップグレードすることが可能なランタイム バージョンを表示するには、次のコマンドを使用します。

Get-ServiceFabricRuntimeUpgradeVersion -BaseVersion "5.7.198.9494"

バージョンのリストを使用して、新しいランタイムにアップグレードする Azure Service Fabric クラスターを判断できます。 たとえば、バージョン 6.0.219.9494 がアップグレードできる場合、次のコマンドを使用して、クラスターをアップグレードします。

Set-AzServiceFabricUpgradeType -ResourceGroupName SFCLUSTERTUTORIALGROUP `
                                    -Name aztestcluster `
                                    -UpgradeMode Manual `
                                    -Version "6.0.219.9494"

重要

クラスターのアップグレードが完了するまでには時間がかかる場合があります。 アップグレードの実行中は PowerShell がブロックされます。 別の PowerShell セッションを使用して、アップグレードの状態を確認できます。

アップグレードの状態は、PowerShell または Azure Service Fabric CLI (sfctl) を使用して監視できます。

まず、チュートリアルの最初の部分で作成した TLS/SSL 証明書を使用して、クラスターに接続します。 Connect-ServiceFabricCluster コマンドレット、または sfctl cluster upgrade-status を使用します。

$endpoint = "<mycluster>.southcentralus.cloudapp.azure.com:19000"
$thumbprint = "63EB5BA4BC2A3BADC42CA6F93D6F45E5AD98A1E4"

Connect-ServiceFabricCluster -ConnectionEndpoint $endpoint `
                             -KeepAliveIntervalInSec 10 `
                             -X509Credential -ServerCertThumbprint $thumbprint `
                             -FindType FindByThumbprint -FindValue $thumbprint `
                             -StoreLocation CurrentUser -StoreName My

sfctl cluster select --endpoint https://aztestcluster.southcentralus.cloudapp.azure.com:19080 \
--pem ./aztestcluster201709151446.pem --no-verify

次に、Get-ServiceFabricClusterUpgrade または sfctl cluster upgrade-status を使用して状態を表示します。 結果は次のようになります。

Get-ServiceFabricClusterUpgrade

TargetCodeVersion                          : 6.0.219.9494
TargetConfigVersion                        : 3
StartTimestampUtc                          : 11/28/2017 3:09:48 AM
UpgradeState                               : RollingForwardPending
UpgradeDuration                            : 00:09:00
CurrentUpgradeDomainDuration               : 00:09:00
NextUpgradeDomain                          : 1
UpgradeDomainsStatus                       : { "0" = "Completed";
                                             "1" = "Pending";
                                             "2" = "Pending";
                                             "3" = "Pending";
                                             "4" = "Pending" }
UpgradeKind                                : Rolling
RollingUpgradeMode                         : Monitored
FailureAction                              : Rollback
ForceRestart                               : False
UpgradeReplicaSetCheckTimeout              : 37201.09:59:01
HealthCheckWaitDuration                    : 00:05:00
HealthCheckStableDuration                  : 00:05:00
HealthCheckRetryTimeout                    : 00:45:00
UpgradeDomainTimeout                       : 02:00:00
UpgradeTimeout                             : 12:00:00
ConsiderWarningAsError                     : False
MaxPercentUnhealthyApplications            : 0
MaxPercentUnhealthyNodes                   : 100
ApplicationTypeHealthPolicyMap             : {}
EnableDeltaHealthEvaluation                : True
MaxPercentDeltaUnhealthyNodes              : 0
MaxPercentUpgradeDomainDeltaUnhealthyNodes : 0
ApplicationHealthPolicyMap                 : {}

sfctl cluster upgrade-status

{
  "codeVersion": "6.0.219.9494",
  "configVersion": "3",

... item cut to save space ...

  },
  "upgradeDomains": [
    {
      "name": "0",
      "state": "Completed"
    },
    {
      "name": "1",
      "state": "Pending"
    },
    {
      "name": "2",
      "state": "Pending"
    },
    {
      "name": "3",
      "state": "Pending"
    },
    {
      "name": "4",
      "state": "Pending"
    }
  ],
  "upgradeDurationInMilliseconds": "PT1H2M4.63889S",
  "upgradeState": "RollingForwardPending"
}

次のステップ

このチュートリアルでは、以下の内容を学習しました。

• クラスターのランタイムのバージョンを取得する
• クラスター ランタイムをのアップグレードする
• アップグレードを監視する

次のチュートリアルに進みます。

クラスターの削除