購入する予約を判断する
Azure Databricks を除くすべての予約は、1 時間単位で適用されます。 基準となる一定の使用量に基づいて予約を購入する必要があります。 購入するものを判断する方法は複数あります。この記事は、購入すべき予約を判断するのに役立ちます。
過去の使用量を超える容量を購入しても、予約を十分に活用できません。 十分に活用されない状態は、可能な限り避ける必要があります。 時間内に使用されなかった予約容量が次の時間に引き継がれることはありません。 予約済みの量を超える使用に対しては、より高額な従量課金制料金が適用されます。
使用量データを分析する
以降の各セクションを参考に、日単位の使用量データを分析してベースライン使用量を見極め、購入すべき予約を判断してください。 開始する前に、「Azure の使用量と料金の表示とダウンロード」の記事を確認して、使用状況ファイルをダウンロードする方法に関する詳細を取得してください。
VM 予約インスタンスを購入するにあたって使用量を分析する
購入の対象となる適切な VM サイズを見極めましょう。 たとえば、ES シリーズの VM について購入した予約は、E シリーズの VM には適用されません。その逆も同様です。
Promo シリーズの VM は予約割引が適用されないので、分析対象から除外してください。
候補となる VM の使用量を絞り込むには、使用量データに次のフィルターを適用します。
MeterCategory
をVirtual Machines
にフィルター処理します。AdditionalInfo
からServiceType
の情報を取得します。 この情報から適切な VM サイズを推測できます たとえば、「D2s_v3
」のように入力します。ResourceLocation
フィールドを使用して、使用量データの拠点を特定します。
1 日の使用量が 24 時間未満のリソースは無視してください。
フィルターが適用された使用状況ファイルを示す使用状況ファイルの例を次に示します。 この例では、AdditionalInfo
が D2s_v3
仮想マシンを示唆しています。
インスタンス サイズ ファミリー レベルで分析したい場合は、インスタンス サイズの柔軟性の値をインスタンサイズの柔軟性比率から取得できます。 その値とご自身のデータとを結合して分析を行ってください。 インスタンス サイズの柔軟性の詳細については、「Reserved VM Instances での仮想マシン サイズの柔軟性」を参照してください。
Azure Synapse Analytics 予約インスタンスを購入するにあたって使用量を分析する
予約容量は、Azure Synapse Analytics DWU 価格に適用されます。 Azure Synapse Analytics ライセンス コストなど、コンピューティング以外のコストには適用されません。
候補となる使用量を絞り込むには、使用量データに次のフィルターを適用します。
- MeterCategory から SQL Database をフィルターで抽出します。
- MeterName から vCore をフィルターで抽出します。
- MeterSubCategory から、名前に Compute が含まれるすべての使用量レコードをフィルターで抽出します。
AdditionalInfo から vCores の値を取得します。 これは使用された仮想コアの数を示します。 この数量は、仮想コアの数にデータベースの使用時間数を乗じたものです。
これらのデータから、次の項目についての一定の使用量を把握することができます。
- データベースの種類の組み合わせ (例: 単一データベースあたりのマネージド インスタンスまたはエラスティック プール)。
- サービス レベル (例: General Purpose、Business Critical)。
- 世代 (例: Gen 5)。
- リソースの場所
Azure Synapse Analytics の分析
予約容量は、Azure Synapse Analytics の DWU の使用量に適用され、購入は 100 DWU 単位となります。 候補となる使用量を絞り込むには、使用量データに次のフィルターを適用します。
- MeterName から 100 DWU をフィルターで抽出します。
- Meter Sub-Category から Compute Optimized Gen2 をフィルターで抽出します。
Resource Location フィールドを使用して、リージョンにおける Azure Synapse Analytics の使用量を特定します。
Azure Synapse Analytics の使用量は、一日を通してスケールアップしたりスケールダウンしたりする可能性があります。 Azure Synapse Analytics インスタンスを管理していたチームと話し合って、基準となる使用量を把握してください。
Azure portal の [予約] に移動し、100 DWU の倍数単位で Azure Synapse Analytics の予約容量を購入します。
予約購入の推奨量
予約購入の推奨量は、過去 7 日、30 日、60 日にわたる時間単位の使用量データを分析することで計算されます。 予約を使用していた場合のコストが Azure によって計算され、当該期間に発生した実際の従量課金制のコストと比較されます。 この計算は、当該期間に使用された各数量について実行されます。 コスト削減効果が最大となる数量が提案されます。
たとえば、使用する VM の数が大半の時間は 500 台であるものの、状況によっては 700 台にまで急増することがあるとします。 このケースでは、500 台と 700 台の両方の VM 数についてコスト削減効果が計算されます。 700 台の VM が使用される状況は散発的にしか生じないため、推奨量の計算では、500 台を予約購入したときにコスト削減効果が最大になると判断され、数量 500 台についての推奨量が提示されます。
以下の点に注意してください。
- 予約の推奨量は、ご自身に適用されるオンデマンドの使用率を使用して計算されます。
- 推奨量は、インスタンス サイズ ファミリーではなく個々のサイズについて計算されます。
- スコープに対する推奨数量は、そのスコープの予約購入日と同日に減じられます。
- ただし複数のスコープにまたがる予約の推奨数量については、更新に最大 25 日かかることがあります。 たとえば共有スコープの推奨量に基づいて予約を購入した場合、単一サブスクリプション スコープの推奨量が調整されて減じられるまでに最大 25 日かかる場合があります。
- 現在 Azure では、管理グループのスコープに対する推奨値の生成は行っていません。
Azure portal における推奨情報
レコメンデーション エンジンによって計算される予約購入は、Azure portal の [Recommended](推奨) タブに表示されます。 以下に例の画像を示します。
推奨事項の詳細をご確認ください。
Cost Management Power BI アプリにおける推奨情報
マイクロソフト エンタープライズ契約のお客様は、VM RI カバレッジ レポートを利用して VM と購入の推奨情報を得ることができます。 カバレッジ レポートには、合計使用量と、予約インスタンスによってカバーされる使用量が表示されます。
- Cost Management アプリを入手します。
- VM RI カバレッジ レポートに移動します。購入するスコープに応じて共有スコープまたは単一スコープを選択してください。
- リージョン、使用量の表示対象となるインスタンス サイズ ファミリー、RI カバレッジ、選択したフィルターに対する購入推奨情報を選択します。
Azure Advisor における推奨事項
予約購入の推奨量は、Azure Advisor から入手できます。
- Advisor で提供されるのは、単一サブスクリプションのスコープでの推奨事項のみです。 課金スコープ全体 (課金アカウントまたは課金プロファイル) の推奨事項を表示するには、次のようにします。
- Azure portal の [予約] > [追加] に移動し、推奨事項を表示する種類を選択します。
- 推奨量と節約額は、3 年間の予約 (可能な場合) を対象としています。 サービスに対して 3 年間の予約が販売されていない場合、推奨量は 1 年間の予約価格を使用して計算されます。
- 推奨事項の算出には、オンデマンド使用率に対する特別な割引が含まれます。
- 共有スコープの予約を購入した場合、Advisor の予約購入に関する推奨事項が非表示になるまでに最大で 5 日間かかることがあります。
- クラシック VM などの Azure クラシック コンピューティング リソースは、予約の推奨事項から明示的に除外されます。 Microsoft では、ユーザーが非推奨となるレガシ サービスに長期的にコミットすることを避けるよう推奨しています。
API を使用した推奨情報
推奨情報をプログラムで表示するには、Reservation Recommendations REST API を使用します。