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コンテナー化された最初の Azure Functions を作成する

この記事では、Linux コンテナーで実行される関数アプリを作成し、それを Azure Functions にデプロイします。

関数コードをコンテナ-で Azure Functions にデプロイするには、Premium プランまたは専用 (App Service) プランのホスティングが必要です。 この記事を完了すると、お使いの Azure アカウントで数ドルのコストが発生します。これは、完了時にリソースをクリーンアップすることによって最小限に抑えることができます。

関数アプリ コンテナーを Azure にデプロイするためのその他のオプションは次のとおりです。

開発言語を選択する

まず、Azure Functions ツールで、言語固有の Linux 基本イメージを使用して、Docker コンテナーに関数アプリとしてプロジェクト コードを作成します。 記事の冒頭で言語を必ず選択してください。

Core Tools では、お使いの関数言語の正しい基本イメージの最新バージョンを使用するプロジェクトの Dockerfile が自動的に生成されます。 最新の基本イメージからコンテナーを定期的に更新し、コンテナーの更新されたバージョンから再デプロイする必要があります。 詳細については、「コンテナー化された関数アプリの作成」を参照してください。

前提条件

操作を始める前に、以下の要件を満たしておく必要があります。

  • Azure CLI バージョン 2.4 以降のバージョン。

Azure サブスクリプションをお持ちでない場合は、開始する前に Azure 無料アカウントを作成してください。

作成したコンテナー化された関数アプリ イメージをコンテナー レジストリにを発行するには、Docker ID とローカル コンピューターで実行されている Docker が必要です。 Docker ID がない場合は、Docker アカウントを作成することができます。

また、レジストリ インスタンスを作成するには、Container Registry のクイックスタートに記載の「コンテナー レジストリの作成」セクションを完了する必要があります。 完全修飾ログイン サーバー名を書き留めます。

仮想環境を作成してアクティブにする

適切なフォルダーで次のコマンドを実行し、.venv という名前の仮想環境を作成してアクティブにします。 Azure Functions でサポートされているいずれかの Python バージョンを必ず使用してください。

python -m venv .venv
source .venv/bin/activate

お使いの Linux ディストリビューションに Python の venv パッケージがインストールされていなかった場合は、次のコマンドを実行します。

sudo apt-get install python3-venv

以降のコマンドはすべて、このアクティブ化された仮想環境で実行します

ローカル関数プロジェクトを作成してテストする

ターミナルまたはコマンド プロンプトで、自分が選択した言語に合わせて次のコマンドを実行し、現在のフォルダーに関数アプリ プロジェクトを作成します。

func init --worker-runtime dotnet-isolated --docker
func init --worker-runtime node --language javascript --docker
func init --worker-runtime powershell --docker
func init --worker-runtime python --docker
func init --worker-runtime node --language typescript --docker

空のフォルダーで次のコマンドを実行して、Maven アーキタイプから Functions プロジェクトを生成します。

mvn archetype:generate -DarchetypeGroupId=com.microsoft.azure -DarchetypeArtifactId=azure-functions-archetype -DjavaVersion=8 -Ddocker

-DjavaVersion パラメーターは、使用する Java のバージョンを Functions Runtime に指示します。 Java 11 で関数を実行する場合は、-DjavaVersion=11 を使用します。 -DjavaVersion を指定しない場合、Maven の既定値は Java 8 になります。 詳細については、「Java のバージョン」を参照してください。

重要

この記事の作業を行うには、JAVA_HOME 環境変数を、適切なバージョンの JDK のインストール場所に設定する必要があります。

Maven により、デプロイ時にプロジェクトの生成を終了するための値の入力が求められます。 プロンプトに従って、次の情報を指定します。

Prompt 説明
groupId com.fabrikam Java のパッケージ命名規則に従って、すべてのプロジェクトにわたって対象のプロジェクトを一意に識別する値。
artifactId fabrikam-functions バージョン番号のない、jar の名前である値。
version 1.0-SNAPSHOT 既定値を選択します。
package com.fabrikam.functions 生成された関数コードの Java パッケージである値。 既定値を使用します。

Y」と入力するか、Enter キーを押して確認します。

Maven により、artifactId という名前の新しいフォルダーにプロジェクト ファイルが作成されます (この例では fabrikam-functions)。

--docker オプションによって、プロジェクトの Dockerfile が生成されます。これにより、Azure Functions および選択されたランタイムで使用するための適切なコンテナーが定義されます。

プロジェクト フォルダーに移動します。

cd fabrikam-functions

次のコマンドを使用して、関数を自分のプロジェクトに追加します。ここで、--name 引数は関数の一意の名前で、--template 引数は関数のトリガーを指定するものです。 func new により、お使いのプロジェクトに C# コード ファイルが作成されます。

func new --name HttpExample --template "HTTP trigger"

次のコマンドを使用して、関数を自分のプロジェクトに追加します。ここで、--name 引数は関数の一意の名前で、--template 引数は関数のトリガーを指定するものです。 func new によって、関数と同じ名前のサブフォルダーが作成されます。このサブフォルダーには、func new という名前の構成ファイルが含まれます。

func new --name HttpExample --template "HTTP trigger"

関数をローカルでテストするために、プロジェクト フォルダーのルートでローカルの Azure Functions ランタイム ホストを起動します。

func start  
func start  
npm install
npm start
mvn clean package  
mvn azure-functions:run

HttpExample エンドポイントが出力に書き込まれたのを確認したら、そのエンドポイントに移動します。 応答出力にウェルカム メッセージが表示されます。

HttpExample エンドポイントが出力に書き込まれたのを確認した後で、http://localhost:7071/api/HttpExample?name=Functions に移動します。 name クエリ パラメーターに指定された値、Functions をエコーバックする "hello" メッセージがブラウザーに表示されるはずです。

Ctrl+C (macOS の場合は Command+C) キーを押してホストを停止します。

コンテナー イメージを作成してローカルで検証する

(省略可) プロジェクト フォルダーのルートにある Dockerfile を確認します。 Dockerfile には、Linux 上で関数アプリを実行するために必要な環境が記述されています。 Azure Functions でサポートされている基本イメージの詳細な一覧については、Azure Functions 基本イメージ ページを参照してください。

ルート プロジェクト フォルダーで、docker build コマンドを実行し、名前に azurefunctionsimage、タグに v1.0.0 を指定します。 <DOCKER_ID> を Docker Hub アカウント ID で置換します。 このコマンドでは、コンテナーの Docker イメージがビルドされます。

docker build --tag <DOCKER_ID>/azurefunctionsimage:v1.0.0 .

コマンドが完了すると、新しいコンテナーをローカルで実行できます。

ビルドを検証するために、ローカル コンテナーで docker run コマンドを使用してイメージを実行します。この場合も、<DOCKER_ID> は実際の Docker Hub アカウント ID に置き換え、ポート引数として -p 8080:80 を追加してください。

docker run -p 8080:80 -it <DOCKER_ID>/azurefunctionsimage:v1.0.0

イメージがローカル コンテナーで開始したら、http://localhost:8080/api/HttpExample に移動します。そこに、前と同じ挨拶メッセージが表示されている必要があります。 作成した HTTP トリガー関数は匿名承認を使用するため、コンテナーで実行されている関数は、アクセス キーを取得しなくても呼び出すことができます。 詳細については、承認キーに関するセクションを参照してください。

イメージがローカル コンテナーで開始したら、http://localhost:8080/api/HttpExample?name=Functions に移動します。そこに、前と同じ "hello" メッセージが表示されている必要があります。 作成した HTTP トリガー関数は匿名承認を使用するため、コンテナーで実行されている関数は、アクセス キーを取得しなくても呼び出すことができます。 詳細については、承認キーに関するセクションを参照してください。

コンテナーで関数アプリを検証したら、Ctrl+C (macOS の場合は Command+C) キーを押して実行を停止します。

コンテナー イメージをレジストリに発行する

コンテナー イメージをホスティング環境にデプロイできるようにするには、コンテナー レジストリにプッシュする必要があります。

Azure Container Registry は、コンテナー イメージおよび関連アーティクルのビルド、保管、管理をするための、プライベート レジストリ サービスです。 コンテナーを Azure サービスに発行するには、プライベート レジストリ サービスを使用する必要があります。

  1. 次のコマンドを使用して、現在の Azure 資格情報でレジストリ インスタンスにサインインします。

    az acr login --name <REGISTRY_NAME>
    

    前のコマンドで、<REGISTRY_NAME> をご自身の Container Registry インスタンスの名前に置き換えます。

  2. 次のコマンドを使用して、レジストリ ログイン サーバーの完全修飾名でイメージにタグ付けします。

    docker tag <DOCKER_ID>/azurefunctionsimage:v1.0.0 <LOGIN_SERVER>/azurefunctionsimage:v1.0.0 
    

    <LOGIN_SERVER> をレジストリ ログイン サーバーの完全修飾名に、<DOCKER_ID> を Docker ID に置き換えます。

  3. 次のコマンドを使用して、コンテナーをレジストリ インスタンスにプッシュします。

    docker push <LOGIN_SERVER>/azurefunctionsimage:v1.0.0
    

関数用の関連 Azure リソースを作成する

コンテナーを Azure にデプロイする前に、3 つのリソースを作成する必要があります。

  • リソース グループ。関連リソースの論理コンテナーです。
  • ストレージ アカウント。関数についての情報 (状態など) を維持する目的で使用されます。
  • 関数アプリ。関数コードを実行するための環境となります。 関数アプリは、ローカルの関数プロジェクトと対応関係にあります。これを使用すると、リソースの管理、デプロイ、共有を容易にするための論理ユニットとして関数をグループ化できます。

以下のコマンドを使用してこれらの項目を作成します。 Azure CLI と PowerShell の両方がサポートされます。 Azure PowerShell を使用して Azure リソースを作成するには、Az PowerShell モジュールバージョン 5.9.0 以降も必要です。

  1. まだ Azure にサインインしていない場合は、Azure にサインインします。

    az login
    

    az login コマンドで Azure アカウントにサインインします。

  2. 選択したリージョンに AzureFunctionsContainers-rg という名前のリソース グループを作成します。

    az group create --name AzureFunctionsContainers-rg --location <REGION>
    

    az group create コマンドはリソース グループを作成します。 上記のコマンドで、<REGION> コマンドから返された使用可能なリージョン コードを使用して、<REGION> を自分の近くのリージョンに置き換えます。

  3. リソース グループとリージョン内に汎用ストレージ アカウントを作成します。

    az storage account create --name <STORAGE_NAME> --location <REGION> --resource-group AzureFunctionsContainers-rg --sku Standard_LRS
    

    az storage account create コマンドでストレージ アカウントを作成します。

    前の例の <STORAGE_NAME> は、適宜、Azure Storage 内で一意の名前に置き換えてください。 ストレージ名は 3 文字から 24 文字とし、小文字のみを使用する必要があります。 Standard_LRS は汎用アカウントを指定します。これは Functions でサポートされています。

  4. コマンドを使用して、Azure Functions 用の Premium プランを myPremiumPlan という名前で作成します。価格レベルは myPremiumPlan (--sku EP1) とし、<REGION> を指定し、作成先を Linux コンテナー (--is-linux) とします。

    az functionapp plan create --resource-group AzureFunctionsContainers-rg --name myPremiumPlan --location <REGION> --number-of-workers 1 --sku EP1 --is-linux
    

    ここでは、必要に応じてスケーリングできる Premium プランを使用します。 ホスティングの詳細については、Azure Functions のホスティング プランの比較に関するページをご覧ください。 コストの計算方法の詳細については、Functions の価格に関するページを参照してください。

    また、このコマンドを実行すると、関連する Azure Application Insights インスタンスが同じリソース グループに作成されます。このインスタンスを使用することで、関数アプリを監視し、ログを確認できます。 詳しくは、「Azure Functions を監視する」をご覧ください。 このインスタンスは、アクティブにするまでコストが発生しません。

イメージを使用して Azure 上の関数アプリを作成、構成する

Azure 上の関数アプリでは、Azure Functions のホスティング プランで関数の実行を管理します。 このセクションでは、前のセクションの Azure リソースを使用して、コンテナー レジストリ内のイメージから関数アプリを作成し、Azure Storage への接続文字列を使用してそれを構成します。

  1. コンテナー レジストリに応じて、次のコマンドを使用して関数アプリを作成します。

    az functionapp create --name <APP_NAME> --storage-account <STORAGE_NAME> --resource-group AzureFunctionsContainers-rg --plan myPremiumPlan --image <LOGIN_SERVER>/azurefunctionsimage:v1.0.0 --registry-username <USERNAME> --registry-password <SECURE_PASSWORD> 
    

    この例では、<STORAGE_NAME> を、前のセクションで使用したストレージ アカウントの名前に置き換えます。 また、<APP_NAME> は適宜グローバルに一意の名前に、<DOCKER_ID><LOGIN_SERVER> はそれぞれ実際の Docker Hub アカウント ID、Container Registry サーバーに置き換えます。 カスタム コンテナー レジストリからデプロイする場合は、イメージ名でレジストリの URL を指定します。

    関数アプリを初めて作成すると、Docker Hub から最初のイメージがプルされます。 また、コンテナー レジストリから Azure への継続的デプロイを有効にすることもできます。

    ヒント

    host.json ファイルで DisableColor の設定を使用して、ANSI 制御文字がコンテナー ログに書き込まれないようにすることができます。

  2. 次のコマンドを使用して、作成したストレージ アカウントの接続文字列を取得します。

    az storage account show-connection-string --resource-group AzureFunctionsContainers-rg --name <STORAGE_NAME> --query connectionString --output tsv
    

    ストレージ アカウントの接続文字列は、az storage account show-connection-string コマンドを使用することで返されます。

    <STORAGE_NAME> を、以前に作成したストレージ アカウントの名前に置き換えます。

  3. 次のコマンドを使用して、設定を関数アプリに追加します。

    az functionapp config appsettings set --name <APP_NAME> --resource-group AzureFunctionsContainers-rg --settings AzureWebJobsStorage=<CONNECTION_STRING>
    

    az functionapp config appsettings set コマンドは設定を作成します。

    このコマンドで、<APP_NAME> を関数アプリの名前に、<CONNECTION_STRING> を前の手順の接続文字列に置き換えます。 接続は、DefaultEndpointProtocol= で始まる長いエンコードされた文字列である必要があります。

  4. 関数でこの接続文字列を使用してストレージ アカウントにアクセスできるようになりました。

Azure 上で関数を確認する

イメージを Azure の関数アプリにデプロイしたら、HTTP 要求を通じて関数を呼び出すことができます。

  1. 次の az functionapp function show コマンドを実行し、新しい関数の URL を取得します。

    az functionapp function show --resource-group AzureFunctionsContainers-rg --name <APP_NAME> --function-name HttpExample --query invokeUrlTemplate 
    

    <APP_NAME> をお使いの関数アプリの名前に置き換えます。

  1. 先ほど取得した URL を使用して HttpExample 関数エンドポイントを呼び出し、クエリ文字列 ?name=Functions を追加します。
  1. 先ほど取得した URL を使用して、HttpExample 関数エンドポイントを呼び出します。

この URL にアクセスすると、この関数をローカルで実行したときと同様の出力がブラウザーに表示されるはずです。

リソースをクリーンアップする

この記事で作成したリソースを使用して、引き続き Azure 関数に取り組む場合は、それらのリソースをすべてそのままにしてかまいません。 Azure Functions 用の Premium プランを作成したため、継続するためのコストとして、1 日につき 1 ドルまたは 2 ドルの料金がかかります。

継続コストを避けるためには、AzureFunctionsContainers-rg リソース グループを削除して、そのグループのリソースをすべてクリーンアップしてください。

az group delete --name AzureFunctionsContainers-rg

次のステップ