Visual SourceSafe から Team Foundation Server 2010 へ…
昨夜、オーストラリア (親友の結婚式) から戻りました、ロバートです。
よく「意外」と言われますが、僕は北アメリカ (カナダ、アメリカ合衆国、メキシコ) 以外では、日本しか知らないので、今回のオーストラリアは初上陸であり、30歳間近にして3つ目の大陸にやっと上陸しました。
結構感激。
かなり好きかも、オーストラリア。
アクセントを上手く使い分け、オージーだと思っていただけていたので、気分的には楽でした。 ( ^^)
さて、そんなところで本題に入りましょう。
VSS から TFS へ… と言うお話は、以前からも色んな場所でお話をさせていただいています。
今現在は、MS Japan のページでも、特集としてアップしていますので、是非こちらもチェックして下さい!
https://www.microsoft.com/japan/msdn/vstudio/campaign/vsstotfs/
Team Foundation Server 2010 では、より VSS に近い形で、もしくは VSS からの移行がより簡単になるように、色々と考えてきました。
以前、MVP の皆さんにだけはお話しました、TFS Essentials と言う形で考えていた時期もありますが、現段階ではその名称はなくなりました。
数多くのお客様には VSS をご愛用いただいていて、本当に嬉しく思うのですが、VSS を 1992年に開発し、現在の TFS 開発チームのトップに立つ Brian Harry (https://blogs.msdn.com/bharry/) も、時代と共にテクノロジもニーズも変わってきている中で、VSS に残らず TFS を使って欲しいと思っているようです。それもそのはず。両方の製品を彼自身がデザインして作り上げているのですから、思い入れはあるでしょうね。
WHEN | WHAT |
1992.01 | Visual SourceSafe の開発開始 |
1994 | 世界で最も利用されるソース管理ツールになる |
同年 | マイクロソフトに買収される |
2003 | Team Foundation Server 開発コンセプト開始 |
2005 | TFS 2005 の販売開始 |
2008 | TFS 2008 の販売開始 |
2009 現在 | TFS 2010 の開発も最終段階に入りつつある |
2003年の段階で TFS を作ろうと思ったのには、いくつかの背景があったそうです。当然と言えば当然なのですが、VSS の開発当時からテクノロジやニーズが違ったと言うこともありますが、そもそもの開発スタイルと言ったものも大きく変化してきていたことから、TFS のようなコラボレーションを可能とし、これから数十年先まで使える (拡張性もある) ソース管理ツールを作ろうと言うことになったようです。
エンタープライズ レベルでの開発をターゲットしたのも、どの大きさで、どのような使い方をして、どれだけ粒度の高い作業をしても成り立つシステムを構築したかったから… マイクロソフトの開発部が一番の例として、これまでもピックアップしてきています。
ただし、「どの大きさでも」と言うのは、正に、大きくても小さくてもと言う意味であり、それに向けて TFS 2010 ではもっと手頃なものにして行こうと言うのが原点です。
TFS 2005 では、*価格が高い* と言う言葉と、*インストールが難しい* と言う言葉が多く、それに加えて *管理が難しい* と、*前提条件が厳しすぎる* と言う言葉も多く受けました。
その後、TFS 2008 (現バージョン) では、インストールの面での改善はしたものの、エンタープライズ レベルでの展開において、フレキシビリティを与えるところに特化していて、日本においては逆にオプションが増えて困ると言う声も聞きました。
では、TFS2010 はどう良くなっているか…?
まずは、小規模チームに向けてのアプローチを強化しています。
そう言った意味では、VSS がツールとして陳腐化していく中で、「次の…新たなるソース管理ツール…」と言ったものを探す中で、TFS 2010 はもってこいの選択になると思います。
現在でも VSS をご利用されているお客様に、また他のソース管理ツールを小規模で利用されている方たちにもきっと響く以下のものが TFS 2010 では見込めます。
- 価格: とは言っても、現段階でお値段の公開はできません。…が!今までのお客様の声を反映させて、VSS と肩を並べる形での提供ができるように努力しています。
- 前提条件: 今までの前提条件を満たさずとも、もしくは今まででは NG としてきた構成も可能になります。
- DC (ドメイン コントローラ) 上へのインストールが可能になります。リソースがある場合は、当然 DC は DC だけで運用していただきたいと思いますが、ハードウェアがないと言う場合には DC を DC だけじゃなく、TFS としても利用可能になります。
- TFS 2010 はクライアント PC (Vista, 7) にもインストール可能になります。Brian 自身、ネットブックを購入し、VS 2010, TFS 2010, ビルド サーバーを全て Windows 7 上にインストールし、自身の小さなプロジェクトなどをネットブック上で開発しています!
- x86 と x64 の両方でのインストールが可能になりました。
- インストール: なんと言っても、今までの一番のネックがインストールですね。TFS のインストール手順は、ここのブログにおいても何度かさせてもらっています。エラーの見方も、トラブルシュートの仕方も、結構書いてきています。それくらい、TFS 2005 でも TFS 2008 でも、インストールが一番の頭痛でしたよね。
TFS 2010 では、これを大幅に簡単にしました。
基本、ウィザードを回すだけでインストールができます。
インストール方法は3通り → Basic、Standard、Advanced。 Standard と Advanced となると、僕の場合は SMS 2003 のインストールを思い出してしまいますが… 標準と上級インストール…になるかも (日本語版で) 知れませんね。
中でも、BASIC インストールは、最短で20分ほどでのインストールが可能です。
OS のインストールを含めても、一台の仮想マシンに、僕自身は半日以下でインストールが済みました。まぁ、OS のインストールが一番時間がかかりますね…
BASIC インストールは、SQL、IIS、TFS すべてのインストールと構成を自動的に実行してくれるので、基本的にはボタンを幾度かクリックするだけで OK。
現段階では .NET 4 をインストールする際にマシンの再起動が必要ですが、それ以外に関しては、6~8 スクリーンでボタンをポチポチとクリックするだけで、完了してしまいます。
ぶっちゃけ、このインストールだけをベースにセッションを持ってもイイくらいです。個人的にはかなりの感動モノでしたね!
唯一、BASIC と STANDARD の違いは、SharePoint と SQL Reporting Services を利用しないので、その部分での機能はなくなります…が、VSS を利用されている方たちにとっては、バージョン管理、バグ管理、ビルドの自動化 (継続的インテグレーションも楽々) と言ったものが (Build Server も構成すれば―これもウィザードで簡単にできます) できるようになり、VSS から TFS への移行もウィザードで実施できるので、乗り換えることが簡単にできるようになっちゃうんです!!
地味かも知れませんが、結構スゴイことですよ、これ。
また、後日には、インストール画面でもあげてみますね♪
Team Foundation Server 2010 Beta 1 はこちらからダウンロードいただけますので、ぜひお試し下さい!!
さ~て、お仕事に戻りますか…