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[Office Communicator / Lync / Skype for Business] - デスクトップ共有が失敗するケースについて

Japan Lync/Skype サポートチームです。

Office Communicator 2007 R2 において、デスクトップ共有 (アプリケーション共有) に失敗する事象として以下の情報が公開されています。

Title : Desktop and application sharing fails for Office Communicator 2007 R2 clients
URL : https://support.microsoft.com/ja-jp/kb/2539309

本事象はクライアント PC に 9 個以上の IP アドレスが定義されていることが要因となり発生いたしますが、これは現行バージョンである Skype for Business 2016 にも実装されている Interactive Connectivity Establishment (ICE) の基本動作における制限事項となります。 従いまして、公開情報に記載された Office Communicator 2007 R2 以降にリリースされた各種バージョンにおいても同様に発生いたします。 また、想定数を超えるアドレスが存在することで ICE のネゴシエーション処理が失敗いたしますが、ネットワーク上の FW や ACL などで通信を規制したとしても、実装上想定されないアドレス数により適切な処理が行えないため、本事象を回避することはできません。

なお、複数の IP アドレスが定義される実例としては以下がありますが、一般的な利用環境で 8 個以上となることは想定されず、そのため一部のデスクトップ仮想化環境はサポートできないケースがあります。

  • 有線 LAN や無線 LAN、携帯ネットーワークなど、複数のネットワークに接続している
  • VPN 接続時に仮想 NIC がアドレスを持つ (別要件として VPN はスプリットトンネルが必要)
  • Virtual PC や Hyper-V などにより仮想 NIC がインストールされている
  • Remote Desktop Session Host で IP 仮想化を構成している (サポートできない構成)

特に RDSH で IP 仮想化を構成した環境では、仮想デスクトップに同時にサインインしたユーザー数分の IP アドレスが存在することとなるため、アドレス数が 8 個以内に収まらなくなることとなります。 また、アプリケーションに対して使用するアドレスをバインドしたとしても、ICE の実装上 OS が認識しているすべての IP アドレスを対象として動作するため回避策とはなりません。 従いまして、RDSH で IP 仮想化を構成した環境ではデスクトップ共有/アプリケーション共有が実質的に利用できないため、サポートされない構成となります。

参考情報 :

Title : リモート デスクトップ サービスの概要
URL : https://technet.microsoft.com/ja-jp/library/cc725560(v=ws.11).aspx

Title : リモート デスクトップの IP 仮想化を構成する
URL : https://technet.microsoft.com/ja-jp/library/dd759263(v=ws.11).aspx

Title : Plan for Skype for Business in VDI environments
URL : https://technet.microsoft.com/en-us/library/mt740144.aspx

Title : Lync Server 2013 での Lync VDI プラグインの展開
URL : https://technet.microsoft.com/ja-jp/library/jj204683(v=ocs.15).aspx

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