特定のソリューションをデバッグ実行すると、VS 2010 が異常終了する場合の対処方法
こんにちは。Visual Studio サポート チームの根岸です。
今回は、Visual Studio で、特定のソリューションをデバッグ実行した際に、Visual Studio IDE が異常終了するなどの事象が起こった場合、一般的な対処方法として簡単に実施できる手順を 2 通りご案内します。
※下記内容は Visual Studio 2010 について記載していますが、Visual Studio 2005、2008 の場合においても同様です。
.suo ファイル (ソリューション ユーザー オプション ファイル) を再生成させる
Visual Studio 2010 開発環境は、ソリューション固有の情報を保持するために .suo ファイルと呼ばれる情報を自動的に作成して使用します。
.suo ファイルは、Visual Studio 2010 環境でソリューションを開いて、エディタでの編集やデバッグ時のブレークポイントの設定等、何らかの操作を行われるとその都度その内容に応じて更新されます。
何らかの原因でファイル内の情報が部分的に破損し、本ファイルの内部情報に不整合が生じた場合、Visual Studio 2010 がファイル内に格納された情報を正確に参照できなくなり、デバッグ処理など開発環境としての動作が正常に行われなくなる可能性があります。
特定のソリューションのみで問題が発生する場合は、このような .suo ファイル内の情報の不整合が原因で問題が発生している可能性があります。
このため、以下手順を実施し、次回のソリューション読み込み時に、自動的に初期化状態の正常な .suo ファイルが再生成されるようにすると、事象が回避される場合があります。
- 手順
※ .suo ファイルは Windows エクスプローラーの既定の設定では表示されない隠しファイルです。
※ このため、以下の手順はエクスプローラーで "隠しファイル" を表示する設定を行っていただいた上でご実施ください。
※ また、以下を実施する前に、Visual Studio 2010 を終了しておいてください。
1. 問題のソリューション が存在するフォルダ (.sln ファイルが存在するフォルダ) を Windows エクスプローラーで開きます。
2. ファイルの退避用の一時フォルダを作成し、.sln ファイルと同じ場所に表示される、.suo ファイルを一時フォルダ内に移動します。
3. 移動した後に、再度 Visual Studio 2010 開発環境から .sln ファイルを開きます。
これで、.suo ファイルが再生成されます。
上記を試しても、事象が回避されない場合は、次の手順の実施もご検討ください。
Visual Studio の環境設定とカスタマイズ設定を初期化する
Visual Studio にて予期しない現象が発生する場合、いったんユーザー情報のリセットを行っていただくことで現象が回避される場合があります。
以下を実施すると、すべての環境設定とカスタマイズ設定が初期化され、インストール直後に初回起動する場合と同等の状態となります。
ただし、影響範囲は開発環境のユーザーインターフェイス等に関わるカスタマイズ設定部分のみであり、作成済のソリューションやプロジェクトはそのまま残りますので、ご安心ください。
本初期化手順は、Visual Studio 全体の設定を初期化するため、Visual Studio が異常終了する現象が、複数のソリューションで発生する場合に有効です。
- 手順
※以下を実施する前に、Visual Studio 2010 を終了しておいてください。
1. 管理者権限を持つアカウントでシステムにログインします。
2. [スタート] から [すべてのプログラム] を選択し、[Microsoft Visual Studio 2010] を開きます。
3. [Visual Studio Tools] から [Visual Studio コマンド プロンプト] を選択します。
4. 以下のコマンドを実行します。
> devenv.exe /resetuserdata
上記の各手順を行っても、解決しない場合には、私ども Visual Studio サポート チームまでお問い合わせいただけると幸いです。
その際、弊社でも現象を再現可能な最小限単位のサンプル プロジェクト一式をご提供いただけると、調査がスムーズとなります。
Visual Studio サポート チーム
根岸