Azure SQL Data Warehouse でクラウド分析スピードが劇的に向上
執筆者: Rohan Kumar (Corporate Vice President, Azure Data)
このポストは、2018 年 4 月 30 日に投稿された Turbocharge cloud analytics with Azure SQL Data Warehouse の翻訳です。
データは、使い方に合わせてさまざまに形を変えることができます。競争の激しい市場で優位に立つためには、データを効果的なインサイトに変換することができなければなりません。
このたび、爆発的に増加するデータからすばやくインサイトを導き出すことに重点を置いた、Azure SQL Data Warehouse のコンピューティング最適化 Gen2 パフォーマンス レベルの一般提供を開始しました。この高パフォーマンスに最適化されたレベルでは、マイクロソフトのソフトウェアおよびハードウェアの最新技術を活用して、クエリのパフォーマンスと並列実行数を大幅に向上しています。
高速、柔軟、安全なクラウド データ ウェアハウス
マイクロソフトは、SQL ベースの強力な超並列処理 (MPP) アーキテクチャのデータ ウェアハウスを多くのお客様にご利用いただけるよう、3 年前に Azure SQL Data Warehouse をリリースしました。これは、コンピューティング能力とストレージの個別スケーリングや、一時停止と再開機能などにより、コスト削減を実現できる初のデータ ウェアハウスです。現在では、Adobe、東芝、LG Electronics をはじめとする多くのお客様に、柔軟性、高いクエリ パフォーマンス、包括的なデータ保護およびガバナンス機能をご活用いただいています。さらに、お客様のニーズにお応えして、提供範囲を 33 の Azure リージョンに拡大したことで、最もグローバルなクラウド データ ウェアハウス サービスとなりました。
Azure SQL Data Warehouse のコンピューティング最適化 Gen2 パフォーマンス レベルは、クラウド データ ウェアハウスの新たなパフォーマンス基準を打ち立てます。現行世代と比較すると、クエリ パフォーマンスが最大 5 倍、並列実行数が 4 倍、コンピューティング能力が 5 倍に向上しています。1 クラスターあたりの並列クエリ実行数は、あらゆるクラウド データ ウェアハウスの中で最も多い 128 を誇ります。
この優れたパフォーマンスを可能にするのは、データ配置のタイミングや場所を把握して効果を最大化する、適応型キャッシュ テクノロジ (英語) です。Azure SQL Data Warehouse では、リモート ストレージと高速な SSD キャッシュ層 (NVM を使用) を併用して、演算装置の近くにユーザー アクセスのパターンと頻度に基づくデータを配置します。また、新しいユーザー管理キーによる透過的なデータ暗号化機能により、お客様が完全にデータを制御することができます。
米国の中古車販売大手の DriveTime では、この新しいパフォーマンス レベルの活用により、大幅なパフォーマンス改善とコスト削減に成功しました。
DriveTime でデータベース開発担当マネージング ディレクターを務める Peter Grisolano 氏は、次のように述べています。「DriveTime の扱うデータは膨大です。1 か月に 40 万件のローンを管理しており、1 件あたり最大 1,000 個のデータ要素があります。SQL Data Warehouse のコンピューティング最適化 Gen2 パフォーマンス レベルを採用したことで、データの分析スピードが驚くほど速くなりました」
Azure は最適な分析環境
Azure SQL Data Warehouse は、Azure Databricks、Azure Data Factory、Blob Storage、Power BI とネイティブに統合しているため、最新のデータ ウェアハウス機能、高度な分析機能、リアルタイムの分析シナリオ (英語) をサポートした、新たな分析ソリューションを開発することができます。
また Azure SQL Data Warehouse は、Informatica (英語)、Talend (英語)、Tableau (英語)、MicroStrategy (英語)、Qlik (英語)、Alteryx (英語) などの最先端のデータ統合ソリューションやビジネス インテリジェンス ソリューションと連携しています。さらに Datometry (英語) および Attunity (英語) とも新たに提携し、オンプレミスのデータ ウェアハウスを簡単にクラウドに移行できるようになりました。マイクロソフトは、エコシステムとの緊密な協力により、既存のインフラストラクチャを利用してスピーディに価値を創出する、強力な分析ソリューションを構築しています。
参考資料
- コンピューティング最適化 Gen2 パフォーマンス レベルの動作は、Microsoft Mechanics のビデオ (英語) でご覧いただけます。
- コンピューティング最適化 Gen2 パフォーマンス レベルの主な機能については、こちらのブログ記事 (英語) をお読みください。
- コンピューティング最適化 Gen2 パフォーマンス レベルの適応型キャッシュのしくみについては、こちらのブログ記事 (英語) をお読みください。