Azure Storage Blob で論理的な削除機能の一般提供を開始
執筆者: Michael Hauss (Program Manager, Azure Storage)
このポストは、2018 年 5 月 30 日に投稿された Soft delete for Azure Storage Blobs generally available の翻訳です。
このたび、Azure Storage Blob の論理的な削除機能を、すべてのパブリック リージョンとプライベート リージョンでご利用いただけるようになりました。
この機能を有効化すると、Blob や Blob スナップショットを削除してもデータが保持され、データを復旧できるようになります。上書きされた Blob データもこの機能で保護することができます。
しくみ
データを削除すると、そのデータは永久的に消去されるのではなく、論理的に削除された状態に移行します。論理的削除が有効な状態でデータを上書きすると、論理的に削除されたデータのスナップショットが生成され、上書き前のデータの状態が保持されます。論理的に削除されたオブジェクトは、明示的にリスト化されない限り見えない状態で保持されます。このデータの復旧可能な保持期間は、ユーザーが設定できます。
論理的に削除されたデータは灰色、アクティブなデータは青色で示されています。古いデータの下に示されているのが直近に書き込まれたデータです。B0 が B1 で上書きされると、論理的に削除された B0 のスナップショットが生成されます。Blob が削除されると、ルート (B1) も論理的に削除された状態に移行します。
論理的削除は完全に下位互換であるため、この機能を使用するためにアプリケーションを変更する必要はありません。 今回の一般提供開始に伴い、論理的削除のスナップショットによる Blob の階層化をサポートしました。論理的削除のスナップショットが格納されている Blob で Set Blob Tier を呼び出すと、スナップショットは元のストレージ階層で設定した期間保持され、元の Blob は新しい階層に移動します。
論理的削除は、新規のアカウントでも既存のストレージ アカウントでも既定で無効化されています。この機能はいつでも有効化/無効化することができます。オブジェクト レベルの論理的削除は、全種類のストレージ アカウントおよびすべてのストレージ階層で使用することができますが、コンテナーやアカウントの削除には対応していません。誤操作による削除からストレージ アカウントを保護する方法については、Azure Resource Manager の記事「リソースのロックによる予期せぬ変更の防止」をお読みください。
論理的に削除されたデータは、アクティブなデータと同様に課金対象となります。Azure Blob Storage の料金全般については、Azure Blob Storage の料金ページをご覧ください。
使用方法
論理的削除は Azure ポータル、.NET クライアント ライブラリ (バージョン 9.0.0、英語)、Java クライアント ライブラリ (バージョン 7.0.0、英語)、Python クライアント ライブラリ (バージョン 1.1.0、英語)、Node.js クライアント ライブラリ (バージョン 2.8.0、英語)、PowerShell (バージョン 5.3.0)、CLI 2.0 (バージョン 2.0.27) でサポートされています。REST API バージョン 2017-07-29 以降でもサポートされており、他の機能と同様にストレージ サービス REST API (英語) で直接使用することもできます。なお、この機能の使用にかかわらず、最新バージョンをお使いいただくことをお勧めします。
Azure Portal で論理的削除を有効化する場合は、[Blob Service]、[Soft delete]、[Enabled] の順に選択し、データを保持する日数を入力します。
この機能の詳細については、論理的削除のドキュメントとコード サンプル (英語) でご確認ください。
論理的削除を使用すると、誤って削除/変更してしまった Blob データを復旧することができます。この機能は、Azure Resource Manager のロックや ZRS、GRS、RA-GRS によるレプリケーションなどのデータ保護戦略の一環として提供されます。マイクロソフトでは、皆様からのフィードバックをお待ちしております。この記事のコメント欄や Azure フィードバック フォーラム (英語) にお気軽にご意見をお寄せください。