SAP BW でフラット キューブが既定値に
執筆者: Martin Merdes
このポストは、2018 年 4 月 26 日に投稿された Flat Cube became default in SAP BW の翻訳です。
概要
これまで以下の機能は SAP BW on Microsoft SQL Server のオプションとして利用可能でした。
- BW キューブ用の SQL Server 列ストア (SAP BW 7.0 以降) 詳しくはこちらのブログ記事 をご覧ください。
- 列ストアに最適化されたフラット キューブ (SAP BW 7.4 以降)
これらの機能の効果はこちらのブログ記事 (英語) で紹介しています。多くのお客様のもとで BW のクエリ パフォーマンス改善に役立つことが証明されたため、「SAP Note 2582158 – Make Columnstore and Flat Cube default」の適用後は、これらの機能が既定で有効になりました。
フラット キューブを既定値で利用できるのは、SQL Server 2016 以降のバージョンに限られます。
キューブを新規作成する
[Flat InfoCube] のチェックボックスをオンにした場合、新規キューブはフラット キューブとして作成されます。
このチェックボックスの既定の設定が変更され、今後は既定値がオンの状態となります。RSADMIN パラメーターを次のように変更すると、以前の動作に戻すことができます (チェックボックスの既定値のみが変更されます)。
- MSS_DEFAULT_FLAT = FALSE
フラット キューブには必ず列ストア インデックスが設定されます。フラット キューブ オプションは、リアルタイム キューブ オプションと組み合わせることもできます。フラット キューブ上では集約の作成はできません。
キューブを転送する
「SAP Note 2550929 – Inconsistent metadata in case of transport of flat cubes non HANA landscape」の適用により、BW のフラット キューブを別の SAP システムに容易に転送できるようになります。転送元のキューブがフラット キューブである場合、フラット キューブが作成されます。フラット キューブではない場合は、非フラットのキューブが作成されます。ただし、転送先のシステムに空でない (ファクト テーブルにデータが含まれている) 既存のフラット キューブがある場合、転送後もフラット キューブのプロパティを保持します。
すべてのキューブをフラット キューブに変換する
キューブをフラット キューブに変換する手順は、こちらのブログ記事で紹介しています。
- 単一のキューブを変換する場合は、SAP レポート RSDU_REPART_UI を使用します。
- 多数のキューブ、またはすべてのキューブを変換する場合は、SAP レポート RSDU_IC_STARFLAT_MASSCONV を使用します。
R3load でシステム コピーやデータベース移行を実施している間は、フラット キューブに自動で変換することはできません。データベース移行が完了してからキューブを変換する必要があります。
まとめ
フラット キューブ変換は非常に時間がかかるため、すべてのキューブを一度に変換することは現実的ではありません。特に重要なキューブを指定してフラット キューブとして使用することが良いかもしれません。非フラット キューブについては、最低限列ストアを適用することをお勧めします (短時間で簡単に適用可能です)。フラット キューブでは必ず列ストアが使用されます。