ハイブリッド構成ウィザードの概要
原文の記事の投稿日: 2011 年 12 月 8 日 (木曜日)
Office 365 for Enterprises のベータ中に、お客様から多くのフィードバックを頂きました。中でも、Office 365 とのハイブリッド展開で Exchange を構成する過程を単純化することが求められていました。フィードバックの結果、展開プロセスを向上する目的で、Exchange 2010 Service Pack 2 でハイブリッド構成ウィザードを導入しました。
ハイブリッド構成ウィザードとは
ハイブリッド構成ウィザードは以下から構成されます。
- ハイブリッド展開の構成をエンド ツー エンドのプロセスにより支援する新しい Exchange 管理コンソール (EMC) ウィザード。
- 構成プロセスを管理する一連の Exchange 管理シェル (EMS) コマンドレット (EMC がこれらのシェルコマンドレットを実行します)。
- 基礎となるハイブリッド機能の管理性の向上 (exchangedelegation.contoso.com または service.contoso.com ドメインは不要になりました)。
機能
ハイブリッド構成コマンドレットは、ウィザードの入力から既存の社内およびクラウド組織の状態を解析して、両方の組織の適切な構成に必要な手順を導きます。このプロセスについては、こちらで説明しています。
この親しみやすいウィザードは、数回の入力と何度かのマウス クリックだけで、約 50 の手作業の手順を自動化します。以下は、ハイブリッド構成ウィザードが自動的に確認して構成する上位タスクの例です。
- 社内および Office 365 組織が、ハイブリッド展開の前提条件を満たすことを確認します。
- 社内 Exchange フェデレーション信頼を準備します。
- 社内および Exchange Online 組織の間で、相互の組織関係を作成します。
- Office 365 の Exchange Online にメールボックスが問題なく移動できるように電子メール アドレス ポリシーを変更します。
- 社内および Exchange Online 組織の両方で、空き時間情報カレンダー共有、メッセージ追跡、およびメール ヒントを有効にして、構成します。
- 社内および Exchange Online 組織の間でのセキュリティ保護されたメール フローを構成します。ウィザードで、ビジネスあるいはコンプライアンス要件を満たす目的で、社内 Exchange 組織を介してメールを送るよう Exchange Online 組織を自動的に構成することもできます。
- Office 365 サービス計画にアーカイブを含める顧客の社内メールボックスの Exchange Online Archiving (英語) のサポートを有効にします。
ハイブリッド展開構成過程が完了した後で、社内 Exchange 組織と Exchange Online の間で以下の機能を使用できるようになります。
機能 | 説明 |
---|---|
ネイティブのメールボックスの移動 | 自動的な Outlook 再設定を伴うオンライン メールボックスの移動 |
空き時間情報およびカレンダー共有 | 社内および Exchange Online メールボックスの間での空き時間情報およびカレンダー共有 |
セキュリティで保護されたメール | TLS 暗号化および認証された、社内および Exchange Online 組織の間でのメール フロー |
Exchange Online アーカイブ | 社内メールボックスに無制限のクラウド ベースのアーカイブ記憶域を提供します |
メッセージ追跡 | 社内および Exchange Online 組織間での統合されたメッセージ追跡ログ |
複数メールボックスの検索 | 社内および Exchange Online メールボックスの両方に対して自動的にクエリを実行する単一の検索要求を作成します |
Outlook Web App リダイレクト | Exchange Online に移動されたユーザーの OWA ログオンをリダイレクトします |
メール ヒント | メール ヒントが社内および Exchange Online 組織の両方で使用できるようにします |
「Exchange Server Deployment Assistant (英語)」を使用して以前のハイブリッドの展開を構成していた場合、ハイブリッド構成ウィザードを使用する自動的な構成プロセスに基づくガイダンスを提供できるよう、現在のシナリオを更新中であることに注意してください。展開アシスタントが更新されたときは、このブログでお知らせします。
これに関連して、SP1 とともに提供された手動ハイブリッド展開構成ガイダンスは使用を中止します。可能な限り、ウィザードを使用することを推奨します。手動構成ハイブリッド展開は引き続きサポートしますが、新しいウィザードは、展開を行い、適切な構成を維持する目的では、最も簡単で、最も信頼できる方法です。
追加の情報
このすばらしい新ツールにご関心がおありでしょうか。TechNet 上の「Hybrid Deployments with the Hybrid Configuration Wizard」をご覧ください。
Exchange 2010 SP2 をダウンロードして、ハイブリッド構成ウィザードを、直接、ご自身の目でご確認ください。
Ben Appleby
シニア プログラム マネージャー
これはローカライズされたブログ投稿です。原文の記事は、「Introducing the Hybrid Configuration Wizard」をご覧ください。