次の方法で共有


3M 社、社内全体での共同作業を短期間で実現

(この記事は 2015 年 2 月 25 日に Office Blogs に投稿された記事 3M races forward to enable enterprise-wide collaboration の翻訳です。最新情報については、翻訳元の記事をご参照ください。)

 

今回は、3M の IT インフラストラクチャ エンド ユーザー サービス担当マネージャーを務める Stephen Magnuson 氏による、Office 365 ProPlus 関連の寄稿記事をご紹介します。

 

 私 たちは 3M で成し遂げてきた技術革新をたいへん誇りに思うと共に、また、さらなる改善に向けて常に取り組んでいます。3M は IT の導入に対して非常に慎重なアプローチを取っており、ユーザーが望む新しいテクノロジを導入する際には、組織内にどれだけの混乱が生じるのか、どれだけの 生産性向上を実現できる可能性があるのか、その両者のバランスを考えて判断しています。マイクロソフトは、当社のような大規模で多様性に富んだ環境でも Office 365 ProPlus の展開作業を迅速かつ簡単に行えるツールを提供してくれました。実際、Office 365 に移行するという方針を発表してからわずか 4 か月で、60,000 人を超える従業員と 6,000 台近いモバイル デバイスに Office 365 ProPlus を展開することができました。

 

共同作業による価値の実現

3M には、創造的な共同作業を通じて強力なテクノロジをもたらす企業文化があり、お客様の課題を解決するための新製品をお届けするべく絶えず取り組んでいま す。次の優れたアイデアは、社内のどこからでも生まれてくる可能性があります。当社の組織では、グローバルな研究開発センターの間でも、営業担当者が顧客 プロセスを組織内の他の従業員と共有する場合でも、生まれたアイデアをスムーズに伝播させることができるので、大きな成果を獲得しています。

チームごとに気に入ったソリューションを選択する形で共同作業ソリューションへの投資を 10 年以上も続けた結果、当社のシステムでは相互接続性が失われてしまいました。社内だけでなく、お客様、ベンダー、ディストリビューターなどとも、必要なと きに連携しようとすると非常に多くの時間がかかっていました。組織全体にわたって Office 365 を導入したことで、今後この現状は改善され、連携を促進できるようになるでしょう。

当社の営業部門とマーケティング部門は、Office 365 を複数のデバイスで使用できる機能を切望していました。これらの部門では通常、お客様を訪問する際にタブレットを使用しており、プレゼンテーションを正し く表示させるために PDF ファイルへ変換するという作業にかなりの時間を費やしていました。現在はモバイル デバイスで Office を利用できるため、営業担当者はどのデバイスでもプレゼンテーションを行えるようになり、ドキュメントの忠実性について心配することはなくなりました。

 

アプリケーションの互換性の問題を解消

Office 2003 から Office 2007 に移行したときには、アプリケーションの互換性に関する数々の課題に直面し、アップグレードを完了するまでに 18 か月もかかりました。しかし Office 365 ProPlus への移行は、これとはまったく異なります。主要な関係者を対象にこのソリューションのパイロット運用を実施したところ、バージョン間の互換性はそれまでよ りもはるかに優れていることがわかりました。全体的に見ても、更新する必要があったサードパーティ製アプリケーションはごく少数でした。

また当社では、スムーズな移行を実現するために、Office 365 ProPlus の導入にあたり Office 2007 と共存させることにしました。変化が起きると人は必ず不安に思うものですが、Office 2007 を残しておくことで、この不安を乗り越えたのです。展開作業中に何が起きてもすべての従業員が作業を続けられることがわかっていたので安心でした。数か月 経って皆が慣れたら、Office 2007 を削除する予定です。

 

セルフサービス機能による迅速な展開

初めてクイック実行のことを知ったときから、この機能を活用したいと考えていました。この機能によって IT 部門がインストールや更新といった作業から解放され、代わりに各ユーザーが管理できるようになるからです。私たちは System Center Configuration Manager とセルフサービス型のユーザー ポータルを採用しました。これにより、クイック実行のストリーミング機能によるメリットを実現しつつも、ローカルの配布ポイントから展開して帯域幅を節約 できます。

全社のうち早期に導入する 5,000 人のユーザーにリンクを送信した後、特定の地域におけるヘルプデスクやネットワークへの影響を最小限に抑えるために、地理的に分散させたうえで段階的に展 開を開始しました。展開はたいへん順調に進み、その後まもなく、1 週間あたりに送信するリンク数を 20,000 件に増やしました。展開作業のうちセルフサービスによる部分は約 2 か月間続きました。この期間中、48,000 人の従業員が自分で Office をインストールし、最大で 1 週間あたり 10,000 回のインストールが行われました。その後、残りの従業員に対してプッシュ展開を開始しました。

当社のデバイスでは、IT 部門が関与しなくても、Office の更新がクラウドから自動的に実行されます。これは、クラウド コンピューティングの大きなメリットです。つまり、IT 部門は更新プログラムの提供という付加価値の低い業務を離れて、ユーザーに新機能を最大限活用してもらうための業務に集中できるのです。そして、自動更新 される Office 365 ProPlus を利用すれば、もう二度と Office のメジャー アップグレードを行う必要がなくなるので、機能とセキュリティの両面において大きな魅力でした。

変革の管理

Office 365 の導入は当社にとって重要なプロジェクトですので、従業員が確実に準備できるように取り組みました。私たちは、動画を通じて情報を伝える、プロジェクトの エグゼクティブ スポンサーを選任しました。また、当社のコラボレーション センターを 6 か月間にわたって Office 365 専用とし、従業員がいつでも訪れて Office 365 の内容をデモ、資料、講座などで理解できるようにしました。

Office 365 ProPlus の場合、トレーニングを義務付ける必要はないと考えていました。従業員は Office に慣れ親しんでおり、Office 365 ProPlus の使用をすぐに開始できると判断したためです。そして実際、1 日目からすぐに利用してもらうことができました。詳細を知りたいと考える従業員向けには、ヒントを記載したシートや e ラーニング セッション、タスクごとの 90 秒間の動画などを作成しました。

 

導入状況とメリットの追跡

大部分の従業員に Office 365 ProPlus が展開された時点で、すべての従業員が Lync Online を利用できるようにしました。Lync Online には、財務上のメリットや新しいモバイル機能など、ユーザーにとっては移行するのに十分な要因が揃っていました。

また、OneDrive for Business も大いに利用され、アクティブ ユーザー数は約 10,000 人に上ります。現時点で OneDrive 上には約 9 テラバイト (TB) のデータが格納され、さらに 1 週間あたり約 0.5 TB のペースで増加しています。どこにいてもドキュメントにアクセスできる OneDrive は、特に営業チームとマーケティング チームにとって重要なソリューションです。ユーザーの PC 上にあるドキュメントはクラウドに自動的にバックアップされ、すべてのデバイスに同期されると共に、他の従業員やお客様と簡単かつ安全に共有することも可 能です。

私たちはこのプロジェクトを推進するために、「すばやい意思決定で、業務のスピードアップを目指そう」というキャッチフ レーズを打ち出しました。わずか数か月ではあるものの、その効果は既に現れています。私たちは今後、Exchange Online と SharePoint Online を含め Office 365 を全面的に導入したいと考えています。どれほどの成果がもたらされるのか、非常に楽しみにしております。

 

—Steve Magnuson

 

お客様企業のプロフィール: 3M は、科学を基盤として技術と製品、サービスを提供する企業です。売上高は 320 億ドルを誇ります。全世界に 90,000 人の従業員を抱え、70 か国以上でビジネスを展開しています。