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SharePoint Server 2016 へのアップグレードのベスト プラクティス

適用対象:no-img-13 2013yes-img-162016 no-img-192019 no-img-seSubscription Edition no-img-sopSharePoint in Microsoft 365

SharePoint Server 2016 への適切かつ迅速なアップグレードの可能性を高めるために、次のベスト プラクティスに従って、アップグレードをテストし完了してください。

試験的アップグレードのベスト プラクティス

アップグレード前に環境を把握し、アップグレードに必要な時間を予測するために、試験的アップグレードを 1 回以上実行する必要があります。 試験的アップグレードの目的は、問題を見つけて対処し、実際のアップグレード前に結果に自信を持てるようにすることです。 SharePoint Server 2013 Service Pack 1 (SP1) から SharePoint Server 2016 への正確な試験的アップグレード プロセスを作成するには、次のベスト プラクティスに従ってください。

  1. 環境をよく理解します。 まず最初に詳細な調査を行います。

    環境に存在するハードウェアとソフトウェア、サーバー側のカスタマイズがインストールされて使用されている場所、必要な設定に関するドキュメントを作成します。 これは、試験環境を計画するときに役立つほか、アップグレードに失敗した場合の復旧にも役立ちます。

  2. 試験環境を実際の環境とできる限り同じにします。

    可能な場合は、同じ種類のハードウェアを使用し、同じ設定や同じ URL などを使用して構成します。 試験環境と実際の環境の違いを最小にします。 違いが大きいほど、関係のない問題を解決し実際のアップグレードでは発生しないことを確認するために、より多くの時間が必要になります。

  3. 実際のデータを使用します。

    実際のデータベースのコピーを使用して、テストを実行します。 実際のデータを使用する場合は、問題領域を特定し、アップグレードのパフォーマンスを決定することもできます。 また、さまざまな種類のデータに対して異なるアップグレード シーケンスとアクションが実行される時間を測定することもできます。 すべてのデータをテストできない場合は、データの代表的なサブセットをテストします。 環境に存在するサイト、リスト、ライブラリ、カスタマイズのさまざまな種類とサイズに関する問題が発生していることを確認してください。 ストレージの問題のためにすべてのデータをテストできない場合は、次のバッチに進む前に、いくつかのパスでデータを調び、古い試用版コピーを削除してみてください。

  4. テストを複数回実行します。

    1 回のテストでも大きな問題が発生するかどうかはわかります。 テストを何回も行うことで、発生する可能性のあるすべての問題を発見でき、プロセスのタイムラインをいっそう正確に把握することもできます。 テストを複数行うことで、以下のことを判別できます。

  • 環境に最適なアップグレード方法

  • 使用する必要のあるダウンタイム短縮技法

  • 最初のテストで発見された問題に対処した後でのプロセスまたはパフォーマンスの変化

    最後のテスト パスは、エラーに対処したかどうか、および運用環境をアップグレードする準備ができたかどうかを検証するのに役立ちます。

  1. エラーと警告を無視しないようにします。

    警告はエラーではありませんが、アップグレード プロセスで問題になる可能性があります。 エラーに対処しますが、警告についても調査し、その警告の影響を把握しておく必要があります。

  2. アップグレード プロセスだけではなく、アップグレード後の環境もテストします。

    サービス アプリケーションを確認し、検索クロールを実行し、ログ ファイルを確認します。

SharePoint Server 2016 へのアップグレードのベスト プラクティス

SharePoint Server 2013 から SharePoint Server 2016 へのスムーズなアップグレードを保証するには、次のベスト プラクティスに従います。

  1. SharePoint Server 2013 用の最新の累積的な更新プログラムSharePoint Server 2016 の最新のパブリック更新プログラムをインストールします (ただし、少なくとも、SharePoint Server 2013 は 2013 年 3 月の PU (15.0.4481.1005) を実行している必要があります)。

  2. アップグレードの実行前に、環境が完全に機能していることを確認します。

    環境内に既に存在する問題は、アップグレードでは解決されません。 したがって、アップグレードを実行する前に、環境が完全に機能していることを確認してください。 たとえば、使用しなくなった Web アプリケーションがある場合は、アップグレード前にその拡張を元に戻します。 また、インターネット インフォメーション サービス (IIS) の Web アプリケーションを削除する場合は、削除する前にその Web アプリケーションの拡張を元に戻します。 元に戻した後で削除しないと、SharePoint Server 2016 では、存在しない Web アプリケーションのアップグレードが試行され、アップグレードが失敗します。 事前に問題を特定して解決しておくと、予定していたスケジュールどおりにアップグレードを進めることが容易になります。

  3. 最初にテスト ファームで試用版のアップグレードを実行します。

    データベースをテスト環境にコピーして、試験的アップグレードを実行します。 結果を検証して、次のことを判断します。

  • サービス アプリケーション データが予想どおりにアップグレードされたかどうか

  • アップグレード サイトの外観

  • アップグレード後のトラブルシューティングに利用できる時間

  • アップグレード プロセスに利用できる時間

    全文検索インデックスのクロールを試します。

  1. 容量を計画します。

    アップグレードの要件を満たすのに十分なディスク、プロセッサ、およびメモリの容量があることを確認します。 システム要件について詳しくは、「SharePoint Server 2016 のシステム要件」をご覧ください。

  2. アップグレード前のクリーン アップ

    環境内の問題がアップグレードの成功に影響したり、不要なデータや大量のデータがデータベースとサイト コレクション両方のアップグレード パフォーマンスに影響したりする可能性があります。 環境内に不要なものがある場合は、アップグレード前に削除することを検討してください。 問題が検出された場合は、アップグレード前に解決するようにしてください。

  3. データベースをバックアップします。

    アップグレードの前にデータベースの完全バックアップを実行します。 完全バックアップを実行しておくと、アップグレードに失敗したときにアップグレードを再試行できます。

  4. アップグレード前に環境を最適化します。

    ビジネスやガバナンスの必要性に基づき、またはアップグレード前の SharePoint Server 2016 の境界と制限に基づき、必ず、制限に合うように SharePoint Server 2013 Service Pack 1 (SP1) 環境を最適化するようにしてください。 これにより、アップグレード プロセス中のエラーを軽減し、アップグレード後にリストやサイトが壊れるのを防ぎます。

  5. (オプション) アップグレード中に元の環境を維持するには、元のデータベースを読み取り専用に設定します。

    アップグレード実行中のサービス停止期間が長くなると予想される場合は、元の環境のデータベースを読み取り専用に設定できます。 その間もユーザーはデータにアクセスできますが、データの変更はできません。 詳細については、「コンテンツ データベースを SharePoint Server 2016 にアップグレードする」を参照してください。

  6. アップグレード後に、[アップグレードの状態] ページとアップグレード ログを確認し、対処が必要な問題がないかどうかを調べます。 次に、アップグレードされたサイトを確認します。

    [アップグレードの状態] ページにはアップグレードの進行状況に関する情報が表示され、アップグレード ログにはアップグレード プロセス中に発生したエラーや警告が記録されます。 アップグレードが完了したと見なす前に、すべてのサイトを検証しテストしてください。 詳細については、「SharePoint Server 2016 のデータベースのアップグレードを検証する」と、「サイト コレクションを SharePoint Server 2016 にアップグレードする」の「 Review site collections upgraded 」セクションをご覧ください。

  7. 適切なサービス パックや更新プログラムが 2013 環境に適用されていることを確認します。 お使いの環境でリモート BLOB ストレージ (RBS) を使っている場合、アップグレード プロセスを開始する前に、環境で SharePoint Server 2013 Service Pack 1 (SP1) を実行している必要があります。