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Web ブラウザーや OS のシェアが確認できる Web サービスまとめ

たまに「~についてのシェアを教えてください」という質問をいただくので、そういったデータが見れる、誰でも利用可能な Web サービスをいくつか紹介します。

ちなみに Windows 10 のダウンロード数とか Microsoft ID の数だとかについては。マイクロソフトの公式ページである Microsoft by the Numbers で公開されていますので、マイクロソフトについてのなんらかの数字を調べたい場合には、まずはこちらをご覧になるのが良ろしいでしょう。

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(Microsoft by the Numbers)

 

シェアの情報を参照する前に

インターネットでは、ニュース記事をはじめさまざまな製品のシェアについての情報が公開されていますが、まず意識すべきことはその情報のソースはどこで、どのような方法で、どのくらいの数から抽出したものであるか、ということでしょう。

たとえば、100人程度の小規模なメーリングリストのアンケートと、有名検索エンジンの実際のトラフィックやアクセス解析サービスの統計情報から抽出されるデータでは、精度も質も異なります。

また、国や地域によっても標本サイズや、そもそもの傾向そのものなどが大きく異なる場合かあるので、そのデータがワールドワイドのものなのか、特定の地域のものであるかを意識したほうが良いでしょう。たとえば、StatCounter によれば、2015 年 12 月の Internet Explorer 11 のシェアは、ワールドワイドでは 10.20% ですが、日本では 24.77% と 2 倍以上の違いがあります。

また、調査対象がインターネットなのか、イントラネットなのか、によっても大きな違いが出ることでしょう。

いずれにしろ参照するシェアの調査方法が、利用目的に合っているかどうかを常に意識したいところです。

ちなみに Wikipedia には Web ブラウザーのシェアの調査方法について(古い情報が混じっているものの)非常に詳しい解説がされているので一読することをお勧めします。

 

Web ブラウザーや OS のシェアが確認できる Web サービス

インターネットから特別な登録なしに Web ブラウザーや OS のシェアが確認できる Web サービスをいくつか紹介します。

StatCounter

StatCounter は、Web サイトのトラフィックやユーザーの行動を分析するためのアクセス解析を行うためのサービスを提供しており、そのサービスを利用する300万を超える Web サイトからの統計情報から Web ブラウザーや OS のシェアを抽出します。

国別、ブラウザーのバージョン、モバイル/デスクトップ/タブレットなど、他の無料サービスと比較して細かな条件設定が行えます。

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(StatCounter GlobalStats の画面)

 

Clicky.com

Clicky.com は StatCounter と同様に、Web のアクセス解析を行うサービスを提供しており、ブラウザーや OS のシェアについての情報は、同サービス Clicky Web Analytics を利用する 50万 を超える Web サイトの約 5 億ページからのデータを利用しているとのことです。

国別のデータの表示は可能ですが、残念ながらブラウザーバージョン指定などはできないようです。

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(Web browsers (Global marketshare)の画面 )

W3Counter

W3Counter も前出の 2 つと同じようにWeb のアクセス解析を行うサービスを提供しており、同サービスを利用する 37,120 (2015 年 12 月 時点) の Web サイトからの情報をから OS や Web ブラウザーのシェアの情報を抽出しています。

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(W3Counter: Global Web Stats の画面)

右上の View Monthly Trends リンクをクリックするとシェアのトレンドを折れ線グラフで表示することができます。

 

NetMarketShare

NetMarketShare もWeb のアクセス解析を行うサービス MarketShare を提供しており、同サービスのデータから OS や Web ブラウザーのシェアを抽出しています。基本機能以外は有償となってしまいますが、他の同様のサービスよりも、より詳細なな条件設定ができるのが特徴であり、ニュースサイトの記事などでもたびたび引用されています

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(Browser market share の画面)

まとめ

今回の記事で紹介したとおり、Web ブラウザーのシェアの情報を公開しているサイトは、Web サイトのアクセス解析サービスを提供している会社が、そこで得られる統計情報を利用しているものがほとんど(※)です。
(※)今回はとくに紹介しませんでしたが、Wikipedia や Wikinews などのプロジェクトを管理している Wikimedia が、提供するサービスへのトラフィックから抽出したデータを公開していたりもします。

つまり、これらが示すデータは、Web 全体をカバーしているわけではなく、あくまでも「傾向」であるということを意識する必要かあります。さらにいうのであれば、今現在、世界的なレベルでのブラウザーのシェアを測定する完全な方法はありません。

実際のところ Web サイト (アプリ) を分析するサービスを提供する wappalyzer.com で、サイトが使用している Analytics ツールのシェアを確認すると、Google Analytics が 68% でダントツで使用されている(2016/01/05 現在)のに対し、この記事で紹介しているサービスでもっとも使用率の高い StatCounter であっても 1 % にすぎません。

では、 この記事で紹介しているサービスではもっとも使用されている StatCounter の情報の精度が高いのかといえば、データの取得方法や、抽出方法によっても変わってくるのでなんとも言えないところがあります。たとえば、ユニークユーザーから情報を取得するのとページビューから情報を取得するのでは、結果に大きな違いが出てきます。(ちなみに StatCounter はページビューで、NetMarketShare はユニークユーザーで見ていると言われていますが、今回それを記載してある箇所を見つけることはそれぞれのサイトにおいてできませんでした)

この辺の内容については、以下の記事で議論されていますので興味があればご覧くださいませ。

2016/01/06 追記 : 上のブログ記事「Understanding Browser Usage Share Data」の内容を簡単に紹介してほしい、というリクエストがあったので紹介します。
同ブログ記事では、Chrome v13 で搭載されたプレレンダー(事前描画、コンテンツの先読み) 機能によってブラウザーシェアに影響が出た件を例に挙げ、StatCounter と NetMarketShare で表示されるデータの違いと、それぞれのデータの抽出(生成も?)方法について詳しく述べられています。

これから Web コンテンツを作成するにおいてブラウザーのシェアを参考にするのであれば、自社で運用している Web サーバーのログからぜひ自サイトにアクセスするブラウザーのシェアを抽出してみることをお勧めします。その際はかならず、ユニークユーザーで行うようにしてください。

なぜならば、ページビューで判断してしまうと、特定のユーザーがテストツールなどで大量のリクエストを投げたりすると、「シェア」という意味での正しいデータが取得できないためです。

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