Partager via


VM エージェントと拡張機能 – パート 1

このポストは、4 月 11 日に投稿された VM Agent and Extensions – Part 1 の翻訳です。

最近発表された (英語) Windows Azure インフラストラクチャ サービスの新機能の 1 つが VM エージェントです。VM エージェントは、マイクロソフトやパートナーが提供する仮想マシンを構成、管理、高速化するためのソリューションをブートストラップすることを目的とした軽量プロセスです。このシリーズ記事では、VM エージェントとは何か、VM エージェントと VM 拡張機能の関係、そのメリットと使用方法について説明します。今回のパート 1 では、新しい Azure VM での VM エージェントや拡張機能の有効化について取り上げ、次回のパート 2 では既存の VM への拡張について見ていきます。

VM 拡張機能とは

VM 拡張機能について説明する前に、IaaS 仮想マシンにソフトウェアを追加する方法について見ていきましょう。VM にソフトウェアをインストールし管理する一般的な方法としては、1) VM を作成する前にディスクにプレインストールする、2) VM にログインして手動でインストールする、3) PowerShell などを使用してリモートでインストールする、4) 各種ツールを使用して更新の管理と正常性/ステータスのレポートを行う、などがあります。

VM 拡張機能を使用すると、こうした VM の管理を容易に行うことができます。

  • VM 拡張機能とは VM の機能を拡張するソフトウェア コンポーネントで、これを使用することでさまざまな VM 管理作業をシンプルに行えるようになります。
  • VM には複数の VM 拡張機能をインストールできます。VM 拡張機能は VM のライフサイクルに関係なく、VM に追加、更新、削除することができます。
  • VM および 拡張機能のステータスは 1 箇所から確認、管理することができます。

VM と拡張機能の関係は以下の図のとおりです。

拡張機能の発行元

拡張機能は、マイクロソフトに登録されている発行元によって作成、発行、サポートされます。発行元の情報は、各拡張機能に記録されています。この記事では、VM に拡張機能を追加する方法を中心に扱い、拡張機能の発行プロセスについては今後の記事で取り上げる予定です。

現在利用可能な拡張機能

現在マイクロソフトは、BGInfo と VMAccess という 2 つの IaaS VM 拡張機能を公開しています。

BGInfo: BGInfo は、有用なサーバー情報をデスクトップの壁紙として出力する拡張機能です。ポータルから VM を作成した場合は、既にこの拡張機能が含まれています。

BGInfo を有効にすると、VM のデスクトップに以下のような壁紙が表示されます。

BGInfo を手動で追加する場合は、Set-AzureVMBGInfoExtenion という便利なコマンドレットを使用できます。このコマンドレットの使用方法の詳細については、こちらの MSDN 記事を参照してください。

  • BGInfo を有効にする

Get-AzureVM –ServiceName –Name | Set-AzureVMBGInfoExtensiom | Update-AzureVM

  • BGInfo を無効にする

以下のコマンドレットの出力から、この拡張機能の ReferenceName と Version を読み込みます。

Get-AzureVM –ServiceName –Name | Get-AzureVMBGInfoExtension

Get-AzureVM –ServiceName –Name | Set-AzureVMBGInfoExtension –ReferenceName –Version –Disable | Update-AzureVM

BGInfo を無効にするには、ログオフ/ログイン操作が必要になる場合があります。

注意: BGInfo を既に使用している方は、BGInfo の Extension Version が VM 上の BGInfo の設定の変更をまだサポートしていない点にご注意ください。

VMAccess: IaaS VM のパスワードを紛失したことがある方はご存知かと思いますが、IaaS VM のパスワードは再取得することができません。また、VM の RDP 設定が破損した場合、これを修正するのは容易ではありません。こうした問題を解決してくれるのが、VMAccess です。VMAccess を使用すると、パスワードとユーザー名をリセットして VM に再びログインできるようになります。リセットしたパスワードは、ログイン後に変更するようにしてください。

コマンドレットの使用方法の詳細については、こちらの MSDN 記事を参照してください。

VMAccess の使用方法は以下のとおりです。

  • パスワードをリセットする

Get-AzureVM –ServiceName –Name | Set-AzureVMAccessExtension –UserName –Password |Update-AzureVM

ユーザー名を変更したい場合は、‘UserName’ に新しい値を指定します。変更しない場合は既存の値を使用します。

  • RDP 設定を修正する

Get-AzureVM –ServiceName –Name | Set-AzureVMAccessExtension |Update-AzureVM

Set-AzureVMAccessExtension をパラメーターなしで呼び出すと、破損している RDP 設定がすべて修正されます。拡張機能を有効にした後に RDP 設定を修正するには、このコマンドレットを再度呼び出すか VM を再起動します。

  • VMAccess を無効にする

以下のコマンドレットの出力から、この拡張機能の ReferenceName と Version を読み込みます。

Get-AzureVM –ServiceName –Name | Get-AzureVMAccessExtension

Get-AzureVM –ServiceName –Name | Set-AzureVMAccessExtension –ReferenceName –Version –Disable | Update-AzureVM

VM からログオフし、再びログインすると、VMAccess が無効になっています。

VM 拡張機能を有効にするための前提条件

VM 拡張機能を有効にするには、1 つだけ前提条件として、VM エージェントを有効にして IaaS VM を作成しておく必要があります。ポータルまたは最新の Azure PowerShell から VM を作成すると、手動で無効にされていない限り、VM エージェントが既定で有効になります。

注意: パート 2 では、既存の VM 上、およびディスクから作成した VM 上の VM エージェントを有効にする方法について説明します。

その他の VM 拡張機能

この記事では、VM 拡張機能を使用して VM 上で追加機能を有効/無効にする方法をご説明しました。今回は BGInfo と VMAccess についてご紹介しましたが、今後、他の拡張機能もいくつか紹介していくつもりです。ぜひこのブログをチェックして、新しい VM 拡張機能の詳しい情報を入手してください。

クラウド サービス向けの拡張機能

今回は仮想マシンを中心に取り上げましたが、拡張機能はクラウド サービスの VM にも適用可能で、RDP や WAD といったクラウド サービス向けの拡張機能が既に提供されています。今後の記事で、これらの拡張機能やその他の新しいクラウド サービス向け拡張機能を取り上げていく予定ですので、どうぞお楽しみに。