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業界トップのクラウド アナリストがマイクロソフトに転身した理由  

このポストは、6 月 9 日に投稿された Why this top cloud analyst moved to Microsoft の翻訳です。

私はこの 6 年間 Forrester Research (英語) に勤め、企業の IT 担当者やテクノロジ リーダーを対象に、クラウドによる動き、つまり、クラウドのメリットやクラウドがビジネスとユーザーにどのような変化をもたらすかを理解できるようにサポートを行ってきました。その中で、大きく混乱する IT 市場の最前線に接し、破壊的とも言える企業の IT 部門への影響を目の当たりにできたのは、私にとってたいへん貴重な経験でした。

今年の初めに、私はクラウドとの関係を次の段階に進めることを決意しました。これまでのように、ただ単にクラウド プラットフォームの最適な活用方法をアドバイスするのではなく、変化のためにさらに積極的な役割を果たせるようになりたいと考えるようになりました。そういうわけで、私はマイクロソフトの Cloud + Enterprise エンジニアリング チームに加わることにしたのです。

チーフ ストラテジストとなった私の仕事は、お客様の既存のオンプレミス資産と新しいクラウドのメリットをどのように組み合わせれば最適かを提案することでした。また、お客様のニーズを的確に理解し、マイクロソフトの製品、サービス、戦略的構想によって適切な対応をとれるようにすることも私の責任です。

私がなぜマイクロソフトを選んだのか。興味を持たれる方もいらっしゃるかと思います。この記事では、このマイクロソフトへの転身が私にとって、そしてお客様にとって最も素晴らしい選択であった理由についてご説明したいと思います。

この 10 年間は、クラウド プラットフォームとクラウド サービスにとって形成期といえる時期でした。形成期の特徴は、新興企業や企業の部署、DevOps (英語) チームが率先して導入を進めるところです。新技術の多くも形成期に同様のプロセスをたどりますが、これらの技術が成功してきたのは、ユーザーによる多大な負担があったからこそです。ユーザーはクラウドからさまざまな新しい価値を得られることを知り、その成果を得るために積極的に取り組み、まだ未熟な状態の最新技術の利用に耐えたのです。

その一方、より高度なエンタープライズ クラスのソリューションや堅牢で実績のある製品を求める企業は、この新技術の重要性を軽視しました。社内での利用を拒否し、独自の代替策 (英語) を追及したのです (私は 2008 年にこの代替策を表現する言葉として、クラウドのように見せかけるという意味の「クラウドウォッシング」という造語を作りました)。しかし、デジタルの混迷期に入ると、新たな評価の視点が生まれました (英語)。これは、従来の製品やソリューションでは到底太刀打ちできないものでした。たとえ新たなテクノロジに従来製品を適応させ、組み込むことができたとしても、その新たなテクノロジにはさらに次々と新しい価値が付加されていきます。企業のニーズに合わせて成熟していくスピードには対抗できません。昨年、クラウド コンピューティング市場はこの段階へと足を踏み入れたのです。

Forrester 時代の同僚である JP Garbani (英語) は、こうした破壊的なテクノロジが普及するまでには、次の 3 つの段階 [1] (英語) があると言います。

1. 調査: 技術的な評価と実験を集中的に行い、使用時の一貫したパターンやベスト プラクティスを模索する段階。

2. 合理化: 活用パターンが安定し始め、広く普及し始める段階。

3. 最適化: テクノロジが確立され、差別化の評価から価値を引き出す段階へと移行する段階。費用対効果が重視されるようになり、費用の削減が実現され始めます。

クラウド プラットフォームは、2014 年にこの合理化の段階に突入しました。Forrester では、IT 部門がパブリック クラウドに対抗することをやめ、(少なくとも初期に) ポートフォリオに適合させようという動きが出始めていました。企業の部署や新規の製品グループで、クラウド プラットフォームが幅広く活用され始めたのもこのころです。またこれに伴い、既存のオンプレミス リソースとクラウド サービスを統合したいというニーズも増えました。このニーズは現在、WAN 接続オプション (Microsoft Azure がこの分野をリード)、リソース プール間でのクラウド サービスの一貫性保持接続の両サイドでリソースを管理するツールの統合といったニーズの高まりにつながっています。

また、クラウド ユーザーの構成も変化し始めました。新規の開発者は続々とクラウドに参入していますが、彼らはあらゆるものを自ら構築する DevOps のプロになるのではなく、新しいソリューションを迅速に生み出すために、コードの作成に専念したいと考えています。IaaS リソースを構成し、仮想ネットワークの構造を理解し、アプリのスケーラビリティを確保しなければならないのであれば、新しい顧客価値を提供する妨げとなるからです。こうした理由から、彼らはより高度なクラウド サービスと、コード作成後の部分を管理してくれる企業とのパートナーシップ (英語) を求めています。また、クラウドを現在の地位まで押し上げてくれたコミュニティの数と比較すると、この新世代の開発者の数は軽く 10 倍を超えています。これは、サービスとしてのプラットフォーム (PaaS) に全体的に移行しているということではなく、IaaS と PaaS が組み合わさり、DevOps のプロとコード作成者が効率的に協業し、企業を前進させているということです。

この新しい視点から最先端のクラウド プラットフォーム ベンダーを見ると、どのようなベンダーが合理化の段階で最も利益を獲得できるのかがはっきりとわかりました。

マイクロソフトは、他のどのクラウド プロバイダーよりも選択肢を多く提供し、柔軟性にも優れています。ハイパースケールのパブリック クラウド インフラストラクチャやハイブリッド クラウドへのアプローチ、エンタープライズ クラスの機能によって、確実に他社と差別化しています。また、オンプレミスのサービスやテクノロジとパブリック クラウドを融合させる取り組みにも引き続き力を注いでおり、5 月の初めにはその成果として Azure Stack (英語) を発表しました。

また、IaaS のリソースやサービスを簡単に融合できるように、コード作成者向けの抽象化サービス (Azure App ServiceAzure Machine Learning (英語)Azure Service Fabric) の開発も着実に進めています。SaaS ソリューションも企業向けと一般ユーザー向けの両方を幅広く提供しているほか、大手クラウド プロバイダーとして唯一、クラウド時代の開発、データベース管理、インフラストラクチャ管理に対応する各種ツールを提供しています (Team Foundation Server と Visual Studio Online の統合SQL Server と Azure SQL DB の統合 (英語)System Center と Operations Management Suite の統合 (英語))。

さらに、サードパーティのサービス プロバイダー、ホスティング ベンダー、システム インテグレーターと多くの関係 (英語) を築いているため、お客様は最適なペースでクラウド化を進めることができます。

私は、マイクロソフトのクラウド戦略と企業戦略を定期的にブログで発信すること、そして、マイクロソフトの既存のお客様と未来のお客様を直接サポートすることによって、皆様のクラウドへの投資価値を最大限に高めるためのお手伝いをさせていただきたいと考えています。

旅には困難がつきものです。しかし、適切に対応すれば、その困難に立ち向かうだけの価値を得ることができます。ぜひ私の話をお聞きいただき、クラウド コンピューティングのメリットを最大限に活用するには、マイクロソフトがベストな選択肢であることを知っていただければ幸いです。

[1] Forrester Research、「Transform Infrastructure And Operations For The Future Technology Management Cycle (インフラストラクチャの転換と将来的なテクノロジ管理サイクルの運用)」 (JP Garbani 著、2015 年 4 月 8 日)