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Excel シートと組織図のシンクロ (データベースとの連携)

前回は Excel シートのデータをもとに、組織図を作成しました。Visio 図面の組織図はレポート、資料、プレゼンテーションとして使うには便利ですが、電話番号やオフィス番号の変更の管理をしていくには適していないと思います。カスタム プロパティにデータを入力してくのって実際かなり大変ですし。データの管理は Excel やデータベースで行い、必要なときに Visio に出力するのがよいでしょう。

ただ、前回作成した図面もそうでしたが、データが多いと図面内に収まらないので、オプションを使って別ページに続きを移動したり、レイアウトを調整する必要がどうしても出てきます。図形の配色を変えることもあるでしょう。実は Visio の組織図ウィザードで作成した図面は、Excel にエクスポートすることはできますが、更新されたデータを読み込む機能がありません。Excel シートのデータを更新したらまた最初からウィザードを使って図面を作り直す必要があります。

ここでまた Visio の知られざる機能を使い、更新した Excel シートと組織図を同期する方法を紹介します。電話番号やオフィス番号、名前など個人個人のカスタム プロパティの内容の更新を自動化することが可能になります。

まず、今回は ORGDATA.XLS (所在は前回のエントリを参照) を編集するので、コピーを作成し、それを使うことにします。コピーは D:\myorg\orgdata.xls においたことにします。
前回作成した組織図図面を開いてください。例によって、隠された機能が多い [アドオン] メニューを開きます。[ツール] - [アドオン] - [建築設計] - [データのインポート] です。この機能、もともとはフロア レイアウトを作る際にデータベースから施設のデータを読み込んで図面とリンクするためのものなのです。

ウィザードが始まります。今回は既に組織図があるので [図面上の既存の図形に追加] を選択して [カスタム プロパティに追加] をクリックしておきます。前回もカスタム プロパティにデータを流し込んでいるので少し不安なきもしますが、次に進みましょう。

D:\myorg\orgdata.xls の Excel シートを選択して、Sheet1 のすべての列と行をインポートします。次の画面ではラベルや色分け方法を設定できますが、色分けは後でもできるので (これも前回を参照)、何も設定しないで次に進みます。

データをインポートする図形の種類を選びます。ここは迷わず [すべての図形]。

次の画面では、一意に識別するプロパティ、とありますが、つまり図形を Excel シート内のデータを結ぶためのキーを設定します。普通は数値をキーにするのですが、この組織図のカスタム プロパティには社員番号のようなデータがないので、ここでは名前を使うことにしましょう。幸い同姓同名の社員はいないようです。[次へ] をクリックすると今度は Excel 側のキーを聞かれるので、迷わず名前を選択します。互いに同じデータをもっているので一致するはずです。

次に進むと、データのインポートが開始します。インポートが終わると、変更なし、というメッセージが出てきます。今の段階では図面と Excel 内のデータは同じなのでこのメッセージが出ても問題はありません。

図面に戻ってみましょう。見た目上何かが変わった感じはありませんね。カスタム プロパティも元のままなのでひとまずは安心です。

それでは Excel シート、D:\myorg\orgdata.xls を更新してみましょう。何人かのオフィス番号を代えてみます。

データの更新が終わったら、それを組織図に取り込みます。同じく [建築設計] 内で今度は [データのリフレッシュ] を選択します。リフレッシュ処理が始まり、Excel シート内の更新部分を図面の中に読み込まれます。処理が終わると、簡単なレポートが表示されます。

さて、データを変えた人のカスタム プロパティをみると、無事オフィス番号が更新されているのを確認できます。

更新前
更新後

これは便利! と手放しで喜びたいところですが、この連携機能には限界があることを覚えておいてください。まず、組織の部署や上長が変わり、組織の構造がシート上で更新されても、それをインポートして組織図のレイアウトやツリーを更新することはできません。リフレッシュの対象になるのは報告先以外の個人データになります。ツリー構造が変わったときは図面の再作成か今ある図面のツリーを手動で更新する作業の量を比べて少ないほうを取るしかありません。

また、リフレッシュ時に変更内容が記録されたレポートが作成されますが、このレポートはフロア レイアウト用のテンプレートを使っているので、非常にみづらいレポートになっています。変更内容を確認するには、図面上でプロパティを見てください。ただ、Visio には組織図の比較、という機能があるので、更新前と更新後の図面を保存しておき。この機能でレポートを作成するという方法はあります。更新内容が多いときは便利でしょう。

今回紹介したこの機能、組織図以外でも使えます。ちょっとした座席表や、サーバーの構成のビジュアル レポートの作成など、データベースとの連携はさまざまな使い方が見えてきます。最後になりますが、[アドオン] の中の隠された機能、ほかにも探してみてください。[Visio エキストラ] の中にもデータベースとの連携をにおわせるコマンドがたくさんありますね。この機能と今回のインポート機能の違いもそのうち紹介できればと思っています。

<担当: M>
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