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組織図の色分け

引き続き XML の操作をして遊ぼうかと思っていましたが、あまりテクニカルな話が続くと疲れるかもしれないので (書き手が)、今回は機能紹介をすることにしました。

Visio にはあまり知られていない機能がたくさんあります…と以前から紹介していますが、今回のこの機能は知られざる機能の中でもかなりインパクトが大きく、しかも役に立つ機能です。コマンド名は「値によって色分け」。図形の持つデータを条件に色を自動的につける機能です。 Excel の条件付書式機能の Visio 版、といえるでしょう。

紹介するためには図形にデータを持たせた図面が必要なのですが、詳しく説明するとデータのインポートだけで軽く 2 エントリは使ってしまいそうなので、一番手軽に作れて、利用機会の多い組織図をサンプルに使います。組織図には人の名前や電話番号、メール アドレスなどがデータとして埋め込まれているという発想になります。

Visio 付属のサンプル データを使って組織図を作ってしまいましょう。Visio を起動し、[組織図ウィザード] テンプレートを選択します。ウィザードでは、データベースの情報を使用する、Excel ファイル、と選択しながらステップを進めます。ファイルには、Visio のインストール フォルダの中にある ORGDATA.XLS を選択してください。既定のオプションでインストールしていると
C:\Program Files\Microsoft Office\Visio11\Samples\1041\ORGDATA.XLS
にファイルがあるはずです。

組織を定義する情報は今回はそのままで結構です。表示したいフィールドは既定だと 2 つ選択されていますが、電子メールや電話番号などを追加してもいいでしょう。ただあまり追加しすぎると図面が見づらくなるのでこのあたりは作りながら調整してください。次のステップで、カスタム プロパティ フィールドにするフィールドを選択します。カスタム プロパティとは、図形が持つことのできるデータ格納庫で、必要なフィールドをいくつでも、必要なデータ型で定義することができるものです。これを使えば、データベースの 1 行を図面上で 1 つの図形として表現でき、最終的にはデータベースの視覚化も可能になります。今回の組織図も視覚化の 1 つですね。

さて、カスタム プロパティに設定してもそれが図面に表示されるわけではなく、画面がみづらくなる心配はありませんから、ここはできるだけデータを入れておいたほうが得です。迷わず全ての列を追加してしまってください。

残りのステップは既定の設定のままにしておきます。そして [完了] をクリックしてしばらく待つと、51 人が所属するツリーが図面いっぱいに、というか図面からはみ出て表示されるはずです。このようにスペースが足りない場合は、ある部署だけ次のページに表示したり自動レイアウトで調整したりといろいろできるのでオプションをいじってみてください。

さて、ここからがデータ色分け機能になります。組織図のメニューを見ても色分け機能コマンドは見当たりません。この機能はアドオンとして提供されているからです。[ツール] - [アドオン] - [建築設計] とメニューを開いてみてください。やっと [値によって色分け] コマンドを見つけることができました。[建築設計] の中にありますが、このコマンドはほとんどの図面テンプレートで使うことができます。

[値によって色分け] 画面では、色分けのルールを設定します。オフィス番号の範囲で色分けもできますし、報告先で分けることもできます。オフィス番号の範囲では、グループの数を設定すると自動的に値の範囲を分けてくれるのが便利ですね。今回は単純に部署で分けてみることにします。

色分けの基準に部署を選択すると、各部署に自動的に色が割り当てられます。せっかくなので色も変えてみます。色を 1 つ 1 つ変更していってもよいのですが、左側矢印ボタンをクリックすると、何パターンかの配色が出てきますし、さらにこだわって 2 色のグラデーションを作ることもできます。

設定を終えて [OK] を押すと、色分けされた組織図が目の前に…。自動生成された凡例図形のおかげでビジュアル データベースという雰囲気がしますね。

ところで、ウィザードで設定したカスタム プロパティはどこにあるのでしょうか。カスタム プロパティは各図形を右クリックしてプロパティを表示するか、[表示] メニューでカスタム プロパティ ウィンドウをオンにすると見えるようになります。ビジュアル データベースとして使うには後者のほうが便利でしょう。

今回は組織図で色分けをしてみましたが、プロジェクトの進捗状況や売り上げデータをインポートして、色分けしたレポートやビジュアル データベースを作成などなど活用方法はいろいろあると思います。普段作成している図面を色分けしてみると今まで気づかなかったポイントが見えてくるかもしれません

<担当: M>
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