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HTML5 とハートブレイク・カフェ(geolocation)

最近、Visual Web Developer 2010 を使って JavaScript を記述していくデモをする機会が増えてきたので、せっかくだから HTML5 とか CSS3 という 「キテる感」 満点の技術を盛り込んだデモを作っておこう、と思い立ち架空の喫茶店のページを作っています。

喫茶店の名は、「ハートブレイク・カフェ」。

お店のコンセプトは、簡単にいうと「休憩所」。格好つけていうと 「傷ついた街の天使が羽根を休める場所」。

香り高いコーヒーと、美味しいお食事、そして厳選した音楽で皆様のお越しを、…..ってことはどうでもよくて、今現在実装してある HTML5 と CSS3 を使用した機能についてメモがてら書いて行こうと思います。

ちなみに、こんな感じのページです。

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図 : トップページ

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図 : メニュー ページ

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図 : 所在地ページ

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図 : 現在位置の表示

デモページは、1 個の HTML ファイルで完結していますが、jQuery UI のタブコントロールを使用して表示を分割しています。

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使用されている Web 技術 (?) は以下の通りです。

タイトル文字 ––– Web フォント (CSS3)
メニューバーの装飾 ––– radius (CSS3)
タブによる表示分割 ––– tab (jQuery UI)
スライドするメニュー ––– slideToggle (jQuery)
現在位置の取得と地図の表示 ––– geolocation API(HTML5) + BingMap API

 

で、今回はこの中から Web フォントについて書こうかと思ったのですが、ついつい Twitter で 「HTML5 の geolocation  と BingMap API  を組み合わせたサンプル…」 とつぶやいてしまったので、geolocation について書きたいと思います。

 

HTML5 の geolocation

HTML5 には、現在の位置情報を取得するための geolocation API が用意されています。

この位置情報は、PC、携帯電話のようなクライアント・デバイスからではなく、接続しているルーター等のネットワーク機器から取得(※)するため GPS などが付属していない PC でも使用することができます。

  • (※) 取得されるのは、あくまでも 「ネットワーク機器の位置情報」 ですので、位置情報が返すネットワーク機器が離れた場所にあると、当然のことながら全然違う位置取得されます。

HTML5 をサポートしている Web ブラウザーでは、geolocation はおなじみの navigator オブジェクトから提供されます。

メソッドは、現在のところ getCurrentPosition、watchPosition、clearWatch が用意されています。

各メソッドのインターフェースについては、W3C に解説があるのでそちらをご覧ください。

W3C - Geolocation interface
https://dev.w3.org/geo/api/spec-source.html#geolocation_interface

 

geolocation を使用した位置情報の取得

geolocation を使用して位置情報を取得するには、geolocation の持っている getCurrentPosition メソッドを呼出し、その引数として指定したコールバック・ルーチンに入ってくる引数で取得します。

以下は取得した緯度、経度を alert で表示する JavaScript のサンプルです。

function getLocation() {   
     //位置情報の取得 
     if (navigator.geolocation) {
         navigator.geolocation.getCurrentPosition(currentLocation);
     }
     else {
         alert("Geolocationがサポートされていません。");
     }
}

//コールバックルーチン
function currentLocation(position) {
     //緯度と経度を表示
     alert(position.coords.latitude + ", " + position.coords.longitude);
}

 

これで緯度、経度取得できますが、実際のところ人間にとってはただの数値データにすぎませんので、「で、この数字どうすんの?」 ということになります。

そこで私がオヌヌメ、ちがった、オススメしたいのが BingMap API です。

 

BingMap API とは?

BingMap API は、名前のとおり BingMAP の機能をプログラムから利用するためのライブラリーです。

BingMap API の現在の最新バージョンは 7.0 ですが、リファレンス的には、6.3 のほうがサンプルのソースが見れるのでお気に入りです。

Maps AJAX Control 7.0 ISDK
https://www.bingmapsportal.com/ISDK/AjaxV7

Bing Maps Interactive SDK for AJAX v6.3.
https://www.microsoft.com/maps/isdk/ajax/

 

一見すると、使うのが面倒そうな BingMap API ですが、ぜんぜんそんなことはなくて、たとえば前述の geolocation で取得した位置情報を 3D 地図表示するコードは以下のようになります。表示モードの指定をしなければ、BingMap API  の部分はわずか 3 行の記述で OK です。

//BingMap API の参照
<script src="https://dev.virtualearth.net/mapcontrol/mapcontrol.ashx?v=5&mkt=ja-jp"
        type="text/javascript"></script>
<script type="text/javascript">
//位置情報の取得
function getLocation() {
     if (navigator.geolocation) {
          navigator.geolocation.getCurrentPosition(currentLocation);
      }
      else {
           alert("Geolocationがサポートされていません。");
       }
}

function currentLocation(position) {
     //VEMap のコンストラクタに地図を表示する <div> タグの ID を指定
     map = new VEMap('currentMap');
    //取得した緯度と経度を VELatLong 関数の引数に指定
     map.LoadMap(new VELatLong(position.coords.latitude, position.coords.longitude), 18);
    //3D 表示の指定。2D で良ければ書かなくても OK
     map.SetMapMode(VEMapMode.Mode3D); 
     map.AddPushpin(map.GetCenter());
}
</script>

<!-- 地図の出現場所 -->
<div id='currentMap'></div>

 

BingMap API には、単純に地図を表示する以外にもさまざまな機能がありますので、HTML5 の geolocation API と組み合わせていろいろ作成してみてください。

次回は Web フォントについて書きたいとおもいます。

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