Restore-DatabaseAvailabilityGroup 実行時の 0x46 エラーについて
災害対策を目的として、異なる Active Directory サイト間で DAG を構成しているお客様も多くいらっしゃるかと思います。
仮にプライマリー サイトで災害が発生し、セカンダリー サイトにデータベースを切り替えて運用する必要が出てきたとします。
DAC モード (データセンターのアクティブ化調整モード) を設定している場合、Stop-DatabaseAvailabilityGroup コマンドでプライマリー サイトのメールボックス サーバーを停止としてマークし、Restore-DatabaseAvailabilityGroup コマンドで停止としてマークしたメールボックス サーバーをクラスターから除外して、セカンダリー サイトでデータベースを稼働させることができます。
今回のブログではこの Restore-DatabaseAvailabilityGroup コマンド実行時に発生するエラーについてご紹介します。
Restore-DatabaseAvailabilityGroup コマンドを実行すると、内部的には ForceQuorum が実行され、クラスター サービスを強制的に再起動させます。
そして、Stop-DatabaseAvailabilityGroup コマンドにて停止としてマークしたメールボックス サーバー除外し、クォーラムを再構成して、セカンダリー サイトで DAG を稼働します。
しかしながら、このコマンドで実行される一部の処理は独立しており、他の処理の終了を待機しない場合があります。つまり、セカンダリ サイトのメールボックス サーバーのクラスタ サービスが起動途中の段階で次のノードの除外が実行される可能性があり、このような場合、以下のような 0x46 のエラーが発生し Restore-DatabaseAvailabilityGroup コマンドの実行に失敗します。
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警告: サーバー 'mbx01' の状態はデータベース可用性グループ 'dag01' で停止になっていますが、クラスターから削除できませんでした。エラー:
サーバー側のデータベース可用性グループに関する管理操作に失敗しました。エラー: 操作が失敗しました。CreateCluster
エラーは静的アドレスが正しく設定されていないために発生した可能性があります:
クラスターの操作中にエラーが発生しました。エラー: クラスター API '"0x46 で
EvictClusterNodeEx('mbx01.contoso.com') が失敗しました。エラー: リモート
サーバーは一時停止されているか、起動途中です。"' が失敗しました。 [サーバー: mbx02.contoso.com]。
警告: エラーが発生したため、操作に失敗しました。詳細については、ログ ファイル
"C:\ExchangeSetupLogs\DagTasks\dagtask_2016-06-22_11-07-35.065_restore-databaseavailabilitygroup.log"
を参照してください。
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エラー コード 0x46 は ERROR_SHARING_PAUSED というエラーで、サービスが停止しているか、または 起動途中の状態であるために失敗したことを示すものです。
過去のお問合せでは Exchange 2010 および Exchange 2013 でこのエラーの発生が報告されています。
クラスター サービスの起動状況に依存して発生するものですので必ず発生するわけではありませんが、発生した場合は再度 Restore-DatabaseAvailabilityGroup コマンドを実行することで対処することが可能です。
なお、サイト間の切り替えをスクリプトなどを使用して行っており、エラー内容が確認できない場合もあるかと思います。
そのような場合は、同様の内容を Restore-DatabaseAvailabilityGroup コマンド実行時の DagTasks のログ (C:\ExchangeSetupLogs\DagTasks) やイベント ログ ([アプリケーションとサービス ログ] - [MSExchange Management]) から確認することも可能です。
また、同様に Start-DatabaseAvailabilityGroup コマンド実行時にも、コマンドの内部処理の実行タイミングに依存して、0x13af のエラーとなり失敗する場合があります。
こちらの事象については以下の KB でもご紹介しておりますので併せてご確認いただければと思いますが、対処方法は Restore-DatabaseAvailabilityGroup コマンドの場合と同様に、再度 Start-DatabaseAvailabilityGroup コマンドを実行します。
Title : Start-DatabaseAvailabilityGroup コマンド レットによる データセンターの再アクティブ化について
URL : https://support.microsoft.com/ja-jp/kb/2696240
その他、以下でもサイト間での切り替え時にデータベースをマウントすることができない事象についてご紹介させていただいておりますので、こちらもご確認いただけますと幸いです。
Title : Exchange 2010 DAC モードの DAG について
URL : https://blogs.technet.microsoft.com/exchangeteamjp/2012/07/02/exchange-2010-dac-dag/
今後とも当ブログをよろしくお願いいたします。
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