OWA 上で作成中のテキスト形式のメッセージが下書きに保存されない
こんにちは。Exchange サポートの横山です。
今回は Exchange Server 2013 において OWA 上で作成中のメッセージが下書きに保存されない現象についてご紹介します。
現象について
OWA 上でメッセージを作成中に他のメッセージなどをクリックして画面の遷移を行った際、作成中のメッセージが下書きに保存されない現象が発生します。
この現象は OWA 上で作成するメッセージ形式が "テキスト" の場合に、画面の切替時にメッセージを下書きに保存する処理が実行されないことに起因して発生します。
なお、本現象は Exchange Server 2013 CU7 以降で発生いたしますが、Exchange Server 2013 CU6 以前や Exchange Server 2007 / Exchange Server 2010 / Exchange Server 2016 / Exchange Online では発生しません。
<発生条件>
メッセージを新規作成する場合
OWA のオプションで [この形式でメッセージを作成する] が "テキスト" に設定されている状態で OWA から新規作成したメッセージの場合、画面の切替時にメッセージが下書きに保存されない現象が発生します。
※ [この形式でメッセージを作成する] の設定が "HTML" の場合に新規作成したメッセージでは発生しません。
※ [この形式でメッセージを作成する] の設定が "HTML" の場合に手動で形式を "テキスト" に変更した場合も発生しません。
受信したメッセージに返信や転送する場合
受信したメッセージの形式が "テキスト" の場合に下書きに保存されない現象が発生します。
※ 返信をするメッセージの形式に依存するため、[この形式でメッセージを作成する] の設定が "テキスト" または "HTML" に依存せず発生します。
WorkAround について
他のメッセージやフォルダをクリックして画面の遷移を行う前に、[保存] (または Ctrl + S) をクリックして作成中のメッセージを明示的に下書きに保存します。
なお、新規作成するメッセージについては [この形式でメッセージを作成する] の設定が "HTML" の場合は本現象が発生しません。
現象自体の回避方法ではありませんが、新規メッセージを作成する際に下書きに保存されない現象については "テキスト" から "HTML" に変更することをご検討ください。
以下に確認と設定の方法を記載いたします。
- OWA の既定のメッセージ形式変更する
既定のメッセージ形式は OWA と Exchange 管理シェルのどちらからも確認および変更することができます。
以下にそれぞれの設定方法を記載します。
1. OWA を利用した設定方法
1-1. OWA にログオンした後、[オプション] - [設定] - [メール] よりメッセージ形式が "テキスト" になっているかを確認します。
1-2. "テキスト" になっている場合は [この形式でメッセージを作成する] を"HTML" に変更して [保存] をクリックします。
2. Exchange 管理シェルからの設定方法
2-1. Exchange 管理シェルより Get-MailboxMessageConfiguration コマンドにて DefultFormat から設定を確認します。
※ メッセージ形式が "テキスト" の場合は "PlainText" と表示されます。
2-2. DefaultFormat が PlainText の場合、引き続き Exchange 管理シェルより対象のメールボックスに対して Set-MailboxMessageConfiguration コマンドから設定を変更します。
Set-MailboxMessageConfiguration -Identity <メールボックス> -DefaultFormat "HTML"
- 参考情報
TITLE : Set-MailboxMessageConfiguration
URL : https://technet.microsoft.com/ja-jp/library/dd638117(v=exchg.150).aspx
TITLE : Get-MailboxMessageConfiguration
URL : https://technet.microsoft.com/ja-jp/library/ee332347(v=exchg.150).aspx
********************************************************************************
本現象について Exchange Server 2013 における修正は見送られております。
********************************************************************************