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クライアントと Exchange Online の接続性のトラブルシュートについて (基礎編)

Exchange Online をご利用のお客様が Outlook や ActiveSync デバイスからの接続性に問題を確認している場合、どこに問題が潜んでいるのか判断がつかずトラブルシュートが思うように進まないことがあります。こんなときは今回ご紹介致します Remote Connectivity Analyzer を使用して、問題の切り分けを行うことができます。その他にも 「何に注目してトラブルシュートすべきか」 を素早く判断するためのコツについて紹介いたしますので、是非ご一読ください。
 

インターネット経由の接続テスト


Remote Connectivity Analyzer (ExRCA と略されることがあります) ではブラウザ上の操作により、Exchange Online 上のメールボックスへのアクセスのシミュレートを行い、テストを実施することが可能です。ExRCA から直接 Exchange Online へと接続テストするため、インターネット上から Exchange Online への接続ができるか、シンプルなテストの実施が可能です。また、メールボックスへの接続に関連する処理項目について詳細に成功/失敗の記述がテスト結果として出力されるため、どこまで成功していて、どこで失敗しているのか?の判断が可能です。

- テスト方法

以下の URL にアクセスし、[Office 365] タブより実行するテストの種類を選びます。

  https://testconnectivity.microsoft.com/

以下で主なテストの種類を紹介します。

Microsoft Office Outlook 接続テスト > Outlook 接続

Outlook から Exchange Online へ、インターネット経由で接続する際の各処理 (Autodiscover による接続先サーバー自動検出や、ホスト名の解決、アドレス帳での名前の確認、メールボックスへのログオンなど) をテストします。

Microsoft Exchange ActiveSync 接続テスト > Exchange ActiveSync

ActiveSync デバイスから Exchange Online へ、インターネット経由で接続する際の各処理 (Autodiscover による接続先サーバー自動検出や、ホスト名の解決、認証方法のテスト、サーバーとの ActiveSync セッション) をテストします。

テスト結果の詳細については画面右上の [XML] [HTML] アイコン (以下図) より保存が可能です。

トラブルシュートの例 例えば、ActiveSync デバイスでのアカウント設定に失敗する事象が確認されており、[Exchange ActiveSync] テストにおいても、 "自動検出のテスト" の失敗が以下のエラーと共に確認されたとします。  この場合、Exchange Online へ接続するためのサーバー自動検出 (Autodiscover) が正しく構成されていない可能性があります。Exchange Online に必要な CNAME レコードを正しく設定することで問題解決できるか確認が必要です。

 

Microsoft 接続アナライザー ツール


上記のインターネット経由の接続テストに対して、Microsoft 接続アナライザー ツールでは、テスト用ツールをクライアント OS にインストールいただき、ユーザー様のネットワーク構成を利用して接続テストを行うことが可能です。インターネット経由の接続テストと同様に、テスト結果より接続の失敗についてどの段階でエラーが発生しているのか確認が可能です。例えば、一部の ネットワーク構成を利用したときのみ接続エラーが確認される場合などは、クライアント OS より同ネットワーク構成を利用してテストを行うことで、より具体的なエラーが確認できる可能性があります。

- テスト方法

以下の URL にアクセスし、[クライアント] タブよりツールをインストールします。

  https://testconnectivity.microsoft.com/

ツールが起動したら、事象内容から実施するテストの種類を選択します。以下で主なテストの種類を紹介します。

Office Outlook にログオンできません

Outlook から Exchange Online へ、ユーザー様のネットワーク構成を利用して接続する際の各処理 (Autodiscover による接続先サーバー自動検出や、ホスト名の解決、アドレス帳での名前の確認、メールボックスへのログオンなど) をテストします。特定のネットワークおよびクライアント環境での接続性に注目したテストが可能となります。

補足 : "シングル サインオンを使用しています" のオプションをオンにすることで、ADFS 環境でのログオンについてもテストが可能ですので、必要に応じてご利用ください。

モバイル デバイスでメールを送受信できません

ActiveSync デバイスから Exchange Online へ、ユーザー様のネットワーク構成を利用して接続する際の各処理 (Autodiscover による接続先サーバー自動検出や、ホスト名の解決、認証方法のテスト、サーバーとの ActiveSync セッション) をテストします。

テスト結果の詳細については、テスト実行後 [結果を保存] ボタンから HTML 形式で保存可能です。

トラブルシュートの例 例えば一部のネットワーク環境においてのみ [Office Outlook にログオンできません] のテストにおいて一部 "エンドポイントへの ping が失敗しました。" とのエラーが確認されたとします。 この場合、Office 365 や Exchange Online に接続するために使用されるリモート IP アドレスがネットワーク経路上で、ファイアーウォールによりブロックされている可能性がございます。そのため、トラブルシュート上の確認項目として Office 365 にて使用される最新の URL や IP アドレスへのアクセスが許可されているかが挙げられます。

 

その他の切り分け項目


Outlook Web App でのログイン

Outlook クライアントからはログオンできないが、Outlook Web App からのログオンが可能な場合、メールボックス自体への接続は可能であることが確認でき、トラブルシュートのための確認箇所を Outlook クライアントと Exchange Online の接続性に限定することができます。この考えを応用して 1 つのクライアント/プロトコルから接続できない時は、その他の方法での接続確認を行うことをお勧めします。

- クライアント例
  Outlook クライアント
  Outlook Web App
  ActiveSync デバイス
  IMAP/POP クライアント、など

別のネットワークからの接続

Outlook により接続に支障が出ている場合、別のネットワーク経路で接続可能であるかどうかを確認することで、使用しているネットワークに依存した問題がないか確認することが可能です。万が一のときのため、別のネットワークからのログオンが可能なクライアントやアカウントを常備されることをお勧めします。

Test-MapiConnectivity コマンドレット

管理者によるメールボックスへの設定や作業によりメールボックスへのログオン自体が妨げられている可能性もございます。管理者側からこれを確認するには Exchange Online へ PowerShell からリモート接続し、コマンドレット実行からテストすることができます。

  コマンドレット実行例 : Test-MapiConnectivity user01@contoso.com | Format-List

コマンドレット実行結果の Result や Error に記載の内容からトラブルシュートに役立つ情報が確認できる可能性があります。

- 関連情報
Title: リモート PowerShell による Exchange への接続
URL: https://technet.microsoft.com/ja-jp/library/jj984289(v=exchg.150).aspx

 
補足情報


ご利用のネットワークでインターネット接続が制限されている場合、上記インターネット経由の接続テストについて必要な IP アドレスへの接続が許可されていることをご確認いただけますようお願い致します。

Title: Office 365 URLs and IP address ranges
URL: https://technet.microsoft.com/en-us/library/hh373144.aspx
* Office 365 remote analyzer tools をご参照ください。