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四半期ごとの Exchange の更新: 2016 年 3 月の更新プログラムをリリース

(この記事は 2016 年 3 月 15 日に Exchange Team Blog に投稿された記事 Released: March 2016 Quarterly Exchange Updates の翻訳です。最新情報については、翻訳元の記事をご参照ください。)

 

Exchange チームは、四半期ごとに提供している Exchange Server の更新プログラムの最新版を Microsoft ダウンロード センターで公開しました。今回リリースされたのは、Exchange Server 2016 で初となる累積更新プログラムと Exchange Server 2013 の累積更新プログラム 12 です。また、Exchange Server 2007 および Exchange Server 2010 の更新プログラムのロールアップもリリースされ、OWA の S/MIME コントロールが SHA-2 証明書を使用して署名するように更新されました。以降のセクションでは、これらのリリースの詳細と主な更新内容をご紹介します。

OWA S/MIME コントロールを更新

今回リリースされたすべてのパッケージで OWA の S/MIME コントロールが更新されています。コントロール自体に変更はありませんが、SHA-2 に準拠した証明書が署名に使用されるようになりました。いずれの更新プログラムでも、更新されたコントロールが Exchange Server にインストールされます。ブラウザーにコントロールをインストールしている場合、以前のバージョンのコントロールがインストールされたデバイスに新しいコントロールをインストールし直す必要があります。コントロールのインストール方法は簡単で、お使いの Exchange のリリースに応じて OWA のオプション、Exchange コントロール パネル、Exchange 管理センターのいずれかからすぐにインストールできます。

Exchange Server 2016 の更新プログラムの配布パッケージを変更

Exchange Server 2016 の累積更新プログラムの導入に伴い、このバージョンの更新プログラム パッケージの種類が変更されました。以前のバージョンの Exchange のサービス パックや累積更新プログラムは自己解凍形式のパッケージで提供されていましたが、ISO 形式で更新プログラムをリリースしてほしいというご要望が寄せられていました。Windows Server 2012 以降のバージョンでは ISO ファイルを直接マウントできるため、累積更新プログラムを ISO 形式でリリースするメリットは大きいと考えました。現時点では Exchange Server 2013 の累積更新プログラムでこれを採用する計画はありませんが、皆様からのご要望が多ければ検討いたします。.ISO 形式で提供することのデメリットは、パッケージのサイズが非常に大きくなることです。しかし、累積更新プログラムのファイルやフォルダーの数はリリースのたびに増加しています。この多数のファイルやフォルダーをネットワーク経由でコピーするよりも、1 つの ISO ファイルをコピーする方がはるかに効率的で高速です。この変更にご満足いただければ幸いです。

リモート PowerShell のメールボックスのアンカー設定を変更

Exchange Server 2013/2016 に導入されたリモート PowerShell の負荷分散機能の変更について、皆様から多数のご意見を頂きました。こちらの記事で Rob Whaley がご説明したように、今回リリースされた累積更新プログラムではこの動作が元に戻されました。

Outlook on the Web のサポート言語を追加

Exchange Server 2016 の累積更新プログラム 1 では、Outlook on the Web に 17 の言語のサポートが追加されました。累積更新プログラム 1 がサーバーに適用されると、言語を選択するドロップダウン リストにこれらの言語が自動的に表示されます。

.Net 4.6.1 のサポートについて

Exchange Server での .Net 4.6.1 のサポートについては多数のご要望を頂いています。現在は、.Net Framework チームと緊密に協力して、サポートを実現するために問題の解決に取り組んでおり、この作業は間もなく完了する見込みです。.Net 4.6.1 のサポートは今後リリースされる Exchange Server 2013/2016 の累積更新プログラムで実装される予定ですので、どうぞご期待ください。

Windows Server 2012 R2 でインストールに時間がかかる問題について

Windows Server 2012 R2 で Exchange を実行している場合、条件によっては Exchange の更新プログラムのインストールに非常に長い時間がかかる場合があります。.Net チームと共に調査した結果、更新プログラム KB3097966 が適用されたシステムでは Exchange のインストール所要時間が 1.5 倍になるケースが確認されました。この問題については、現在 .Net チームが修正に向けて取り組んでおり、今後の更新プログラムで修正される予定です。修正プログラムがリリースされるまでの間、この更新プログラムを展開している場合には、Exchange や累積更新プログラムをインストールする前にサーバーで 1 回限りの対応策を実施することにより、インストールの所要時間を標準程度に戻すことができます。この手順は、Windows Server 2012 R2 を実行しているすべての Exchange サーバーで 1 回ずつ実行する必要があります。以下のコマンドを実行してください。

“%windir%\Microsoft.NET\Framework64\v4.0.30319\ngen.exe update”

このコマンドを実行して警告やエラーが発生した場合、出力の最終的な終了ステータス コードが 0 であれば無視しても差し支えありません。

Exchange Server 2010 でスタンドアロンのハイブリッド構成ウィザードをサポート

ハイブリッド モードで Exchange Server 2010 を Office 365 と併用している場合、EMC に新しいリンクが表示され、スタンドアロンのハイブリッド構成ウィザードの更新版を使用することができます。この最新バージョンのハイブリッド構成ウィザードをご利用になることをお勧めします。

リリースの詳細

各リリースの詳細については、下記のサポート技術情報の記事をご覧ください。

注: このブログ記事が投稿された時点では、ドキュメントの内容は完全ではない可能性があります。

Exchange Server 2016 の累積更新プログラム 1 では、Active Directory のスキーマに関する更新が実施されています。インストール時にアクセス許可および AD の要件が満たされた場合、これらの更新はセットアップ中に自動的に適用されます。Exchange 管理者に Active Directory スキーマを更新する権限が付与されていない場合、最初のサーバーに累積更新プログラム 1 をインストールする前にスキーマ管理者が SETUP /PrepareSchema を実行する必要があります。また、Exchange 管理者も SETUP /PrepareAD を実行し、RBAC ロールが適切に更新されたことを確認することをお勧めします。

Exchange Server 2013 の累積更新プログラム 12 では、Active Directory の更新が実施されておらず、RBAC の追加変更が行われていませんが、どのバージョンからアップグレードするかによっては、必要となる可能性があります。セットアップ処理によって PrepareAD を実行する必要性が検出され、ログオン ユーザーに十分なアクセス許可が付与されている場合には、サーバーの初回アップグレード中に PrepareAD が自動的に実行されます。そうでない場合、十分なアクセス許可でセットアップを再実行することを求められます。

追加情報

マイクロソフトでは、更新プログラムをテスト環境で展開し、運用環境でインストール プロセスが適切に動作するかどうかを確認していただくことをすべてのお客様に推奨しています。Active Directory のスキーマ拡張と構成の詳細については、TechNet で該当するドキュメントを参照してください。

また、インストールに関する問題を回避するために、アップグレードまたはインストール対象のサーバー上で Windows PowerShell スクリプトの実行ポリシーを "Unrestricted" に設定してください。ポリシー設定を確認するには、アップグレード対象のコンピューターで PowerShell から Get-ExecutionPolicy コマンドレットを実行します。ポリシーが Unrestricted に設定されていない場合は、KB981474 (機械翻訳) に記載されている回避策に従って設定を行ってください。

要確認: ハイブリッド展開 (オンプレミスとクラウドの両方で Exchange を展開) でご利用のお客様、および Exchange Online Archiving (EOA) をオンプレミスの Exchange 展開でご利用のお客様は、最新 (CU12) または前バージョン (CU11) の累積更新プログラムを展開する必要があります。

Exchange Server の最新情報や製品に関する発表については、「Exchange 2016 の新機能」および「Exchange 2016 のリリース ノート」をご覧ください。また、Exchange Server 2013 の最新情報については、TechNet の「Exchange 2013 の新機能」の記事、リリース ノート、および製品ドキュメントをご覧ください。

Exchange チーム

 

※ 本情報の内容(添付文書、リンク先などを含む)は、作成日時点でのものであり、予告なく変更される場合があります。