Exchange 2013 用の管理パックについて
こんにちは、Exchange サポート チームの竹本です。
Exchange 2013 も SP1 のリリースが行われ、更にお問い合わせの数も増えてまいりました。ご利用いただきありがとうございます。
今回はその Exchange 2013 を監視するための Exchange 管理パックについてです。
既に半年以上前になってしまいましたが、Exchange 2013 用の管理パックが昨年の 7 月にリリースされています。
Title : Microsoft Exchange Server 2013 Management Pack
URL : https://www.microsoft.com/en-us/download/details.aspx?id=39039
Exchange 2013 用の管理パックはこれまでの管理パックと大きく異なり、基本的に 75 個のイベント ベースのモニターしか存在しません。
つまり、これまでのように、管理パックの処理でスクリプトを定期実行してその健全性を確認したり、テスト用メールボックスを使用して Test 系の診断コマンドを実行したり、パフォーマンス カウンタを定期的に取得して一定期間閾値を超えたらアラートを上げたり、、、といった処理は行われず、またモニターのヘルス状況に応じて生成されるアラートが調整されるなどの動作 (相関エンジンの動作) もありません。
ではどのようにして正常性の監視を行うかというと、これは全て Exchange サーバー自身にゆだねられた形となっています。
ご存知の方も多いかと思いますが、Exchange 2013 では Managed Availability (管理可用性) と呼ばれる可用性監視機能を Exchange サーバー自身が保持しており、これにより各プロトコル (ActiveSync/AutoDisocver/ECP/IMAP/EWS/OWA/POP/PowerShell/SMTP など) や各コンポーネント (Transport/Store/UM など) の正常監視、異常検知時の自動修復などが行われるようになっています。
そのため、サーバーの監視自体はこの Managed Availability の機能を利用しており、Exchange 2013 管理パックでは対象サーバーのイベント ログのみを監視し、こちらの内容に応じてヘルス状態の異常を検知すること、そしてその後アラートにつなげる事が、メインの役割となっています。
具体的なイベントの監視イメージについては、以下のようになっております。
このイベントは、対象のサーバー上でデータベース (MDB112) がオフラインであるために発生したものです。
この状況を検知し、SCOM (System Center Operations Manager) 側で表示可能なヘルス エクスプローラーでは以下のように、Store コンポーネントにおいて障害が発生した事を確認できます。
この管理パックの内容については、以下 System Center チームのブログ (英語) でもご紹介させていただいておりますので、併せてご参照ください。
Title : MP Blog: Exchange 2013 Management Pack released
URL : https://blogs.technet.com/b/momteam/archive/2013/05/14/exchange-2013-management-pack-released.aspx
また、以下 TechNet サイトも英語となりますが、管理パック ガイドとしてご案内させていただいており、この管理パックがどのように動作するのか、またそこで監視対象となっている Exchange サーバーの Health Sets についても紹介がありますので、少しでもご参考になればと思います。
Title : Exchange Server 2013 Management Pack Guide
URL : https://technet.microsoft.com/en-us/library/ee758046(v=exchg.150).aspx
なお監視対象のサーバーで Microsoft Exchange Health Manager サービスが停止しているような場合は、これらイベントを拾う事ができず、SCOM で監視することもできません。
このサービスは既定で "自動" 起動するようになっていますが、先日ブログでの紹介の通り起動しないケースも確認されておりますため、もし "SCOM で監視できない!" という場合には、一度ご確認ください。
今後も当ブログおよびサポート チームをよろしくお願いいたします。