Exchange 2013 でリンクされたメールボックスを使用している場合の予定表の表示について
こんにちは。Exchange サポートの小間です。
今回は Exchange 2013 に報告されている予定表の問題を紹介します。
Exchange 2010 でリンクされたメールボックスを使用している場合、以前のブログ記事で紹介している以下の問題が発生します。
TITLE: リンクされたメールボックスを使用している場合の空き時間情報の参照権限について
URL: https://blogs.technet.com/b/exchangeteamjp/archive/2012/11/05/3530556.aspx
この問題は、Exchange 2013 でリンクされたメールボックスを使用している場合にも発生します。
対処方法として記載している web.config を編集する方法を、Exchange 2013 では SP1 から利用できるようになりました。
ただし web.config を編集するサーバーは、クライアント アクセス サーバーではなくメールボックス サーバーとなりますのでご注意ください。
このように、Exchange 2013 SP1 以降で web.config の編集による対処が出来るようになりましたが、Exchange 2013 にはさらにリンクされたメールボックスを使用している場合の予定表の問題が報告されており、予定表のアクセス権をグループに対して設定した場合に、「参照者」以上の権限が付与されていても予定表アイテムを開くことが出来ません。
この問題については、以下の技術情報を公開しています。
TITLE: Outlook cannot open a shared folder on which a group you attend has the Reviewer permission in Exchange Server 2013
URL: https://support.microsoft.com/en-us/kb/3030629
より具体的な問題の発生状況は以下の通りとなります。
- Exchange 2013 が、リソース フォレスト構成で展開されている。
- 以下のリンクされたメールボックスおよび配布グループが用意されている。
・ Account01 : 予定表を参照されるユーザーのメールボックス
・ Account02 : 予定表を参照するユーザーのメールボックス
・ DL01 : 予定表の権限付与に使用する配布グループ - Account01 の予定表フォルダーに、DL01 に対して「参照者」以上の権限を付与する
- Account02 を DL01 に参加させる
これらの条件の時、Account02 が Outlook を使用して Account01 の予定表フォルダを開きます。
予定表フォルダを開くことは出来ますが、Account02 は Account01 の予定表アイテムを開くことが出来ません。
なお、Account02 の Outlook がキャッシュ モードであり、過去に Account01 の予定表を開いたことがある場合、事象が発生していないように見える (予定表アイテムが開く) 場合があります。
これは Account02 の Outlook に Account01 の予定表アイテムがキャッシュされており、キャッシュが表示されているためです。
補足として、以下の場合は事象が発生しません。
- 予定表のアクセス権を個別のメールボックスに対して設定している
上記の例の場合、Account01 の予定表フォルダーに、Account02 に対して「参照者」以上の権限が付与されている場合、事象が発生いたしません。 - 予定表を参照されるユーザーと参照するユーザーを、別のデータベースに展開している
上記の例の場合、Account01 と Account02 が別のデータベースに展開されている場合、事象が発生いたしません。 - OWA もしくは EWS で 5 分以内にメールボックスにログオンしている
上記の例の場合、Account02 が Outlook を起動する前に、5 分以内に OWA もしくは EWS で自身のメールボックスにログオンしている場合、事象が発生いたしません。
この問題は、Exchange 2013 CU8 にて修正されております。
お客様の環境が今回の事象の発生条件に合致している場合は、大変お手数をおかけいたしますが Exchange 2013 CU8 の適用をご検討いただきますようお願いいたします。
今後も当ブログおよびサポート チームをよろしくお願いいたします。