Exchange 2010 で ActiveSync からの GAL 検索時における最小文字数について
今回は Exchange 2010 SP3 RU1 から加えられた ActiveSync で GAL 検索を実施する際の最小文字数の制限についてご紹介いたします。
Exchange 2010 の環境に ActiveSync で接続してグローバル アドレス帳 (GAL) を検索する場合、Exchange 2010 SP3 RU1 未満では検索に指定する最小文字数に関して特に制限は設けられていませんでした。
ただし、検索キーが 1 - 3 文字などの少ない文字数で曖昧な検索が多く実施された際に検索要求を処理するグローバル カタログ サーバーの負荷が増加してしまう現象がいくつか報告されておりました。
この対策として Exchange 2010 SP3 RU1 以降では ActiveSync で GAL 検索を実施する際の最小文字数 (MinGALSearchLength) が既定で 4 に制限され、MinGALSearchLength 未満の文字数で GAL 検索が実施された場合にはグローバル カタログ サーバーにクエリを発行しないで検索結果を返さないように動作が変更されました。
ActiveSync を利用している Exchange 2010 の環境に Exchange 2010 SP3 RU1 以降を適用する場合、ActiveSync からの GAL 検索時における最小文字数が変更されることになりますのでご注意ください。
なお、本制限は以下で記載する ActiveSync に関する構成ファイル (web.config) を編集することで変更することができます。
- 変更方法
本作業は CAS の役割がインストールされた全ての Exchange Server 2010 で実施してください。
なお、構成ファイルを編集する際には事前にファイルのバックアップを取得しておくことをお勧めいたします。
1. 既定で以下の場所に存在する構成ファイルをメモ帳などのテキスト エディタで開きます。
C:\Program Files\Microsoft\Exchange Server\V14\ClientAccess\Sync\web.config
2. 以下のエントリを <appSettings> タグの子要素として追加します。既に存在する場合は value を修正してください。
<add key="MinGALSearchLength" value="N" />
* "N" には 1 から 256 までの範囲の値を指定することができます。
(指定例) MinGALSearchLength を 2 に設定する場合
--------------------------------------------------
<appSettings>
<add key="MinGALSearchLength" value="2" />
:
</appSettings>
--------------------------------------------------
4. 構成ファイルを保存します。
5. コマンド プロンプトなどから IISReset を実行して該当コンピュータの IIS を再起動します。
- 補足
ActiveSync で GAL 検索を実施する際の最小文字数 (MinGALSearchLength) の制限はグローバル カタログ サーバーの負荷が想定以上に増加してしまう現象を抑止するために加えられた機能となります。
MinGALSearchLength を 1 など変更して場合には Exchange 2010 SP3 RU1 未満の環境と同様の状態となりますが、グローバル カタログ サーバーの負荷が増加する可能性もございますのでご注意ください。