Exchange 2010 での自動転送ルールの挙動について
今回は Exchange Server 2010 で変更された自動転送ルールの挙動についてご紹介いたします。
Exchange Server 環境では以下の仕分けルール (Exchange Server 2010 では "受信トレイのルール" と呼ばれます) を利用することで、条件に合致したメールを受信した際に指定した宛先に自動的に転送させることができます。
・<名前/添付リスト> へ転送する
・添付して <名前/配布リスト> に転送する
このような仕分けルールにおいて、Exchange Server 2003 や Exchange Server 2007 では転送する宛先に関して特に制限は設けられておりませんでした。
そのため、以下のように 2 人のユーザーが互いに転送するように構成している場合には無限ループが発生する危険性がございました。
userA - 受信したメールを userB に転送
userB - 受信したメールを userA に転送
上記のこともあり、Exchange Server 2010 ではメールの送信者に対しては仕分けルールで自動転送が実施されないように動作が変更されております。
例えば userC が以下のように仕分けルールを構成している状態で userD が userC にメールを送信した場合、userE にはメールが転送されますが userD にはメールが転送されない結果となります。
userC - 受信したメールを userD と userE に転送
Exchange Server 2007 以前の環境から Exchange Server 2010 にメールボックスを移動する際には移動前後で動作が変更されますのでご注意ください。