Exchange 2007 サービスパック適用時の注意事項
クリティカル レスポンス チームの太田です。
クリティカル レスポンス チームでは、サーバー ダウンなど至急の対応を要する緊急案件を中心に対応しております。
緊急対応に発展した問題で、他のお客様も遭遇する可能性のある内容なども公開していく予定です。
今回は Exchange 2007 のサービスパック適用時の注意事項について記載します。
従来の Exchange 2003 以前のサービスパックでは、既存環境にサービスパックを適用した場合、既存のファイルに対して上書きアップデートを行い、アップデートできないファイルが存在した場合は、サービスパックのインストール終了後にサーバー再起動を要求して終了していました。
Exchange 2007 のサービスパックでは、この動作が変更されています。
既存の Exchange 2007 環境にサービスパックを適用した場合、既存のファイルをアンインストールした後にサービス パックが適用された Exchange 2007 をインストールします。
そして、アンインストール中にファイルが使用中などによって削除できない場合は、削除処理が完了した時点でサーバー再起動の要求が行われます。
サーバーの再起動後は、構成情報以外のプログラムが存在しない状況となりますので、そのまま通常のインストール ウィザードからのインストールを行っても、インストール ウィザードは新規インストールのモードになるため、継続することができません。
このような状況に陥った場合は、以下の手順にて、コマンド プロンプトからインストールを継続します。
- 手順
1.以下のサービスを開始します。
・IIS Admin Service (既定は自動)
・World Wide Web Publishing Service (既定は自動)
・HTTP SSL (既定は手動)
2. コマンド プロンプトを起動し、以下のコマンドを実行します。
setup.com /mode:upgrade
このような問題の原因が、ウィルス対策ソフトや監視系アプリケーションだった場合には、以下の手順でインストールすることで未然に防げることがあります。
1. ウィルス対策ソフトや監視系アプリケーションなどファイルをロックする可能性があるサービスを停止します。
2. ファイル ロックなどの可能性を考慮し、サービス パック適用前にサーバーを再起動します。
3. サービス パックを適用します。
4. この手順を実行した場合でも既存プログラムの削除後に再起動が必要となった場合は、上述しました手順を実行します。
- 補足
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