トランスポート ルールの詳細を確認する方法
Exchange サポートのいしいです。
Exchange 2007 で追加された機能のひとつにトランスポート ルールがあります。今回はトランスポート ルールを管理する上での Tips となるコマンドレットを紹介します。
トランスポート ルールを利用することで、特定の文字列を含むメッセージの送信を禁止したり、外部向けに送信されるメッセージに免責事項を追加したりなど、Exchange 2003 まではプログラムを作成しイベント シンクを利用しないと実装できなかった機能を簡単に設定することが出来るようになりました。
トランスポート ルールは Exchange 管理コンソールから GUI で簡単に設定することができますので、この機能を利用している組織は少なくないと思います。
しかし、Exchange 管理コンソールでも、Exchange 管理シェルでも、設定したトランスポート ルールの詳細を一覧で見ることができません。
詳細を見るには、Exchange 管理コンソールからひとつずつ開くか、コマンドレットでひとつずつ詳細を見る必要があります。
こんな時に便利なのが Export-TransportRuleCollection のコマンドレットです。
Exchange 管理シェルから下記のようにコマンドレットを実行すると、-FileName に指定したパスとファイル名で xml 形式のファイルが出力されます。下記の例では "C:\Transport Rules\New Transport Rules.xml" が出力ファイルです。
Export-TransportRuleCollection -FileName "C:\Transport Rules\New Transport Rules.xml"
出力されたファイルのサンプルは下記のようになります。
============================== サンプルここから ==============================
<rules name="Transport"><rule name="空白の件名" comments="空白の件名のメッセージを削除するトランスポート ルール">
<condition>
<and>
<true />
<matches property="Message.Subject">
<value>^$</value>
</matches>
</and>
</condition>
<action name="DeleteMessage" />
</rule><rule name="倫理的境界" comments="Sales 配布グループのメンバーと Brokerage 配布グループのメンバー間の送受信を拒否するトランスポート ルール
ただし、Cc にManagers 配布グループのメンバーが入っている場合は許可する。">
<fork>
<fromList name="sales@example.com" />
<list name="brokerage@example.com" />
</fork>
<fork>
<fromList name="brokerage@example.com" />
<list name="sales@example.com" />
</fork>
<condition>
<and>
<true />
<not>
<or>
<isMemberOf property="Message.Cc">
<value>managers@example.com</value>
</isMemberOf>
</or>
</not>
</and>
</condition>
<action name="RejectMessage">
<argument value="550" />
<argument value="5.7.1" />
<argument value="Delivery not authorized, message refused" />
</action>
</rule><rule name="免責事項" comments="組織内から組織外へのメッセージに免責事項を追加するトランスポート ルール">
<fork>
<external />
</fork>
<condition>
<and>
<true />
<and>
<not>
<is property="Message.Auth">
<value><></value>
</is>
</not>
<isInternal property="Message.From" />
</and>
</and>
</condition>
<action name="ApplyDisclaimerWithSeparator">
<argument value="Append" />
<argument value="免責事項のサンプルです。" />
<argument value="Arial" />
<argument value="Smallest" />
<argument value="Gray" />
<argument value="Wrap" />
<argument value="WithSeparator" />
</action>
</rule></rules>
============================== サンプルここまで ==============================
参考資料
--------
XML に記載されている Action や Condition の詳細については下記のサポート技術情報をご参考ください。
タイトル : Export-TransportRuleCollection
URL : <https://technet.microsoft.com/ja-jp/library/bb124410(EXCHG.80).aspx>
タイトル : トランスポート ルールの述語
URL : <https://technet.microsoft.com/ja-jp/library/aa995960(EXCHG.80).aspx
タイトル : トランスポート ルールのアクション
URL : <https://technet.microsoft.com/ja-jp/library/aa998315(EXCHG.80).aspx