低優先メール機能を迂回するトランスポート ルールが動作しない
こんにちは。 Exchange サポートの山崎です。
今回は、低優先メール機能を迂回するトランスポート ルールが意図したように動作しない場合の対処策につきましてお伝えいたします。
以下の Technet 記事にて、大事なメールが低優先メール フォルダーに振り分けられないように、特定の条件のメールのみ迂回させる方法をご案内しております。
しかしながら、設定によっては動作しない場合がございます。
TITLE: メッセージが低優先メール機能を迂回できるトランスポート ルールを使用する
URL: https://technet.microsoft.com/ja-jp/library/dn896639(v=exchg.150).aspx
トランスポール ルールを作成しても、低優先メールが迂回されない場合は、以下の 2 点をご確認いただけますようお願いいたします。
1. メッセージ ヘッダーの値について
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低優先メールを迂回する為のトランスポート ルールでは、条件に合致したメールに対して以下の処理を行います。
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メッセージ ヘッダー ‘X-MS-Exchange-Organization-BypassClutter’ を値 ‘true’ に設定する
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このメッセージ ヘッダー及び true の値については、大文字/小文字を区別します。
その為、例えば true を True と 1 文字でもご案内している表記と異なる場合は、迂回処理が行われません。
- 注意事項
2015 年 7 月 21 日現在、弊社の公開ページにてご案内している画面ショットでは、上記の値を ‘True’ と 1 文字目を大文字として設定しております。
ご迷惑をおかけし申し訳ございませんが、現在公開記事の修正対応を行っておりますので、修正内容が反映するまではこの点をご注意いただけますようお願いいたします。
https://technet.microsoft.com/ja-jp/library/dn896639(v=exchg.150).aspx
また、設定は Exchange Online の PowerShell でも可能でございます。
PowerShell を使用して低優先メール機能フォルダーを迂回するトランスポート ルールを作成する方法は以下となります。
この例では、「Meeting」というタイトルのすべてのメッセージが低優先メール機能を迂回できるようにします。
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New-TransportRule -Name <name_of_the_rule> -SubjectContainsWords "Meeting" -SetHeaderName "X-MS-Exchange-Organization-BypassClutter" -SetHeaderValue "true"
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2. ルールの優先度
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トランスポート ルールは、優先度の高い順番から処理されます。
低優先メールの迂回ルールよりも優先度の高いルールにて、[以降のルールは処理しない] 設定が入っている場合は、設定いただいたルールが処理されません。
その場合は、低優先メールの迂回ルールに対して、優先度 (Priority) を最も高い 0 に設定いただくことをご検討ください。
以下の PowerShell コマンドにて、ルールの優先度を高く上げることができます。
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Set-TransportRule <name_of_the_rule> -Priority 0
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今回は以上となりますが、Exchange Online をご利用いただいている皆様において、少しでも参考になりましたら幸いです。
今後も当ブログおよびサポート チームをよろしくお願いいたします。