SQL Server の歴史を振り返る(第 1 回目)
Microsoft Japan Data Platform Tech Sales Team
坂本 禎尚
先週 US で、ついに SQL Server 2016 のローンチに関する発表がされました。
その週の頭の 7 日は Linux への対応を表明したりと、ここ最近良い意味で何かと世間をお騒がせしている SQL Server ですが、皆さんは SQL Server と聞いて何を思い浮かべますか?
おそらく多くの人が思い浮かべるのはリレーショナル データベースというキーワードではないでしょうか?
それは間違いではありませんが、実は SQL Server というプロダクトを正しく表現したものではないのです。
なぜなら、SQL Server は非常に多面的な顔を持ったプロダクトであり、リレーショナル データベースは SQL Server が持つ複数の顔のたった一つにすぎないからなのです。
ではなぜ、SQL Server がそんな複数の側面を持つに至ったかを説明する為にも、ここで SQL Server の歴史を簡単に振り返っておきましょう。
マイクロソフトの SQL Server の歴史は、マイクロソフト自身がエンタープライズ領域のデータベースの必要性を感じ Ashton-Tate 社と Sybase 社との共同開発に参画したところから始まっていきます。
我々はこの時期を第一世代と位置付けていますが、中身はほとんど Sybase 社のコードでした。
そんな経緯を経て誕生した SQL Server は、SQL Server 7.0 というバージョンで大きな変貌を遂げます。
SQL Server 7.0 を開発しリリースする為に、マイクロソフトは当時の著名な研究者やアーキテクトを招き、彼らを中心にマイクロソフトの理想とするデータベース像を一から定義し、それに基づいてコードの 95 % 以上を書き換えました。
そしてこれが今日の SQL Server の根本になっているのです。
次回は、当時の開発陣の考えを少し掘り下げてご紹介します。