Windowsストア アプリ 縦書きビューワー Vol.0 ~書籍をアプリ化~
マイクロソフトの田中達彦です。
Windowsストア アプリで、テキストファイルを縦書きのアプリとして提供するテンプレートを作成中です。
現在、初期のバージョンのテンプレートで作成したアプリとして、青空文庫に収録されている作品の中から、芥川龍之介の杜子春と鼻をアプリ化しました。
杜子春 : https://apps.microsoft.com/windows/app/211ea6f0-fcea-4e31-8950-4477486c2ca5
鼻 : https://apps.microsoft.com/windows/app/3b2689b8-77f0-42cc-a503-9350138e7f1b
アプリのイメージは、こんな感じです。
公開している杜子春と鼻は、まだ機能としてシンプルなものしかついていませんが、開発中のテンプレートでは、こんなことができます。
画面の明るさを変えて、黒字に白い文字で表示させることもできます。
ナビバーにも対応します。
あと1週間程度で完成する予定です。
完成したら、ここで公開します。
お楽しみに!
[連載記事一覧] (この項目は連載開始後に追加)第1回 : アプリのテンプレート
https://blogs.msdn.com/b/ttanaka/archive/2013/04/11/windows-vol-1.aspx
アプリのテンプレートを提供するとともに、使用するときの注意事項、使用方法を説明しています。
第2回 : 青空文庫のアプリ化
https://blogs.msdn.com/b/ttanaka/archive/2013/04/12/windows-vol-2.aspx
文字下げ、文字上げなどの特殊処理を行う方法を説明しています。
第3回 : タイルの作成
https://blogs.msdn.com/b/ttanaka/archive/2013/04/12/windows-vol-3.aspx
アプリを公開する際に必ず用意しないといけないタイルの作成方法を説明します。
第4回 : プログラムの説明
https://blogs.msdn.com/b/ttanaka/archive/2013/04/15/windows-vol-4.aspx
どのような方法で縦書きを実現させているのかを説明します。
第5回 : 特殊処理の追加
https://blogs.msdn.com/b/ttanaka/archive/2013/04/17/windows-vol-5.aspx
独自に特殊処理を追加する方法を説明します。
マイクロソフト
田中達彦
Comments
Anonymous
April 02, 2013
ルビの扱いは難しいですから、期待しています♪ ひととおり出来上がったら、「黒死館殺人事件」でチェックを! ebook.itmedia.co.jp/.../news060.html twitter.com/.../282404345113374720Anonymous
April 02, 2013
あら! 芥川以外にも。もう5本も登録されてますね。 ms-windows-store:Search?query=tatsu%20tanakaAnonymous
April 02, 2013
biacさん、コメントありがとうございます! 黒死館殺人事件は半端ないルビの量ですね。試してみたら、見つけていなかったバグを発見しました。ありがとうございます。 今回のテンプレートは、自分が読みたいものをアプリ化するという目的で作成していて、青空文庫の全文書を読めるところまでの実装は考えていないです。 文鳥や野菊の墓で実装しているように、[f]キーを押すとルビのオン/オフを手軽に切り替えることができることをが売りの一つで、そのため、ルビに合わせて漢字の位置をずらすことは考えていません。(この機能は現段階の杜子春、鼻には実装していません) もし黒死館殺人事件をアプリ化するとしたら、そのアプリだけ特殊なコードを入れることになると思います。 例えば、間もなく公開予定の「風の又三郎」には特殊なコードを入れていて、黒板への板書の部分を実現しています。Anonymous
April 02, 2013
> ルビに合わせて漢字の位置をずらすことは考えていません うーん、ちょっと残念。 字詰め調整はルビには必須で、「日本語組版処理の要件」の「3.3 ルビと圏点処理」 www.w3.org/.../ja でも、かなりの分量を割いて解説しています。 ルビで字詰め調整をするのは、見た目を奇麗に整えるだけが目的ではありません。字詰め調整をしないと、隣の漢字にルビが掛かってしまって誤読するという致命的な問題が出てきます。たとえば「杜子春」にこのような例があります(五章の後半)。 ほとんど 殆 声 と は い え な い 「殆」に振られた「ほとんど」のルビが「声」にまで完全に掛かってしまっていて、「ほとんどとはいえない」と誤読してしまいます。(例えばIE10の実装では、ルビが長い場合は無条件に親文字の前後を空けるので、誤読の心配はありません twitter.com/.../1 ) 「日本語組版処理の要件」を全部実装しようとすると、たしかに大変そうです。WebKitの日本語縦書き実装は、懸賞金まで出してバグ探しをしています。実装量に恐れをなして、私は着手できずにいます(汗; 全部はとても無理でしょうが、見た目の奇麗さのためのルールは措いておくとしても、読むために必要とされる機能の実装は、ぜひご一考していただけると嬉しいです。