The Microsoft Conference 2011 [T1-202] タッチで変える! これからのアプリケーション
マイクロソフトの田中達彦です。
The Microsoft Conference 2011(MSC)というイベントで、Windowsのタッチについてのセッションを担当しました。
先ほどセッションが終わったので、ポイントとスライドを紹介します。
PDF化されたスライドとストリーミングは、後日以下のMSCのサイトより提供する予定です。
https://www.microsoft.com/japan/events/msc/2011/
[セッションについて]
セッション番号: T1-202
セッション名: タッチで変える! これからのアプリケーション
[セッションのポイント]
- 入力方法は、CLI(Command Line Interface)からGUI(Graphical User Interface)と進化し、最近はTUI(Touch User Interface)と呼ばれるように、タッチを使ったユーザーインターフェイスへと進化している。
- キーボード、マウス、タッチはそれぞれの得意分野がある。多くの文字を入力するアプリケーションであればキーボードが適していて、グラフィックツールのような細かい作業を行うアプリケーションにはマウスが適している。タッチが適しているアプリケーションは、多くのコンテンツを扱うようなアプリケーションである。
- タッチに対応したPCとしてスレート型PCが挙げられ、最近は各メーカーからさまざまなスレート型PCが発売されている。
- スレート型PCの用途としては、営業の方が持ち運んでプレゼンに使用したり、外出先からのコミュニケーションにも使うことができる。倉庫の在庫管理や建築現場、医療の場でも威力を発揮する。最近の子供はNintendo DSなどタッチ対応デバイスに慣れているので、教育用途の使用も考えられる。
- スレート型PCの中でも、Windowsを搭載しているPCは、ソフトウェア、ハードウェア、管理、セキュリティの面でメリットがある。ソフトウェアは業務で使用しているWindows用のアプリがそのまま使える。ハードウェアもWindowsに対応したものであれば使用できる。管理の面でも、WindowsのエディションによってはActive Directoryも使用でき、管理者から見れば通常のWindowsPCと全く同じに扱える。セキュリティ面も、通常のWindowsのセキュリティと同じ。
- アプリケーションをユーザーインターフェイスの面でタッチに対応させるポイントは大きく5つ。タッチはマウスより接触面積が大きいので、UIに余裕を持たせること。タッチするときに画面を手で隠すので、必要な情報が手で隠れないように設計すること。マウスにあってタッチにないホバーのような機能に頼らないこと。タッチしたとき、形が変わったり音が出るなどのフィードバックをつけること。スレート型PCの場合は、どのように持って使うかを考えたUIにすること。
- アプリケーションが使用される場所により、UIの大きさを変える必要が生じる場合がある。例えば、アパレルのお店で使用されるアプリケーションの場合、爪が長い人は指の先ではなく指の腹でタッチすることを考慮して、垂直方向の高さを大きめにしておくなどの工夫も。
- UIに説明文を入れるときには、説明文が手で隠れないような位置に表示させる。UIの各要素の配置も、手で隠れることを考慮して配置する。
- マウスのホバーや右クリックに頼るUIを極力避ける。ホバーはタッチでは再現できない。右クリックはタッチで再現可能だが、少し手間がかかる。
- アプリケーションをタッチに対応するいちばん簡単な方法は、そのまま何もせずに使うことである。タッチすると、マウスのクリックと同じ反応を返すので、既存のアプリケーションがそのまま使用できる。
- タッチの情報は、触っている指の情報や座標、状態をそのまま取得できる。
- マニピュレーションという方法を使うと、タッチの移動距離や、マルチタッチ時の拡大率/縮小率を取得できる。マニピュレーションはWPFでサポートしている。Silverlightではサポートしていないが、Windows Phoneに搭載されているSilverlightはマニピュレーションを使うことができる。
マイクロソフト
田中達彦