Jaa


Outlook 2010 での代理人シナリオの構成に関する推奨事項

原文の記事の投稿日: 2012 年 12 月 18 日 (火曜日)

この投稿は、マイクロソフト カスタマー サポート サービス グループの Office 担当主席エスカレーション エンジニアである Scott Bradley によって書かれました。

代理人アクセスは、Outlook ユーザーが別のユーザーの作業を代理で行えるようにする Outlook の機能です。この機能は、共有フォルダー アクセスと会議出席依頼の特別な処理の組み合わせで構成されます。上司の代理で秘書が会議のスケジュールや連絡を行う、秘書が上司の電子メールをチェックするなど、上司と秘書の間でよく使用されます。

ここでは、代理人が複数のメールボックスの大量のメールに対処するシナリオのことを上級代理人シナリオと呼びます。

会社の経営陣の代理人である Jane という上級代理人について考えてみましょう。Jane は、一日中 Outlook 2010 と向き合って、電子メールの検索や会議情報の処理などを行っています。あちこちクリックし、Outlook 2010 のさまざまな機能を使用して効率よく作業していますが、それぞれの作業のパフォーマンスを全般に高めたいと考えています。

Jane の標準的な Outlook プロファイルは次のとおりです。

  • 自分のもの以外に 2 つの追加のメールボックス (役員のものと役員の秘書のもの)
  • 数千のアイテムを含む予定表フォルダー (役員の予定表にも、少なくともそれ以上の数のアイテムがあります)
  • 25 ~ 40 GB のオフライン ストア ファイル (OST)
  • 大量のアイテム (20,000 以上) を含む共通フォルダー ([削除済みアイテム]、[送信済みアイテム])

上級代理人は、多くの点において、組織で実装しているデータ管理の制約にも従わなければなりません。たとえば、環境が次のように構成されているとします。

  • 環境で PST ファイルが許可されていない – さまざまな理由から、個人用ストア (PST) ファイルが許可されていません。そのため、Jane は、クライアント側のアーカイブ ツールを使用して OST のサイズを小さくすることができません。
  • マイクロソフトのレコード管理が実装されていない – データ ファイルのサイズはサーバー側の機能セットで制御されます。
  • Jane が社内で使用しているメールボックスは Office 365 である – メールボックスへの接続には常に HTTP プロトコルが使用されます。ネットワークについての配慮から、パフォーマンスが高いオンラインでの作業は禁止されています。

複雑に思えるかもしれませんが、心配しないでください。マイクロソフトには、上級代理人シナリオの構成について、長年にわたって開発してきたベスト プラクティスがあります。このブログ投稿では、次の推奨事項をご紹介します。

  • Outlook 2010 の上級代理人シナリオの構成 (予定表に関する考慮事項や代理人の数の制限など)
  • OST のサイズ
  • 事前監視
  • 上級代理人のトレーニング
  • ルールの最大数

Outlook 2010 の上級代理人の構成に関する推奨事項

上級代理人を構成する基本的な方法は 2 種類あり、そのそれぞれに利点と制限があります。それぞれの構成で重視しているのは、OST ファイルのサイズを制御することです。これらの推奨事項では、フォルダーにオンラインでアクセスするシナリオについては検討していません。オンライン アクセスで一般に生じる待ち時間は、OST のサイズに関するパフォーマンスの考慮事項よりも問題になることが多いためです。

選択肢 A: 上司のアカウントをセカンダリ Exchange アカウント (複数 Exchange) として追加する

利点

  • アカウントを複数 Exchange アカウントとして追加すると、それに対応する OST が作成され、そのアカウントのデータが新しい OST にキャッシュされます。この構成であれば、代理人の OST のサイズが大きくなることはありません。
  • 複数 Exchange アカウントは、"プライマリ" メールボックス アカウントと同じ機能セットで構成できます。そのため、たとえば、一部のフォルダーをキャッシュしないように除外したり、一部のフォルダーに同期フィルターを設定してキャッシュされるデータを少なくしたりすることができます。
  • キャッシュされる構成で代理人の OST のサイズに影響しないのはこの構成だけです。

 欠点

  • ユーザーは正式な意味での代理人ではありません。実際は、上司の "役割" を代わりに行うことになります。上司の代わりの代理人のアカウントではなく、上司のアカウントからメールが送信されます。また、会議出席依頼は、上司の受信トレイにしか届きません。
  • 代理人が上司のパスワードを知っている必要があります。パスワードを知らない場合は、複数 Exchange を正しく構成するために、フル メールボックス権限で追加の手順を行う必要があります。
  • 複数 Exchange 構成で Jane を正式な代理人として設定する具体的な方法はサポートされていません。詳細については、https://support.microsoft.com/kb/981245/ja-jp を参照してください。

この投稿の最後に、複数 Exchange アカウントの作成方法と別のメールボックスの追加方法をスクリーンショット付きで説明しています。

選択肢 B: フォルダー レベルの共有を使用する

利点

  • 従来の代理人機能セットを利用します。メールは上司の "代理" で送信され、会議出席依頼は代理人の受信トレイにのみ届きます。
  • 上司のパスワードを知らなくてもフォルダーにアクセスできます。
  • フォルダーごとに共有するかしないかを選択することで OST のサイズを制御できます。

欠点

  • フォルダー レベルでの同期フィルターの制御に関する構成上の制限があります。
  • すべての共有フォルダーが代理人の OST にキャッシュされます。
  • フル メールボックス アクセスについて注意が必要になります。

フォルダー レベルの共有の構成 (選択肢 B) の方が上級代理人のシナリオとして適している場合は、共有フォルダーの 3 種類のセットアップ方法と、そのそれぞれの方法による影響について理解する必要があります。具体的には、Exchange/Outlook の "自動マッピング" 機能について、その機能がフォルダーの共有方法にどのように適合するかについて理解することが重要です。

方法 1: 標準的な代理人/フォルダーの共有 – この方法では、Outlook 2010 の代理人機能を使用して代理人を割り当てます。代理人のセットアップの一環として、アクセス制御リスト (ACL) が代理人のフォルダーに割り当てられ、それらのフォルダーに代理人のコンピューターから各種の UI ([ほかのユーザーのフォルダーを開く]、[共有の予定表を開く]、[共有の依頼] など) を使用してアクセスできるようになります。この方法では、メールボックス全体に対する権限は必要ありません。

方法 2: 別のメールボックスを追加 – この方法では、アカウントのプロパティの詳細設定タブで利用できる "従来" の機能を使用します。この機能を使用して、上司のメールボックス ストアをプロファイルに追加することができます。この機能は、先ほどの選択肢 A で説明した複数 Exchange 機能とは異なります。この方法で共有するには、メールボックス ストアのルートに対する "フォルダーの表示" 以上の権限が必要になります。

方法 3: フル メールボックス権限/自動マッピング – 上司のメールボックスに対するフル メールボックス権限をユーザーに割り当てると、Exchange から自動検出データの情報が送信され、Outlook で自動的に共有メールボックスがプロファイルに追加されます。この方法では、非常に特殊で困難な次のような状況に対処する必要があります。

  • 上司のメールボックスが代理人ユーザーのプロファイルに自動的に追加され、その際にユーザーが選択したり操作したりすることはできない
  • 上司のストアのすべてのフォルダーがユーザーの OST ファイルにキャッシュされる
  • 上司にアーカイブ メールボックスがある場合、そのストアもユーザーのフォルダーの一覧に表示され、上司のアーカイブ データもユーザーの OST にキャッシュされる

自動マッピングにはこのような副作用があるため、これらの上級代理人シナリオには使用しないことをお勧めします。Exchange Server 2010 SP2 には、自動マッピング機能を無効にするための PowerShell コマンドレットが用意されています。共有フォルダー アクセスを構成するときは、その機能を使用するようにしてください。

推奨されるフォルダーの共有方法は、フォルダーに対するどのようなアクセスが必要かによって異なります。代理人ユーザーが上司のストアのすべてのフォルダーにアクセスする必要がある場合は、次のような方法をお勧めします。

  1. 必要なメールボックスとフォルダーに対する適切なレベルの権限を割り当てる。
  2. 手順 1. でメールボックスに対する "フル アクセス" を割り当てた場合は、上司のメールボックスの自動マッピングを無効にする。
  3. 方法 2 "別のメールボックスを追加" に従って、上司のストアを代理人ユーザーのフォルダー ツリーに追加する。

このような構成にすれば、次のことを実現できます。

  • 共有フォルダーをキャッシュする (全体的なパフォーマンスのために必要)
  • 従来の "代理人" 機能セット (代理送信、会議出席依頼の処理) を保持する
  • 同期フィルターを一般的な UI で制御する (代理人の OST にキャッシュされるデータのサイズをある程度制御できる)
  • 自動マッピング機能による好ましくない動作を回避する

代理人に関するその他の推奨事項

Outlook と Exchange のどちらの代理人を追加するか

Outlook と Exchange では、"代理人" という用語の定義が異なります。Exchange では、"代理人" とは、単にアカウントに対する代理送信の権限を持つユーザーのことを指します。Outlook 2010 では、"代理人" とは、代理送信の権限、代理人フォルダーに対する権限、会議出席依頼を代理人に転送する転送ルール、および各種のプロパティで構成される機能セット全体のことを指します。これには、上司が公開している空き時間情報の月数といった "追加情報" を追跡するためのコードも含まれます。したがって、代理人を追加する方法についての推奨事項をまとめると、まず、Outlook の代理人の完全な機能セットが必要な場合は Outlook を使用して代理人を追加する必要があります。一方、代理送信機能を使用したり、共有フォルダーに対する権限を割り当てたりすることだけが目的の場合は、Exchange のツールを使用して代理人を追加することをお勧めします。

予定表に関する考慮事項

他のツールにはない Exchange および Outlook 固有の考慮事項として、予定表フォルダーに対する権限の扱いが少し特殊であることに注意してください。Exchange および Outlook には、メールボックスのルートに、代理人機能セットの一部として使用される "空き時間情報" という特別なフォルダーがあります。このフォルダーに対する権限は、予定表フォルダーに対する権限と同じでなければなりません。Outlook または Exchange を使用して予定表フォルダーに対する権限を設定するときは、この特別なフォルダーに対しても明示的に権限を適用する必要があります。権限や代理人に影響するサード パーティのツールを使用した場合、この空き時間情報フォルダーに正しい権限が適用されないことがあります。

代理人の数の制限

メールボックスに割り当てることができる代理人の数について、明確な制限はありません。この機能の下位の層 (MAPI 層、代理送信の権限を追加するために使用される Name Service Provider Interface (NSPI) の呼び出しなど) で、最終的に代理人をそれ以上追加できない上限に達する可能性はありますが、その数は推奨される実用的な制限よりも多くなります。

Outlook 製品チームでは、これまでのテストから、メールボックスの代理人の推奨される最大数を 4 人としています。この推奨値は、パフォーマンスやサイズの制限よりも、予定表の実際の使いやすさを重視した値です。代理人の数が 4 人を超えると、特にモバイル デバイス、OWA、Outlook アドインなどを利用する今日の環境では、シナリオが潜在的に複雑になり、予定表を管理することが難しくなります。また、会議出席依頼の作業について公開されているベスト プラクティスにも従うことをお勧めします。たとえば、会議出席依頼には必ず返信する、会議出席依頼の全文は代理人だけが受け取るように構成するなど、基本的なベスト プラクティスに従ってください。

IHV および ISV のベスト プラクティスに従う

環境でサード パーティの予定表を使用している場合は、必要に応じて、それらのすべてのベンダーのベスト プラクティスやドキュメントを含めることを検討してください。たとえば、Android、Apple、RIM Blackberry などのデバイスを使用している場合は、それらのベンダーが公開している現在の問題とトラブルシューティング方法を確認するようにしてください。

代理人がオンプレミス メールボックスまたは Office 365 メールボックスを使用する場合の Outlook 2010 の OST のサイズに関する推奨事項

代理人が Exchange オンプレミス メールボックスまたは Office 365 メールボックスを使用する場合の OST およびアイテムのサイズに関する推奨事項については、Office 365 シナリオのさまざまな観点から検討する必要があります。OST の同期は、オンプレミスの Exchange メールボックスから行う場合よりも、クラウドから行う場合の方が時間がかかることがあります。エクスペリエンスを高めるために、代理人が Office 365 メールボックスを使用するシナリオではデータのサイズを小さくすることをお勧めします。

上級代理人の場合の推奨事項は次のとおりです。

Exchange オンプレミス メールボックスを使用する場合の Outlook 2010 のパフォーマンスに考慮した推奨値 (最大値)
OST のサイズ: 25 GB
一般的なフォルダーのアイテム数: 50,000
予定表のアイテム数: 5,000

Office 365 メールボックスを使用する場合の Outlook 2010 のパフォーマンスに考慮した推奨値 (最大値)
OST のサイズ: 5 GB
一般的なフォルダーのアイテム数: 20,000
予定表のアイテム数: 5,000

パフォーマンスにはさまざまな要素 (ハード ドライブの速度、使用パターン、アドインなど) が影響し、それらの変数を予測することは難しいため、ここでは 3 つのグループに分けてサイズの推奨値を示します。最初のグループは、"OST に関連するパフォーマンスの問題がほとんど発生しない状態にする" 場合で、値は 5 GB です。2 つ目のグループは、"ある程度のパフォーマンスの問題はあるものの、ユーザーが対応できると考えられる" 場合です。この値は 5 ~ 25 GB です。最後の 3 つ目のグループは、"ユーザー エクスペリエンスに影響するほどのパフォーマンスの問題が発生する可能性がある" 場合です。この値は 25 GB です。

Outlook の観点から言えば、通常は、既存のサイズの推奨値が Office 365 のアカウントにも同様に当てはまります。Outlook の推奨値は、"オフライン" 操作に関連する OST ファイル形式のパフォーマンスに対するものです。言い換えると、ローカル フォルダー間でアイテムを移動したり、相当な数のアイテムを含むフォルダーのビューを作成したりする際のパフォーマンスです。この推奨値の具体的な内容は、OST のサイズは 25 GB 未満、予定表フォルダーのアイテム数は 5,000 未満、予定表以外のフォルダーのアイテム数は 20,000 未満です。予定表フォルダーには定期的なパターンを計算するという明確なオーバーヘッドがあるため、フォルダーのサイズを小さくする必要があります。先ほどのグループに当てはめると、これはユーザーが対応できると一般に考えられる場合の推奨値であり、パフォーマンスが確実に向上する値というわけではありません。

Office 365 の OST のサイズに関する推奨値は、ネットワークのパフォーマンスも適切なレベルになるように考慮したものです。OST が大きいと初回の同期に時間がかかります。たとえば、マイクロソフトのレコード管理の変更など、すべてのアイテムをある程度まで同期する必要がある操作を行う場合は、データのサイズを 25 GB までとすると、通常、パフォーマンスやネットワーク使用量の点で適切な結果が得られません。さらに、共有フォルダーのシナリオではデータをサーバーから取得する必要があるため、ほかにもいくつかの要因を考慮する必要があります。そのため、それらの共有フォルダーのシナリオでは、ある程度の潜在的なパフォーマンスの低下を考慮した推奨値にしています。こうした理由から、共有フォルダーを使用する場合は、Office 365 のサイズの推奨値に従うことをお勧めします。Office 365 の推奨値に従って 5 GB までにすると、ネットワークの状況に関係なく、一般に OST の操作のパフォーマンスも向上します。

したがって、サイズの推奨値は、目標とする OST のパフォーマンスに応じて異なることがあります。Outlook のサイズの推奨値は、クライアント側の全体的なパフォーマンスに対する推奨される最大値です。ただし、それよりも OST が小さい Office 365 の推奨値に従うと、ネットワーク関連のパフォーマンスの問題が軽減され、一貫したパフォーマンスの向上を期待できます。
Office 365 での上級代理人のセットアップで、複数 Exchange アカウントのセットアップの代わりに、共有フォルダーを使用する場合は、次のような構成にすることをお勧めします。
OST のサイズ: 目標とするパフォーマンスに応じて 5 GB ~ 25 GB
予定表のアイテム数: 5,000
一般的なフォルダーのアイテム数: 20,000

サイズをこのように構成すると、OST 自体のパフォーマンスが全般的に向上し、予定表フォルダーで予定表データを扱う際の潜在的なパフォーマンスの低下も軽減されます。さらに、一般的なフォルダー (共有フォルダーを含む) でのアイテムの処理についても、ほとんどの使用シナリオで十分なパフォーマンスが得られるようになります。ただし、Outlook 2010 は豊富な機能を備えた柔軟性に優れたクライアントであり、さまざまな使用パターンやワークフローに対応できるため、それに応じて推奨値も変化することに注意してください。たとえば、Outlook には、フォルダーのすべてのオフライン データを OST からクリアする機能があります (フォルダーのプロパティ ダイアログから利用できます)。ワークフローで定期的にフォルダーからオフライン アイテムをクリアする場合、そのフォルダーを後で同期する必要があるためパフォーマンスが低下します。また、フィルターを適用するなど、複雑なビューの定義を使用した場合は、フォルダー データに適用する必要があるため、Outlook によるそれらの操作の実行時にパフォーマンスが低下することがあります。ここで紹介したのは、上級代理人の最も "一般的" な使用パターンに対する推奨事項です。

 詳細については、以下を参照してください。

事前監視に関する推奨事項

クライアント側での監視には、Outlook Configuration Analyzer Tool (OCAT) を使用することをお勧めします。OCAT は、Exchange Server ベスト プラクティス アナライザーと同じテクノロジに基づいています。このツールには、ユーザーがクライアントの状態の確認に使用できる使いやすい UI が用意されています。また、IT 管理者向けにコマンド ライン バージョンも用意されており、状態の確認や結果のレポートの収集をスクリプトで実行できます。以下に参照先として示した詳しい Word 文書で、機能セット、IT 管理者向けの使用方法、その他の情報を確認できます。

サーバー側では、PowerShell のスクリプトとコマンドから成る機能セットを使用して、メールボックスとフォルダーのサイズに関する情報を取得できます。

詳細については、以下を参照してください。

上級代理人のトレーニングに関する推奨事項

マイクロソフトでは、代理人シナリオの "ベスト プラクティス" についてのさまざまな参照ドキュメントを提供しています。それらのガイドでは、代理人機能の初級から中級までの作業を対象としています。また、Microsoft Premier Field Engineering チームでは、積極的に予定表のワークショップを開催しているほか、開催のご要望にもお応えしています。ワークショップでは、予定表の問題のトラブルシューティングやベスト プラクティスの推奨事項などを紹介しています。

トレーニングやトラブルシューティング向けのリソースをいくつか紹介します。

Outlook の上級代理人の構成に対するルールの最大数に関する推奨事項

Exchange のルールの最大数は、すべてのルールが格納される "プロパティ" に対する記憶域によって制限されます。従来、プロパティは 32K までに制限されていました。一般的なルールのデータは 600 ~ 800 バイトであるため、ルールの数が 40 ~ 50 個になると "容量不足" になります。Exchange 2010 では、ルールの記憶域に 32K よりも大きい値を指定できます。Exchange Online アカウントの場合、設定できる最大値は 64K です。そのため、ルールを 100 個近くまで格納することができます。ルールの推奨される最大数は、ユーザーがルール セットを管理できるかどうかによって異なります。特に、複数のルールが同じメッセージに影響する可能性があるシナリオでは、ルールを開始するのに必要なすべてのロジックをユーザーが処理する必要があります。

詳細については、Exchange Online のルールの上限を大きくする方法 (英語) に関するドキュメントを参照してください。

 全般的な推奨事項

Outlook と Exchange のチームは、絶えず連携して Exchange Online エクスペリエンスの向上に取り組んでいます。"累積的な更新プログラム" サイクルでは、具体的なバグを見つけて修正するだけでなく、累積的な更新プログラムに含まれるその他のコードの安定性やパフォーマンスの向上を目的とした変更も行っています。そのため、Outlook クライアントの問題に取り組むときは、常に最新の累積的な更新プログラムをテストして使用することをお勧めします。Outlook の必須のクライアント レベルは、1 年以内に公開された Outlook ビルドです。つまり、たとえば 2012 年の 10 月に Exchange Online を使用するのであれば、2011 年 10 月の CU が Outlook に適用されている必要があります。

パフォーマンスと安定性についての考慮事項として、もう 1 つ理解しておかなければならないのは、予定表の環境の重要性についてです。さまざまなクライアント (Outlook、OWA、Windows Phone、IPhone、Blackberry) を使用している環境では、予定表の安定性が低下するリスクがあるため、それらのそれぞれに注意を払う必要があります。同様に、予定表機能セットを拡張する Outlook 用アドインを使用している場合は、予定表の動作を円滑にするために、その潜在的な要因についても考慮する必要があります。それらが必ずしも問題の原因になるとは限りませんが、複雑になることは避けられないため、チームで連携して問題の把握とトラブルシューティングに取り組む必要があります。

Outlook の最新の更新プログラムは、https://technet.microsoft.com/ja-jp/office/ee748587.aspx でいつでも確認できます。

複数 Exchange の定義と別のメールボックスの追加

Outlook プロファイルに完全なアカウントをもう 1 つ追加するシナリオのことを、一般に複数 Exchange と呼んでいます。別のアカウントを Outlook 2010 プロファイルに追加するには、Outlook の [ ファイル ] メニューの [ アカウント設定 ] に移動し、[ 新規作成 ] (New) を選択します。

別のメールボックスを追加するには、Outlook の [ アカウント設定 ] に移動し、[ 変更 ] ボタン、[ 詳細設定 ] の順に選択して、既存の Exchange アカウントの [ 詳細設定 ] (Advanced) タブを選択します。

 

これはローカライズされたブログ投稿です。原文の記事は、「Recommendations for configuring delegate scenarios in Outlook 2010」をご覧ください。