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デバイス ドライバを開発する?しない?

なおきお~です。皆様、いかがお過ごしでしょうか?ご無事でしょうか?

この度の東北地方太平洋沖地震により、亡くなられた方々のご冥福をお祈り申し上げますとともに、被災された皆様と、そのご家族様に対しまして、心よりお見舞い申し上げます。

また、このブログを閲覧していただいている皆様が、ご無事であることも、お祈り申し上げております。

 

さて、大震災以降、安全性というものの重みを思い知らされている日々ですが、デバイス ドライバを開発する際も、ささやかなものですが、安全性や安定性を意識しなければなりません。

その手始めとして、どのようなモジュールを開発するか?と決める時です。

Windows OS に含まれているモジュールを利用すると、既に動作の実績もあり、安定しています。また、脆弱性が見つかれば、マイクロソフトが解決してくれるので安全です。また、開発の工数も短縮できると、いい事づくめです。

 

ただ、Windows OS に含まれているモジュールの利用に固執してしまって、失敗してしまうこともあります。その一例として、USB と Serial Port (RS-232C) の変換のデバイス ドライバがあります。

Windows OS には、usbser.sys というモジュール (デバイス ドライバ) が、含まれています。名前から想像すると、これが、USB と Serial Port (RS-232C) の変換を行うデバイス ドライバかな?と思ってしまいます。

名前で誤解してしまうのですが、以下の USB の FAQ の " 2: Windows での USB DWG Class のサポート" に、ある通り、usbser.sys は、実は、CDC (Communications Device Class) に準拠したモデム クラスのデバイス ドライバなのです。

 

USB に関する FAQ: 初級レベル

https://msdn.microsoft.com/ja-jp/windows/hardware/gg487327.aspx

モデム クラス (CDC)

0x02

Usbser.sys

Windows Server 2008Windows VistaWindows Server 2003Windows XPWindows 2000

 

Serial Port (RS-232C) は、Ports Class として INF ファイルを記載しないといけませんが、usbser.sys は、Modem Class が前提であるため、Modem Class として、インストールする INF ファイルの記述は、以下のサンプルを参照すれば可能です。

 

使用する方法またはユニバーサル シリアル バス (USB) モデムの.inf ファイルから Usbser.sys ドライバーを参照する方法

https://support.microsoft.com/kb/837637/ja

 

Referencing Usbser.sys for USB Modems

https://msdn.microsoft.com/en-us/library/ff542605(v=vs.85).aspx

 

Ports Class としてインストールする INF ファイルの記述は、難しいと思いますが、少々、無理な INF ファイルの記述を行えば、Ports Class としてインストールできると聞いたことがあります。

しかしながら、そのような異なる Class に対して、インストールを行うと、大前提が異なるため、ちゃんと動くのか、検証していないので、安全性や安定性が、損なわれてしまいます。構造上は、似ているので、ちょっとお試しで、usbser.sys を Ports Class で、使うのならば、よいかもしれませんが、ちゃんとした製品とするには、あまりよい構成ではないと思います。

では、USB と Serial Port (RS-232C) の変換のデバイス ドライバは、どういう構成にすればいいかとなると、少なくとも、1 つ以上のデバイス ドライバを開発する必要があります。

開発するドライバは、デバイスとのやり取りは、WDK の USB の Bulk 転送のサンプルをベースに、開発されているデバイス用に修正し、IRP_MJ_DEVICE_CONTROL のような上位スタックからの呼び出しは、WDK の Serial ドライバを参考に、USB の Bulk 転送のサンプルにマージする構成が、無難だと思います。また、INF ファイルには、Upper Filter に serenum.sys をアタッチする構成がよいと思います。

serenum.sys は、Windows OS に含まれているので、実績もあります。また、WDK にサンプルも公開しています。USB の Bulk 転送も、Serial ドライバも WDK にサンプルがあるので、うまくサンプル コードを流用すれば、比較的 開発の工数が少なくすることも可能ですので、usbser.sys を Ports Class として、無理に使用するより、よいと思います。

 

このように Windows OS に含まれているモジュールの利用に固執してしまって、安全性や安定性を損なわないように気を付けてください。

 

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サポート サービス

https://www.microsoft.com/japan/services/support/default.mspx

 

Windows デバイスドライバー開発

https://social.msdn.microsoft.com/Forums/ja-JP/windowsdevicedriverja/threads

 

 

それでは、また。