コネクテッド ファクトリー向け Azure IoT Suite をリリース
執筆者: Sam George (Partner Director, Azure Internet of Things)
このポストは、4 月 20 日に投稿された Azure IoT Suite connected factory now available の翻訳です。
Industrie 4.0 への対応
ビジネス プロセスをはじめ、生産ラインなどの資産のデジタル改革を検討する声が多く聞かれます。しかし、着手すべきポイントや Industrie 4.0 自体をよく把握していないお客様も多くいらっしゃいます。マイクロソフトは、あらゆる規模の企業が自社の可能性を十分に発揮できるようにすべく、構成済みのコネクテッド ファクトリー ソリューションと、迅速に Industrie 4.0 に対応するための 6 段階のフレームワーク (英語) を発表しました。
Azure IoT Suite の構成済みソリューションは、すばやいビジネスの開始と、概念実証に基づく幅広いデプロイを支援します。構成済みコネクテッド ファクトリー ソリューションでは、Azure IoT Hub や新製品の Azure Time Series Insights などの Azure サービスを利用できます。また、OPC Foundation のクロス プラットフォーム OPC UA Net Standard Library リファレンス スタック (英語) で OPC UA に接続したり、同スタックに含まれているラッパー (英語) で OPC DA などの OPC Classic プロトコルを使用したり、OPC UA サーバー管理、アラーム処理、テレメトリ視覚化などの機能を備えた高機能な Web ポータルを利用したりできます。Web ポータルおよび Azure Time-Series Insights では、OPC UA のテレメトリ データ傾向の迅速な表示や、総合設備効率 (OEE) や複数の主要業績評価指標 (KPI) (生産ユニット数やエネルギー消費量など) の確認が可能です。
このソリューションは、昨年の Hannover Messe で発表された (英語) 業界最先端のクラウド接続規格である OPC UA に準拠しています。発表後、OPC Foundation (英語) と共に、クロス プラットフォームのオープン ソース製品としてすべての接続コンポーネントを GitHub で公開し、マイクロソフトは OPC Foundation への最大のオープン ソース貢献者となりました。さらに、構成済みコネクテッド ファクトリー ソリューションも、すべて GitHub (英語) でオープン ソースとして公開されています。
Azure IoT Suite は Industrie 4.0 に最適なソリューション
Hannover Messe 2016 でご紹介したとおり、Azure IoT Suite (英語) は、既にデプロイされているマシンの稼動を止める必要なく導入でき、データやデバイスの管理、インサイト取得、機械学習、さらには設備のリモート管理にまで対応可能で、業界設備のクラウド ソリューションに最適な選択肢といえます。
この機能を実証するため、マイクロソフトでは実際に OPC UA サーバーをソリューションに組み込み、各 OPC UA サーバーを組立ライン内の「中継点」として組立ラインと連携させることに力を入れてきました。各組立ラインでは、シミュレーション製品が生産されます。また、各組立ラインを制御する、OPC UA インターフェイスのシンプルな製造実行システム (MES) を作成しました。この構成済みコネクテッド ファクトリー ソリューションには、上記のような組立ラインが 8 つ含まれており、Azure 上の Linux 仮想マシンで実行されています。Azure IoT Gateway SDK は、シミュレーション上の各工場の場所でも使用されています。
安全な設計、安全な既定設定
BSI Study (英語) により、OPC UA は既定で安全であると認められています。マイクロソフトはこの認定基準よりもさらに厳しく、コネクテッド ファクトリー ソリューション用の OPC UA コンポーネントの安全を既定で確保しています。お客様は、この安全な基盤の上に自社製ソリューションを構築することができます。既定で安全ということは、すべてのセキュリティ機能が調整済み、構成済みであるということであり、お客様は、自身でこの手順を実施する必要がなく、エンドツーエンドのソリューションの安全がどのように確保されているかを確認できます。
工場への拡張が容易
構成済みコネクテッド ファクトリー ソリューションは実際の工場に簡単に拡張できます。OPC UA エコシステム内の大手パートナー企業が開発する、Azure の接続を使用したターンキー ゲートウェイ ソリューションが既に組み込まれているため、構成作業はほとんど必要ありません。主に、Softing (英語)、Unified Automation (英語)、Hewlett Packard Enterprise (英語) などのパートナー企業が参加しています。このソリューションと互換性のあるゲートウェイの完全なリストは、こちらのデバイス カタログでご覧いただけます。これらのゲートウェイを使用すると、お客様の自社工場設備をこのソリューションに簡単に接続できます。
さらに、Azure の接続機能コンポーネント (OPC Proxy および OPC Publisher) に対応するために、Docker Hub (英語) で構築済みの Docker コンテナー イメージと、オープン ソースの Docker コンテナーを提供します。どちらも Azure IoT Gateway SDK と統合されており、GitHub (英語) から入手できます。概念実証からデプロイまでを数時間で実現するために、すばやく設備のインサイトを取得し、概念実証に基づいて商業化までのプロセスを計画できます。
未来を先取り
ぜひ Azure IoT Suite のコネクテッド ファクトリー向け (英語) 構成済みソリューションで工場設備のクラウド対応を検討いただき、ソリューションの動作を実際に Hannover Messe 2017 でご覧ください。IoT をビジネス改革に活用する詳しい方法は、www.InternetofYourThings.com (英語) を参照してください。
マイクロソフトの IoT ソリューションの詳細
マイクロソフトでは、アクセス性が高く実装が容易な IoT ソリューションを活用することであらゆる企業がデジタル改革を実現できるように、IoT の簡素化に取り組んでいます。IoT の導入に取り組む企業を支援するために、マイクロソフトでは、デバイスのオペレーティング システム、デバイスを制御するクラウド サービス (英語)、インサイトを検出する高度な分析サービス (英語)、インテリジェントな対応を実現するビジネス アプリケーションなど、多種多様な IoT サービスを提供する業界最高レベルの包括的な IoT ポートフォリオを築いています。ぜひ www.InternetofYourThings.com (英語) にアクセスして、マイクロソフトの IoT ソリューションをビジネス改革に活用する方法をご覧ください。