SharePoint Online で発行機能を有効にする場合の留意点
サイト コレクションの作成後に SharePoint Server 発行インフラストラクチャ/SharePoint Server 発行機能を有効にする場合、主にパフォーマンスの観点で以下のような留意すべき事項があります。
・ナビゲーション
・ページ (Pages) ライブラリ
一般的に運用の開始後は設定や構成の変更が難しくなりますので、本稿の内容を構築の段階で考慮いただくことを、推奨いたします。
なお、サイト コレクションの作成時に、”発行ポータル” (英語: Publishing Portal) テンプレートを利用される場合は後述の内容は考慮された状態でサイト コレクションが作成されます。
このため、発行機能の利用を検討される場合は、サイト コレクションの作成時に、”発行ポータル” テンプレートを利用することもご検討ください。
ナビゲーション
サイト コレクションの作成後に SharePoint Server 発行インフラストラクチャ機能を有効にすると、ナビゲーションに構造ナビゲーションが設定されます。
以下のブログ投稿でも紹介していますが、構造ナビゲーションを利用すると深刻なパフォーマンスの劣化が生じる可能性があるため、SharePoint Server 発行インフラストラクチャ機能を有効にした場合は、ナビゲーションを管理ナビゲーションに変更することが強く推奨されます。
タイトル : SharePoint Online のパフォーマンス チューニングについて
アドレス : https://blogs.technet.microsoft.com/sharepoint_support/2018/06/25/spo-performance-tuning/
タイトル : SharePoint Online で管理ナビゲーションを使用する
ページ (Pages) ライブラリ
チーム サイト等の発行機能が既定で無効であるテンプレートでサイトコレクションを作成すると、サイトを構成するページのファイル (.aspx ファイル) は “サイトのページ” (SitePages) ライブラリに保持されます。
一方で、サイトの機能の “SharePoint Server 発行機能” を有効にすると、”ページ” (Pages) ライブラリが作成され、本ライブラリにもサイトを構成するページのファイルを保持することが可能です。
何れのライブラリも同様の機能を保持しているように見えますが、”ページ” ライブラリはSharePoint Server 発行インフラストラクチャを有効にしているサイト コレクションに最適化されているため、SharePoint Server 発行インフラストラクチャを有効にしている場合は、”ページ” ライブラリを利用することが一般的に推奨されます。
・発行機能はポータルサイト等の閲覧を主目的としたサイト向けの機能となります。サーバー側の動作で、閲覧に最適化された機能が幾つかありますが、”ページ” ライブラリに存在するページ ファイルにのみ有効となります。
・主にカスタマイズのパフォーマンス チューニングにおいて有効な CDN の利用に最適化されています。
なお、”サイトのページ” ライブラリで作成したページ ファイルを、”ページ” ライブラリに移行することは出来ません。このため、サイトの構築段階で “ページ” ライブラリについて考慮することが重要となります。
タイトル : SharePoint Online で CDN を利用する
アドレス : https://blogs.technet.microsoft.com/sharepoint_support/2018/06/20/sharepoint-online-cdn/
補足
既に広く知られている情報になりますが、SharePoint Server 発行インフラストラクチャを一度でも有効にしたサイト コレクションは。サイト テンプレートがサポートされませんので、ご留意ください。
タイトル : Office 365 の SharePoint Online または SharePoint Server 2013 で [テンプレートとしてサイトを保存] 機能が利用できない
アドレス : https://support.microsoft.com/ja-jp/help/2492356/
タイトル : 発行機能とサイトテンプレートについて
アドレス : https://blogs.technet.microsoft.com/sharepoint_support/2014/05/23/691/
今回の投稿は以上です。
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