PerformancePoint Services for SharePoint 2010 とは何か – そして、それだけなのか
原文の記事の投稿日: 2011 年 5 月 18 日 (水曜日)
PerformancePoint とは何か
PerformancePoint Services は 1 つの大きな使命を担っています。それは、ビジネスの進行状況をあらゆるレベルで知ることができる完全なビューを提供するために、データとコンテンツを集約する多機能のコンテキスト駆動型のダッシュボードを作成できるようにすることです。
マイクロソフトが提供するビジネス インテリジェンス スタックを見渡すと、ビジネスの視覚化と理解を支援するためにダッシュボードを作成するいくつかのツールが目に入りますが、PerformancePoint Services はそのような優れたツールの 1 つです。PerformancePoint は、2 つの点で他のツールとは異なります。第一に、PerformancePoint は、ネイティブなインタラクティブな方法でデータを SharePoint に統合する直接のパスとして使用できます。第二に、ビジネス ニーズで必要とされる制御とセキュリティを維持しつつ分析機能をユーザーに提供する必要がある場合に、PerformancePoint は選択候補となるツールです。
当然ですが、データへのアクセスの許可には由々しき懸念が伴いますが、PerformancePoint Services ではこの必要性を周到に考慮して、豊富なソース選択肢から一貫した方法でデータへの接続を作成する機能を提供します。社内に複雑な Analysis Services データ モデルがある場合や SharePoint リストから Excel ブックにソースのコレクションをレポートしようとしている場合は、PerformancePoint がそのニーズに応えます。
しかし、実際にはどうなのでしょうか。PerformancePoint Services はどのようなものから構成されるのか、どのようにすればその真価を引き出せるのでしょうか。PerformancePoint Services は SharePoint 2010 の一部であり、その外見は SharePoint に精通したユーザーが Web パーツ ページに期待するものと似ています。その真価は以下のように引き出されます。
第一に PerformancePoint Services の作成機能を活用する必要があります。ダッシュボード デザイナー アプリケーションは、主要業績評価指標 (KPI)、スコアカード、分析グラフ、グリッド、レポート、フィルター、およびダッシュボードを最初から作成するためのツールボックスです。各コンポーネントは PerformancePoint Services に対して固有であり、データ接続やセキュリティなどの難しい部分を処理するサーバー コンポーネントと相互動作する機能を提供します。
ダッシュボード デザイナーは WYSIWYG 方式の操作体系を備え、作成した要素はブラウザー上に作成時の外観そのままに表示されます。ここで第二の活用対象であるエンド ユーザー エクスペリエンスが関わってきます。PerformancePoint Services は、共有を念頭に置いて設計されました。作成した要素はダッシュボードにまとめられ、SharePoint ページに表示されます。このページでは、だれによって表示されているのか、それらのユーザーにどの情報の公開が許可されているのかが明確にされています。つまり、自分が設計し、発行したものをエンド ユーザーが利用するのであり、その過程で IT スタッフの力を借りる必要や、複雑なワークフローを実行する必要はありません。
PerformancePoint に関する詳細な解説については、TechNet の記事を参照してください。また、当チームの Kevin Beto が共同執筆した書籍『Microsoft SharePoint 2010 PerformancePoint Services Unleashed (英語)』もチェックしてください。
それだけなのか
おっと待ってください。これで終わりではありません。この投稿のタイトルにも「PerformancePoint はそれだけなのか」とあります。データ中心の SharePoint ページを作成した経験があれば、これらの種類の資産を自社のユーザーのために作成する作業の奥の深さがすぐに理解できるでしょう。レイアウトの問題から再利用コンテンツの特定、コンポーネント間の複雑な接続に至るさまざまな課題への対処には、ブラウザーで作業する場合であれ SharePoint デザイナーを使用する場合であれ、特定の知識が要求されると同時に有益な経験が大きく役立ちます。
PerformancePoint でダッシュボード デザイナーと SharePoint が統合されることは、これらの要素を 1 つに連結するユーザーの作業に非常に役立ち、パワー ユーザーがこれらのページをより速く作成することにも役立ちます。
「さすがは PerformancePoint ダッシュボードだ」と感嘆の声を発するユーザーの姿を幾度も目にすることでしょう。これは事実ですが、誤解を招きやすい表現です。PerformancePoint ダッシュボードは、簡素な SharePoint Web パーツ ページです。通常の Web パーツ ページと唯一異なるのは、それが Web パーツ領域に配置されることです。
PerformancePoint Web パーツが備える柔軟性の秘訣がここにあります。ご存じのとおり、Excel Services Web パーツ、Reporting Services Web パーツ、ProClarity Web パーツ、Visio Web パーツがあり、当然ながら独自のネイティブな分析レポートのコレクションがあります。スコアカードやネイティブな分析レポートには途方もない価値がありますが、常に必要なものではありません。
希望するコンテンツを表示する機能を提供するだけでなく、インテリジェントな Web パーツにその機能をラップすることにまで気を配りました。この Web ページは、値を適切な場所に渡すことができ、そのうえ、ユーザーがフィルター処理したり何かを相手に連携して操作したりする最新の方法で値を更新できるので、ページ全体の読み込みを再実行する必要はありません。
こういったことを背景に、PerformancePoint は豊富なコンテンツ ソースから SharePoint 上にビジネス インテリジェンス ダッシュボードを作成する素晴らしいツールであると推奨します。ダッシュボード デザイナーは、そのような複雑な接続とフィルターを使用および管理する簡素なツールです。これは、複雑なダッシュボードの作成や、より複雑なダッシュボードの文書パーツの作成を行う高機能ツールへと進歩しつつあります。
共通のデータ ソース、KPI、およびレポートを作成してからダッシュボード デザイナーを使用して、ダッシュボードを迅速に組み立てて SharePoint に展開できます。
PerformancePoint を試そうか迷っている背中をもうひと押しするため、次のことに注目するようにお勧めします。第一に、SharePoint 2010 Enterprise を使用中であれば、既に PerformancePoint が手元にあります。ビジネス インテリジェンス センター サイトを作成できない場合は、PerformancePoint Services 機能をサイトで有効にするように管理者に依頼してください。これは、文字どおり「ボタンをクリックしてオンにする」だけの手続きです。第二に、2010 年より前は、PerformancePoint を Analysis Services データ ソースなしで使用するのは、おそらく補足的な利用方法でした。しかし、今では Power Pivot for Excel でデータ モデルを迅速に作成し、これを SharePoint ドキュメント ライブラリにアップロードし、PerformancePoint を使用してデータ ソースとしてこれに接続すると、以前は Analysis Services キューブがなくてはユーザーから利用できなかった PerformancePoint 機能にアクセスできます。
これらのトピックにおける今後の進展には常に注意を払ってください。これらの製品の使用に関する詳細な情報を希望する場合や、質問や問題がある場合は、Twitter やこのブログのコメント欄を利用してご連絡いただけます。
Jason Burns
プログラム マネージャー
Office BI、Microsoft
これはローカライズされたブログ投稿です。原文の記事は、「What is PerformancePoint Services for SharePoint 2010 – And what else is it?」をご覧ください。