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Team Foundation Server 2010 は本当に手軽に導入できます

 今日のITビジネスでは、PCを使用したシステム開発も大規模なものになるケースが多くなっているように思います。
 大規模なシステム開発においては複数の開発者・複数のテスト担当者がかかわるため、ソースコードの管理やバグの管理、作業の進捗管理などが重要になってきます。
 そのような、開発プロセスを管理する際に使用するシステムとして提供させていただいているのが Team Foundation Server (以下 TFS)です。

 今回は、いかに簡単に TFS 2010 を導入できるかを紹介したいと思います。
 
 実はTFSはこれまで、導入の敷居の非常に高い製品と言われてきました。
 Express版ではないSQL サーバーのインストールやそのReporting 機能の有効化、IISサーバーのコンフィグレーション、Active Directoryのアカウントの設定など、あらゆることを事前に完全に設定しておかなければならず、また、Windows7などの Client OSにはインストールすることがそもそもできなかったので、導入するまでの敷居が高くなってしまっていたように思います。
 
 しかし、今回の TFS 2010 は今までとは比較にならないほど導入が簡単です。
 TFS 2008 や 2005 の導入を検討していただいたけれども結局断念された、という方もきっと、今回の TFS 2010であればご満足いただけると思っています。
 
 
 今回のこの記事では、とりあえず TFS 2010 を気軽に試してみたい、という方を対象に、日ごろ Visual Studio などを使用している クライアントマシンの上にそのまま TFS 2010 をインストールしてプロジェクトを一つ作るところまでを紹介します。
 次回以降、ソースファイル管理やバグ管理なども紹介していこうと思います。
 以下に紹介するのは、OSが Windows7で、既にVisual Studio 2010 をインストールされている場合の例です。
 なお、他のOSでも同様ですし、Visual Studio 2010 が入っている必要はありません。
 
 
 まずインストールですが、おそらく悩まれるところはないと思います。
 セットアップを起動して、途中で以下のような「インストールする機能」を選択する場面がありますがとりあえず全部選択してインストールします。
 
 

 
 
 インストールが終わると以下のよう画面になると思います。
 「構成」ボタンをクリックして、そのままサーバーの構成をしてしまいましょう。
 
 

 
 
 
 最初にライセンス認証の画面が出てきます。
 すでにTFS 2010をオンラインなどでご購入されている方はここでプロダクトキーを入力していただき、そうでない場合は「評価版ライセンスをインストールする」を選択して進みます。
 なお、評価版ライセンスであっても機能的には製品版と同等の機能を使用することができますが、有効期間は90日間ですので、それ以降継続してご使用いただく場合には、あとで製品版ライセンスを管理画面で入力すれば期限がなくなります。
 
 

 
 
 「アクティブ化」をクリックすると、構成センターの画面になります。
 ここで、TFSをどのようなレベルで使用するかを選択することができます。
 最も簡単なのは「基本」構成ですので、ここでは基本を選択して進みます。基本構成であれば、SQL サーバーを単体でインストールする必要もなく、SQLがなければ SQL Expressを自動的にインストールしてくれますし、IISの設定なども自動的に行ってくれます。
 

 
 
 ほぼ既定のまま進めて、実際の構成を行います。
 
 

 
 
 すると、おそらく数分内に構成が終了し、以下のようなメッセージが表示されるはずです。
 
 
 
 
 
 これでサーバー側の設定はとりあえず終了です。おそらく何ら悩まれるところはなかったはずです。
 
 では、今度はこのTFSサーバー上に、ひとつプロジェクトを作っておきましょう。
 ここでは、TFSサーバーをインストールしたマシンと同じマシンにVisual Studio 2010 が入っている場合を取り上げているため、同じマシン上でVisual Studio 2010 を起動しますが、違うマシンでももちろん構いません。ただし別マシンにVisual Studioが入っている場合には、そのマシンからTFSサーバーに接続する際にサーバー名を入力する必要がありますので、マシン名を確認しておいてください。
 
 それではまず、Visual Studio 2010 を起動します。
 スタート画面の中に「Team Foundation Server への接続」というリンクがあるので、これをクリックします。
 
 

 
 
 すると以下のように、サーバーに接続する画面になります。
 同じマシンにVisual Studio 2010 とTFSが入っている場合には、すぐにドロップダウンにサーバーが表れますが、違うマシンの場合には、「サーバー...」をクリックしてサーバー名を入力します。
 
 

 
 
 するとチームエクスプローラーに、接続したTFSサーバー名が表示されると思います。
 しかし、現状そのTFSにはまだ何も存在しない(プロジェクトが存在しない)はずなので、チームプロジェクトを作りましょう。
 チームエクスプローラーの TFSサーバーの名前¥DefaultCollection を右クリックして、「新しいチームプロジェクト(W)...」を選択します。
 
 

 
 
 すると、チームプロジェクトの設定ウィザードの画面になるので、まずはチームプロジェクト名を適当に入力します。
 
 

 
 次にプロセステンプレートの選択画面になります。
 これは、自分が作成するチームプロジェクトの規模や種類によって使い分けることが可能ですが、とりあえここではデフォルトのまま(MSF for Agile Software Development v5.0)で次に行きます。
 
 

 
 
 
 次はソース管理の設定です。
 これから先作成したプログラムのソースファイルを格納する場所の名前を決めるのですが、今回は実験なので、特に変更しないで次に行きましょう。
 
 

 
 
 これで進めていくと、チームプロジェクトが生成されるはずです。
 拍子抜けするくらい簡単だったのではないでしょうか。ほとんど何も設定を変更する必要はなく、プロジェクト名さえ決めればあとはデフォルトで通常は問題ないと思います。
 
 

 
 
 プロジェクトが作成されると、チームエクスプローラーには以下のようにそのプロジェクトが表示されます。

 ここでソースコードをチェックインしたり、バグを登録したりといったことが簡単にできるのですが、その話は次回以降にしたいと思います。