【WP for ITPro】Windows Phone に業務アプリケーションを配布するには
Windows Phone を業務端末として採用するにあたり、壁となっているのがアプリケーションの配布の仕組みです。
Windows Phone にアプリケーションをインストールするには、アプリケーションを Windows Phone Marketplace に登録する必要があります。そして、アプリケーションは必ず Windows Phone Marketplace からダウンロードしなければなりません。標準では企業内のアプリケーション配布の仕組み(System Center Configuration Managger など)を流用することができない...というのがシステム管理者にとっての壁となっています。
しかし、こうした難関の解決こそ IT Pro の本領が発揮できる領域です!
Windows Phone Marketplace には「プライベート配布」と呼ばれる機能が提供されています。これは、Marketplace に登録されたアプリケーションを一般に公開せず、アプリケーションの URL を知っているユーザーだけがインストールできる機能です。
この機能を活用したサービスを独自に開発することで、業務アプリケーションの配布システムを構築することができます。
全体の流れを簡単に示したのが以下の図です。
はじめに、業務アプリケーションのカタログサービスにアクセスするための「管理用アプリケーション」を Windows Phone にインストールする必要があります。インストールのための URL はメール等で利用者に通知する必要があります。
通知された URL にアクセスして Windows Phone に管理用アプリケーションをインストールしたら、利用者は管理用アプリケーションを介して、業務アプリケーションの「カタログサービス」にアクセスすることができます。カタログサービスに新しいアプリケーションが登録された場合には、Windows Phone のプッシュ通知機能を使用して、利用者に新たなアプリの存在を通知することができます。
利用者は必要に応じて業務アプリケーションをインストールすることができます。
ここで問題となるのが、管理用アプリケーションの URL が外部に漏れる可能性があるということです。そのため、アプリケーション管理サービス(カタログサービス)には、防御壁として社内の ID で「認証」を行うためのしくみを実装しておかなければなりません。
クラウドのサービスを、どのように社内IDで認証するのか...IT Pro の皆さんならば容易に解決できますよね。そうです。Windows Azure AppFabric ACS と AD FS の連携です。
認証の流れを書くと以下の通りです。
ちょっと面倒に感じますが、たいした話ではありません。ただ、AD FS の概念は確かに難しいので、この部分は気合を入れて勉強しておく必要があります。
で、このあたりの解説を 2011年11月28日 に開催される Tech Fielders セミナーで行います。セミナーでは、Windows Phone への業務アプリケーションの配布を実装するためのアーキテクチャ解説と、具体的に実装方法について解説する予定です。
スピーカーは、わたしと大西です。私のほうでWindows Azure 側の実装および認証の仕組みについて解説し、それを受けて大西がWindows Phone アプリ側および Marketplace の解説を行う予定です。
IT Pro 要素と Developer 要素が混在し、少々難易度の高いセミナーとなる予定ですが、みなさまのご参加をお待ちしております。