Share via


現在と将来のインフラストラクチャのニーズを満たすうえで Azure が最適な理由

執筆者: Corey Sanders (Corporate Vice President, Azure)

このポストは、2018 年 6 月 4 日に投稿された Why you should bet on Azure for your infrastructure needs, today and in the future の翻訳です。

 

とても嬉しいことに、マイクロソフトのパートナー様やお客様は、Azure を活用してさまざまな成果を挙げられています。たとえば、Adobe (英語) では、インフラストラクチャ サービスとプラットフォーム サービスを組み合わせて Adobe Experience Manager を全世界に提供し、HP (英語) では、カスタマー エクスペリエンスの強化に AI を活用しています。さらに、Jet (英語) は、IaaS VM でマイクロサービスとコンテナーを使用して独自の e コマース エクスペリエンスを提供しています。ここでは大手 3 社の例をご紹介しましたが、他にも数多くの企業が生産性信頼性に優れたインテリジェントハイブリッド クラウドである Azure に投資しています。

この数年間は、お客様のアプリケーションをホストするサービスとして、主に IaaS (サービスとしてのインフラストラクチャ) が使用されています。Azure VM は、オンプレミスからの移行、IT インフラストラクチャの刷新、効率性の向上、セキュリティの強化、アプリの管理性の向上、コスト削減を実現できる最も容易な方法であり、Azure は今年も IaaS 部門で「Leader」の評価を獲得しました。

今回の記事では、クラウドへの移行とデプロイメントを検討しているお客様向けに、インフラストラクチャのニーズを満たすうえで Azure が最適な理由をいくつかご紹介します。

あらゆるワークロードに対応するインフラストラクチャ

マイクロソフトは、あらゆるワークロードに適したインフラストラクチャを提供すべく取り組んでおり、50 の Azure リージョンにおいて、お客様のアプリケーションのニーズに合わせてさまざまな CPU、GPU、メモリ、ディスク構成を選択できる Virtual Machines を提供しています。非常に高速な相互接続を必要とする HPC ワークロードには InfiniBand を、スーパーコンピューティング ワークロードには Cray ハードウェアをご利用いただけます。SAP HANA 向けには、RAM 容量が最大 4 TB の VM と最大 20 TB の専用ベア メタル インフラストラクチャをご用意しています。高性能インフラストラクチャだけでなく、使用中のデータを保護する Confidential Computing 機能や、最新の量子コンピューティング (英語) も提供しています。これらの各種ハードウェアでは、Windows Server、Red Hat、Ubuntu、CoreOS、SQL、Postgre、Oracle など、4,000 種類以上の組み込みアプリケーションを実行できます。マイクロソフトはこのように幅広いインフラストラクチャを提供しており、Coats (英語) などの企業は、自社データセンター全体を Azure に移行しています。

このたび、さらなる新機能が発表されました。

  •  業界最高レベルの M シリーズ VM には、最大 12 TB のメモリを搭載した VM が追加されます。パブリック クラウドの VM 1 台としては最大のメモリ容量であり、SAP HANA などのインメモリ ワークロードに対応します。これらの大容量の VM 構成を追加することで、クラウドにおける仮想化の限界を押し広げ、VM で実行される SAP HANA のパフォーマンスを向上させます。これらの新しい VM サイズは Intel Xeon Scalable (Skylake) プロセッサを基盤としています。詳細については、今後数か月以内にお伝えします。
  • M シリーズ VM では、メモリ容量が最小 192 GB の VM サイズの提供が開始されました。RAM 容量の選択肢は最小 192 GB、最大 4 TB に広がり、合計 10 種類のサイズ間で迅速なスケールアップ/スケールダウンが可能です。M シリーズ VM は SAP HANA 認定を取得しており、12 のリージョンでご利用いただけます。Azure ARM テンプレートの SAP HANA 用自動化スクリプト (英語) を使用すると、オンプレミス環境では数週間を要する SAP HANA 環境全体のデプロイメントをわずか数分で完了できます。
  • Azure Large Instances では、SAP HANA TDIv5 に最適化された新しい SAP HANA 用構成の提供が開始され、メモリ容量を 6 TB、12 TB、18 TB から選択できるようになりました。これに加えて、パブリック クラウドのインスタンスとしては業界最大規模となる 24 TB の TDIv5 構成の提供が開始されました。これにより、SAP HANA 専用インスタンスが 15 種類に拡大されました。TDIv5 構成を低価格でご利用いただけるようになったほか、SLA によって SAP HANA インフラストラクチャの可用性が 99.99% 保証され、さらに大容量の構成へのステップアップも可能です。
  • 新しい Standard SSD Disks は、Azure Managed Disks の低コストな SSD ベースのソリューションです。一貫したパフォーマンスと高スループットが必要とされるテストやエントリ レベルの運用環境のワークロードに最適です。Standard HDD Disks と比較すると、レイテンシ、信頼性、スケーラビリティが向上します。Standard SSD Disks は、Premium SSD Disks に容易にアップグレードできます。これにより、低レイテンシが求められる高負荷なエンタープライズ ワークロードに対応できます。Standard SSD Disks は、Azure Managed Disks の業界最高レベルの耐久性と可用性を備えています。Standard SSD Disks の詳細については、こちらのブログ記事をご覧ください。

完全な一貫性を持つハイブリッド機能

クラウド戦略についてお客様とお話しすると、ワークロードやアプリケーションを実行する場所の選択肢や柔軟性が求められていることは明らかです。オンプレミスとクラウドへの投資の両方を有効活用したいと考えているお客様は多数いらっしゃいます。Azure では、VPN、ExpressRoute、File Sync、Azure Security Center など、オンプレミス環境とクラウド環境を接続して管理し、完全なハイブリッド インフラストラクチャを実現するためのサービスを数多く提供しています。また、Azure Stack を使用すると Azure のサービスや機能をオンプレミスやエッジ デバイスに拡張できるため、ハイブリッド クラウド アプリケーションの構築、デプロイ、運用をシームレスに行えます。

このたび、世界中のお客様からの需要の高まりに対応するために、Azure Stack の提供地域が拡大されます。これにより、世界 92 か国で Azure Stack が提供されます。Azure Stack へのご期待にお応えして、今後さらに提供地域を拡大してまいります。サポート対象となる国と地域の完全なリストは、Azure Stack の概要ページでご確認ください。

アフリカ東部、中部、南部における大手データ通信、音声通話、IP プロバイダーの Liquid Telecom は、世界でも特に辺ぴな地域の顧客やパートナーにサービスを提供するために Azure Stack を活用することを計画しています。

「当社は長年にわたり、将来を見据えた革新的なサービスをお客様に提供しています。Microsoft Azure Stack はこの使命を強化するもので、アフリカでも特に人里離れた地域のお客様やパートナー様に価値を提供できるようになります。Azure Stack に加えて、受賞歴を持つ当社のアフリカ全体を網羅するファイバー ネットワークを経由する ExpressRoute と Azure を使用することにより、クラウドにおけるデータのプライバシー、コンプライアンス、全体的なガバナンスなど、複雑化が進むビジネス上の課題をお客様が解決できるように支援できます。これは当社だけでなく、流通パートナー様や付加価値パートナー様のチャネル全体にとっても、デジタル化によるカスタマー エクスペリエンスの強化に役立っています」 Liquid Telecom、最高製品責任者、David Behr 氏

組み込みのセキュリティ機能と管理機能

Azure のセキュリティや管理に関するベスト プラクティスについて、ご質問をいただくことがよくあります。Azure では、お客様が実行している VM が 1 台であっても数千台であっても、ベスト プラクティスを非常に容易に実践できるように、組み込みのバックアップ、ポリシー、アドバイス、セキュリティ検出、監視、ログ分析、修正プログラム適用など、独自のサービスを提供しています。これにより、VM をプロアクティブに保護し、環境内の潜在的な脅威を検出できます。これらのサービスは、マイクロソフトが Xbox、Office、Windows、Azure といったサービスを数十年にわたって提供してきた経験に基づき、数千人のセキュリティ プロフェッショナルによって構築されたもので、70 以上のコンプライアンス認定を取得しています。また、一般データ保護規則 (GDPR)、ISO 27001、HIPAA などの標準への準拠やプライバシーについては、リーダーとしての地位を維持しています。先週には、Azure Policy の一般提供が開始されました。これは、大規模な Azure リソースを制御、管理できる無料のサービスです。

このたび、複数の組み込みのセキュリティおよび管理機能が追加されました。

  • Azure IaaS VM 用災害復旧機能の一般提供開始: 事業継続計画が求められる規制 (ISO27001 など) にアプリケーションを準拠させるためには、災害復旧機能が必要となる場合があります。また、リージョン全体が自然災害の被害を受けるなどの万一の事態が発生しても、アプリケーションを継続的に実行する必要があります。この新しいサービスの一般提供が開始されたことにより、Azure 独自の組み込みの DRaaS (サービスとしての災害復旧) により、数日や数週間の期間を要することなく、数分程度で災害復旧を構成できます。使用を開始する方法の詳細については、こちらのドキュメントをご覧ください。

「Finastra では、DR の対策状況を改善するために、Azure リージョン間でのレプリケーションを直観的に構成できる ASR を活用しました。ASR は現在、当社の災害復旧の標準プラットフォームとなっており、数千のシステムを運用するうえで規模に関する問題が発生することはなく、当社の厳格な RPO/RTO 要件も遵守されています」 D+H、システム & アーキテクチャ担当ディレクター、Bryan Heymann 氏

  • Azure Virtual Machines での Azure Backup for SQL のプレビュー: このたび、Azure のバックアップ機能が拡張され、VM やファイルに加えて VM 上の SQL インスタンスのバックアップにも対応しました。このインフラストラクチャ不要のサービスにより、バックアップ スクリプト、エージェント、バックアップ サーバー、バックアップ ストレージの管理から解放されます。さらに、SQL Server や SQL Always On 可用性グループで SQL ログのバックアップを 15 分ごとに実行できます。この機能の主なメリットや使用を開始する方法の詳細については、こちらのドキュメントをご覧ください。
  • VM でのコマンド実行: マシンに接続しなくても、Azure VM に対するスクリプトを Azure ポータルから直接実行できるようになりました。PowerShell スクリプトまたは Bash スクリプトを実行可能で、ネットワークに接続できなくなったマシンのトラブルシューティングを行うこともできます。コマンド実行の詳細については、Windows VM (英語) および Linux VM (英語) のドキュメントをご覧ください。

コストの削減と管理、インフラストラクチャの最適化を行う新しい方法

クラウド インフラストラクチャの俊敏性を考慮すると、柔軟なデプロイメントだけでなく、コストの厳密な管理も必要になります。また、クラウド移行時にもコストを最適化する必要があります。Azure では、インフラストラクチャ コストの削減、最適化により、ROI を向上できます。

Azure では、低優先度 VM、バースト対応 VM、Oracle および SQL Database 向けの vCPU 制約付き VM、アーカイブ ストレージなどの革新的な製品やサービスを提供しており、お客様のアプリに適したインフラストラクチャ オプションを選択し、コストを最適化することができます。また、Azure 独自の Cost Management サービスを無料で提供しており、全体的な予算を管理、最適化できます。

Azure Reserved VM Instances (RI) を使用すると、コストを最大 72% 削減できます。さらに、RI と Azure Hybrid Benefit を組み合わせることで、Windows Server VM のコストを最大 80%、Windows VM 用 AWS RI と比較すると最大 73%* 削減できます。これにより、Azure は Windows Server ワークロードを実行するうえで最もコスト効率に優れたクラウド サービスとなります。Smithfield Foods (英語) などのお客様は、データセンター コストの大幅な削減、新規アプリケーションの納期の短縮、インフラストラクチャ コストの最適化に成功しています。

今回は、Azure の新しい機能やサービスの概要をご紹介しました。マイクロソフトは、プラットフォームを強化し、インフラストラクチャ サービスをよりシンプルで使いやすいものにするための取り組みを継続しています。さらなる強化を図るため、皆様からのご意見をお待ちしております。

Azure IaaS (英語) を今すぐお試しください。また、2018 年 6 月 18 日の Azure IaaS Web キャストでは、今回ご紹介した内容の多くを取り上げます。こちらのページ (英語) からご登録ください。

次回もどうぞお楽しみに。

Corey Sanders

 

*免責事項:

1.   D2V3 サイズの Windows Server VM 2 台の年間コストを比較した例。米国西部 2 リージョンで D2V3 サイズの VM 2 台を 12 か月間、毎月 744 時間稼働した場合のコスト削減額を算出したものです。米国西部 2 リージョンの SUSE Linux Enterprise のコンピューティング基本料金を適用しています。2018 年 4 月 24 日時点の Azure の料金と、2018 年 4 月 24 日に改定された AWS の料金を比較しています。料金は変更される場合があります。

2.   80% のコスト削減とは、Windows Server 向け Azure Hybrid Benefit と 3 年契約の Azure Reserved Instance を併用した場合です。ソフトウェア アシュアランスの料金は含まれません。

3.   実際の削減額は、場所、インスタンスの種類、使用状況によって異なります。