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こんにちは。Exchange サポートの黒崎です。
今回は Exchange Server 2010 と 2016 の混在環境でモデレーションがループしてしまう不具合についてご紹介いたします。
Exchange Server 2010 から 2016 への移行の際、一時的に混在環境になる場合があると思いますが、以下にご案内するモデレーションがループが発生した際は、以下にご案内する回避策を実施することで回避できます。
事象1
システム メールボックスが Exchange Server 2010 上に存在し、モデレーション ルールの適用されるユーザーが Exchange Server 2016 に存在する場合、モデレーションがループする (何度承認してもメールが送信できない)。
事象2
システム メールボックスが Exchange Server 2016 上に存在し、モデレーション ルールの適用されるユーザーが Exchange Server 2010 に存在する場合、モデレーションが 2 回発生する (2 回の承認を経て、メールが送信される)。
原因
どちらの現象も、システム メールボックスとモデレーション ルールの適用されるユーザーの存在するサーバーのバージョンの違いによって引き起こされる製品の不具合となります。
また、この問題は Exchange Server 2010 と 2013 との混在環境でも発生します。
回避策
事象1の問題は、モデレーション ルールの適用されるすべてのユーザーがExchange Server 2016 上に存在する場合、システム メールボックスをExchange Server 2016 環境に移行することで回避することができます。
システム メールボックスの Exchange Server 2016 環境への移行手順は以下になります。
システム メールボックスの Exchange Server 2016 環境への移行手順
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1. 管理シェルで以下のコマンドより、システム メールボックスがどのサーバー上にあるか確認します。
Get-Mailbox -Arbitration | fl Name, ServerName, Database
2. Exchange 2016 管理センター で、[受信者] -> [移行] に移動します。
3. [新規作成] をクリックしてから [別のデータベースに移動] をクリックします。
4. [移動するユーザーを選択] をチェックし、[追加] (“+” のマーク) をクリックします。
5. [メールボックスの選択] ページで、1. で確認したExchange Server 2010 上にあるメールボックスを追加します。
6. [OK] をクリックし、[次へ] をクリックします。
7. 移行バッチの名前を入力して、”移動先のデータベース” の横の [参照] をクリックし、システム メールボックスの移動先のメールボックス データベースを追加します。
※ 選択したメールボックス データベースのバージョンが ”15.1” であることを確認します。
8. [次へ] をクリックし、移行リクエストを自動的に開始して終了するオプションを選択してから、[新規作成] をクリックします。
しかしながら、モデレーション ルールの適用されるユーザーが Exchange Server 2010 にも存在する場合、上記対処後も、システム メールボックスとモデレーション ルールの適用されるユーザーの存在するサーバーのバージョンに違いが生じるため、事象2 の問題が発生します。
この事象2の対処策として、以下の 2 つをご案内します。
<対処策>
A. 対象のトランスポート ルールに例外処理を加える
B. モデレーションのルールに該当するユーザーの Exchange Server 2016 への移行
各手順は以下になります。
A. 対象のトランスポート ルールに例外処理を加える手順
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1. Exchange 2016 管理センターを開き、[メール フロー] -> [ルール] より、対象のトラーンスポートルールを選択し、[編集] (鉛筆マーク) をクリックします。
2. [その他のオプション] をクリックし、[例外を追加] をクリックします。
3. 選択肢から "メッセージヘッダー" を選択し、さらに "これらの単語を含む" を選択します。
4. [テキストの入力] に "X-Moderation-Data" と入力し [OK] をクリックします。
5. [単語の入力] をクリックし、以下の文字を "+" のボタンで追加 (計 10 回) し、[OK] をクリックします。
0, 1, 2, 3, 4, 5, 6, 7, 8, 9
6. [保存] をクリックします。
B. モデレーションのルールに該当するユーザーの Exchange Server 2016 への移行
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A の回避策で回避しない場合は、モデレーションのルールに該当するユーザーを Exchange Server 2016 へ移行します。
移行手順については、以下の弊社公開情報をご覧ください。
Title : Exchange Server 2016 自習書シリーズ
URL : https://technet.microsoft.com/ja-jp/library/mt691869.aspx
※ 移行・共存編の "3.4 メールボックスの移動" をご確認ください。
補足
本事象は、Exchange Server 2010、2016の混在環境で必ずしも起きるとは限りません。
また、本事象に対する修正は、ご案内のような回避策もあることから現時点では見送られています。
このため、本ブログの事象が発生した場合はご案内の対処策を実施することによる回避をご検討ください。
※本情報の内容(添付文書、リンク先などを含む)は、作成日時点でのものであり、予告なく変更される場合があります。