フォローアップ:Windows ウィンドウの管理
ウィンドウの整列に関する投稿から、実にさまざまな議論が交わされています。これは、このような細かい部分が、ユーザーにとってどれだけ重要なことであるかを如実に示しています。アプリケーションを画面上に表示する方法を調整できるかどうかは、ほぼすべての作業に関係するため、生産性向上の鍵となります。さらに、それは一人ひとりさまざまな別々の問題です。ユーザーは自分の作業環境をコントロールし、自分にとって快適な状態に設定したいと考えています。
ここで、明らかにしておかなければならない事実があります。それは、ユーザーが求めているさまざまな作業形態、さまざまなツールや提案された手法のすべてについて満足させることのできるソリューションを提供することは不可能だということです。あらゆる要望を網羅したオプションと UI を実現したら、大変なことになるであろうことは、皆さんにもお分かりいただけると思います。初めは、あまり気の進まない仕事でしたが、ユーザーが Windows PC を自分だけの PC にするために使用している (さらに、自分で開発している!) さまざまなツールやユーティリティについて聞くことは、何よりの楽しみでした。私たちの目標は、デスクトップを管理するうえで考えられるありとあらゆる方法に対応したソリューションを提供することではありません。むしろ、カスタマイズ機能と個人設定機能を使用してデスクトップを管理する手段を提供し、ユーザーがユニークかつ斬新な方法でデスクトップをさらに進化させるツールを開発できるようなプラットフォームを提供することなのです。 先に述べたように、いくら努力しても、無限のカスタマイズ機能を提供して、ユーザーを引き付けておくことはできないため、実際のところ技術的に不可能です。ただし、この方法には、無限ではないにしてもかなりの柔軟性があるため、開発者は新たなツールを提供し、コンピューター メーカーは自社の PC を差別化できます。また、これらの要素を好きなように組み合わせることで、UI を自分専用に調整し、生産性が上がるような快適な環境にすることができます。
もう 1つ特筆すべき点は、実に多くのコメントの内容が、ウィンドウのフォーカスの移動、レジストリ、Zオーダーでのウィンドウの管理など、Windows で議論されてきた要素に関するものだったことです。これらの Windows API に関する歴史および名言は、Raymond Chen のブログから生まれました。Raymond は Windows チームに長年属している開発者であると同時に、『Old New Thing, The: Practical Development Throughout the Evolution of Windows (邦題「Windowsプログラミングの極意 歴史から学ぶ実践的Windowsプログラミング」)』の著者でもあります。これは、Windows が行う部分と、アプリケーション開発者が行える部分 (およびカスタマイズできる部分) の境界がどこにあるのかを理解するために最適な資料です。
この本の冒頭で、Daveは、チームでの議論で取り上げられたいくつかアイデアについて補足しています。 -- Steven
コメント全体にわたって、たびたび見られる複数のフィードバックがありました。フィードバックの内容からは (詳細は以下を参照)、これらの点に対する強い思い入れがあるように感じます。
- ウィンドウのサイズは重要。しかし、ウィンドウのサイズの変更は面倒で、うんざりする。
- ウィンドウの行き先は自分で指定させてほしい。ウィンドウをどこに配置すればよいかをよくわかっているのは自分自身だ。
- ターゲット ウィンドウ (またはデスクトップ) がいっぱいになっていることが多いので、ファイルのドラッグは厄介である。
- 切り替えるウィンドウがどれであるかを探すときに、実行中のウィンドウをもっと簡単に見分けられるようにしてほしい。
- コンテンツにウィンドウが収まるように、予測できるような方法を望む (必ずしも最大化されている必要はない)。
- ウィンドウが最大化されている場合でも、私の個人用に設定された配色を維持したい。
これらの各ニーズについては、他の製品の機能に対して、そしてまったく新しいアプローチに対して、潜在的な解決策が議論されています。これらのコメントから明らかなのは、改善を求める声が多いということと、このテーマについて長い間考え十分に具体的な推奨機能を考えついているユーザーがいるということです。以下に、現在コメント欄でやり取りされている内容の一部を抜粋します。
目的の場所にウィンドウを配置する
既存の機能について、適切に機能するケースとそうでないケースをユーザーが議論している様子を見て、非常に興味深いと感じました。
たとえば、@d_eさんはタスク バーの、並べ表示オプションのファンです。
分割ウィンドウのような形でのウィンドウの整列は、実際はとても簡単なのだ。タスク バーで、複数のウィンドウを Ctrl キーを押しながら選択する。次に、右クリックして、並べ表示のオプションのいずれかを選択する。
しかし、この方法では @Xepolさんの目的は満たされていません。
タスク バーの上のウィンドウの並べ替えボタンに関しては、Win95 以来、そこにあることは知っているが、私は使用したことはない。目的どおりに表示されないからだ。目的の並べ方に近かったとしても、順序が間違っている。結局自分でドラッグしなければならないので、最初から自分で目的の場所に配置する方が簡単だ。
@Aengelnさんは、もっと使いやすくするために、ウィンドウを並べて表示するという基本的な考え方を、さらに高いレベルに引き上げることを提案されています。
本当に便利な機能とは、特に大きな画面の場合は、デスクトップを別の部分として分離する機能だろう。たとえば、デスクトップの右側の一部分で Messengerウィンドウを最大化しながら、残りの領域でも、他のウィンドウを最大化することができるという機能だ。最大化されていないウィンドウは、デスクトップの両方 (すべて) の領域上の任意の位置に配置することができる。
ウィンドウが配置される場所を制御でき、常時使うほど簡単ですばやく行えるのであれば、複数のウィンドウの画面領域を最適化する機能は、とても使いやすそうです。現在のタスク バーの並べ表示機能は便利かもしれませんが、日常的に使用するほど簡単というわけではないようです。
適切な大きさで開く
ウィンドウの「既定サイズ」に対するコメントや、既定のサイズがどのように決定されるかに関する質問が多数ありました。開くときの大きさをアプリケーションで選択することもできますが、通常は、前回閉じたときのウィンドウの大きさが使用されます (または、この設定を使用しないように指定することもできます)。ユーザーをがっかりさせる可能性があるケースの 1 つとして、IE が小さなウィンドウを開く場合があります (Web サイトではときどきあります)。いったんそれを閉じると、それが新しい「前回の大きさ」になってしまうからです。
@magicalclickさんから次のような解決策が提案されました。
もう 1つキャプション ボタン (「固定サイズ」) があればよい。実際には、チェック ボックス。チェック ボックスがオンの場合、このアプリケーションでウィンドウの状態が保持される。後からサイズを変えたり移動したりすることができる。ウィンドウを閉じた後も、後から行った変更は保存されない。
@steven_sinofsky から、今すぐ作業効率を向上させるために使用できる、次のような高度な使い方が紹介されました。
@magicalclickさん、私はそれには反対です。私なら、ボタンやクリックする箇所を追加するのではなく、「パワー ユーザー」方式でワン クリックでできるようにします。つまり、いつ小さなウィンドウで開いた場合に、それを閉じないで、アプリケーションの別のコピーを「通常の」サイズのウィンドウで開いてから、小さい方のウィンドウを閉じて、それから、通常のサイズのウィンドウを閉じるのです。
もちろん、この方法は大変ですし、解決策を見つけることは不可能に近いかもしれませんが、タイトル バー上に 4 番目の UI を加えるよりは良い方法だと思います。
–steven
正しいウィンドウを探す
よく話題になるのは、(MacOSの)「Exposé」です。
@Joey_jさん: Windows には「Exposé」のような機能が必要だ。 私はすべてのウィンドウを同時に見たい。
@Dan.Fさん: 一言、「exposé」。コピーしてほしい。
@GRiNSERさん: Exposéには、長所と欠点がある。macbook プロの 1400x1050 画面で 30 個のウィンドウを扱えるとしても、実際はそれほど役立たない。ただし、フリップ 3D よりは便利だ。Exposéは、キーボードを使ったウィンドウ検索よりも使いやすいだろう。
名前にかかわらず、検索しているウィンドウを視覚的に探す機能への要望があるということです。時系列的な方法の Alt + Tab や フリップ 3D よりも、ランダムなアクセス方法で、縮小表示からウィンドウを視覚的に選択できるような方法です。これは、多くのウィンドウを開く領域がある場合は切り替えの際に非常に便利ですが、いくつかの現在のアプローチでは、拡大縮小機能が不十分です。拡大縮小を行った場合、ユーザーがさらに多くのプログラムを実行すると、より困難な問題に発展する可能性があります。
ファイルのドラッグ
ウィンドウ間でのドラッグをより簡単にする方法について、複数のコメント (および複数の異なる提案) がありました。
@Manicmarcさん: 私は、Mac OS の Springloaded フォルダのような機能があればいいと思う。フォルダの上にドラッグして、フォルダをポイントすると、フォルダが表示され、次のフォルダが開いたらそこにドラッグする、というものだ。
@Juan Antonioさん: オブジェクトをドラッグするときに、ウィンドウのリストまたはサムネールを開いて、オブジェクトのドロップ先に使用するウィンドウを (右クリックなどで) 選択できれば、それは便利だ。
このトピックに関して、何かをできることと、適切と感じることの違いについての @Kosher さんからのコメントが気に入りました。
UI をほんの少し拡張することで、物事をはるかに簡単に実行できるようになる。どれくらい簡単であるかということだけではなく、共通の UI ワークフローとタスクの間のユーザーの遷移がどれくらい円滑であるかにも関係している。これは、Ferrari を一度も運転したことがなく、今後も Ferrari に乗る機会があるとは思えない人に、Ferrari と Toyota の相違点を説明するのに似ている。
Windows 7 の設計では、私たちはこのコメントの精神を現実的なものとして真剣に考えています。Windows 7 を試乗 (試用) できるようになったとき、Windows 7 がどの車と比較されるのか、今から楽しみにしています。
- Dave